第20話 最終日
◆ダンジョンキングオーダー最終日 ― 呪われし亡霊の城
王都の広場は早朝から人でごった返していた。
魔法掲示板の前に集まる観衆たちの視線は、三大ギルドに注がれている。だが――ルミナスブレイブの名も、じわじわと話題にのぼるようになっていた。
◆ダンジョン突入前
「……いよいよ最終日だ」
ヒカルが剣を背負い直す。
「昨日の最速は、デビルズの十一分でしたっけ」ユウキが眼鏡を押し上げる。
「わたしたち、まだ三十分切れなかったよね……」ナオが眉を下げる。
「だからこそ今日だ。きっとなんとかなる」
ヒカルの断定的な声に、皆の表情が引き締まった。
「アタシ、今日こそ縛りまくってやるっしょ!」ミナがドヤ顔で腕を組む。
「俺も応援全開でいくぜ! 全員、俺の声を聞けよな!」ソウタが親指を立てた。
「全滅だけは絶対に許さないから。死ぬなら必ず戻ってきなさい」レナが冷たく言い放つ。
「……レナさん、それ死ぬ前提ですか……」ユウキが苦笑した。
僧侶としての叱咤激励なのかもしれない。
◆道中 ― 連携の進化
「前より雑魚が増えてるけど……!」
ナオが大剣を振り抜く。
「ミナ、右の通路を頼む!」ヒカルが指示を飛ばす。
「縛った! はい、デバフも追加ぁ!」
鎖が兵士を一掃し、ユウキの火球が連鎖爆発する。
「よくやった! ソウタ、バフを!」
ミナがソウタに合図を出す。
「おっしゃ! ユウキちゃん火力アップーッ!」
「わ、わぁ! 威力が……! 兵士が一撃で蒸発しました!」
「ふふ、いい調子ね」レナが回復をかけながら微笑む。
チーム全員が、これまでの失敗と学習を積み重ねていた。
プレオーダーや本番で苦戦した道中は、今日はほとんど止まることなく突破していく。
◆ボス戦 ― 呪われた王
謁見の間の扉が軋むように開き、呪われた王が立ち上がる。
その威圧感に空気が震えた。
「ここからが本番だ。ナオ、最初の突進を受けろ!」
「わかった!」
王の剣が振り下ろされる瞬間――
「縛ったっしょ!」
ミナの鎖が光を放ち、王の動きを止めた。
ミナの拘束もプレオーダーの時とは段違いの精度だ。
昨日見たデビルズの拘束士の影響を強く受けたのだろう。
「今だ、総攻撃!」ヒカルが叫ぶ。
ユウキの魔法、ソウタの応援、ナオの斬撃、そしてヒカルの渾身の剣閃が畳みかける。
最高の瞬間火力を叩き出す!
ボスである呪われた王が怯む。
そして、即死攻撃のモーションを取り始める。
◆即死攻撃との攻防
「くるぞ、即死剣!」
ヒカルが叫ぶと同時に、王の剣が黒い光を帯びる。
「全員、散開しなさい!」レナの声が飛ぶ。
しかし、ユウキが遅れて被弾した。
「うわっ……!」
「ユウキー!」ナオが叫ぶ。
「リザクレクション!」
レナの魔法が即座に発動し、ユウキが蘇った。
「……あ、ありがとうございます! レナさんがいなかったら……」
「感謝はあと! 死ぬなら一人だけにして!」
そう言いながらも、全員にシールド効果を付与し、
死にづらい防御バフをかける。
レナはもともと上級クラスで、経験値が違う。
適切な処置だ。
もうしばらく一定時間が経過すると、ボスは即死攻撃を仕掛けてくる。
残りのHPが減れば減るほど、頻繁に即死攻撃を仕掛ける。
だが、残りHPもあとわずか、ここは一気に叩き込みたいところだ。
即死攻撃が来るときは、防御に徹さなければいけないため、
その分、クリアタイムが遅くなる。
◆切り札 ― ソウタの全力応援
「ここしかねえな……! 全員、耳かっぽじって聞けよ!」
ソウタが胸を叩き、息を吸い込む。
「お前らは最っ高だーーーッ!!」
その声と同時に、パーティ全員に眩いオーラが広がった。
攻撃力が爆発的に上がり、状態異常が一気に吹き飛ぶ。
「ナオ、火力五倍入った! 全力で叩け!」
「いくよっ!」ナオの大剣が閃き、王の装甲を叩き割る。
「僕も……! これなら届く!」ユウキの炎柱が直撃する。
「ミナ、もう一度!」
「任せな! 縛った! ここで決めるっしょ!」
鎖が王を拘束する瞬間、ヒカルが前へ躍り出た。
◆決着
「俺たちの全力、見せてやる! ――きっとなんとかなるッ!」
ボスはミナによって拘束され、防御デバフがかかる。
さらに、ユウキとレナの攻撃バフ魔法、ソウタの応援による火力バフが乗る。
ナオが、拘束されたボスの鎧を大剣で砕き、完全に無防備となった
ボスの本体に向けて、ヒカルの剣がボスを目指す。
剣に光が収束し、仲間たちの力が一つになった。
ヒカルの一閃が王を貫き、呪われた城が光に包まれて崩れ落ちる。
◆結果
ダンジョンから出た瞬間、魔法掲示板に新しいタイムが表示された。
――【ルミナスブレイブ 14分30秒】
「「「おおおおおおおっ!!!」」」
観衆のどよめきが響き渡る。
「すご……! 三大ギルドの記録に、追いついてる……!」
ユウキが目を見開く。
「わたしたち、やっちゃった……?」ナオが呆然と呟く。
「いけるっしょ! アタシたち、マジ強い!」ミナがガッツポーズ。
「俺たちは俺たちのやり方でやればいい。――そうだろ?」
ヒカルが仲間を見渡す。
「……ええ、そうね。わたしたちは、まだ強くなれる」レナが小さく笑った。
「よっしゃー! 俺たちの物語、ここから始まるってやつだな!」ソウタが天を仰いで叫んだ。
ルミナスブレイブ。
新参ギルドは、ついに三大ギルドの背中を視界に捉えたのだった――。
~キャラクターステータス~
■ヒカル(人間)※主人公
現世が前世で自分が覇者になったゲームの世界だと気づく。
唯一ギルドパーティでの優勝のみ達成できず、現世での優勝を目指す
ジョブ:剣士
レベル:上級
火力:1000
スキル:剣技 ※アタッカーで司令塔
■ユウキ(人間)
観察魔、魔道オタク。魔法の深淵を追究したい。
子供で相手にされなかったが、ヒカルに拾われる。
ジョブ:魔法使い
レベル:上級
火力:1000
スキル:炎系の攻撃魔法が得意。器用で支援魔法も使えるが、回復魔法は使えない。
アタッカーであり、サポーターでもある。
■ナオ(人間)
両親が伝説の冒険者。親に負けたくないが、頭を使うのが苦手。
ただし、両親譲りの能力の高さ、そして素直で物覚えはよい。
ジョブ:剣士
レベル:上級
火力:1000
スキル:剣技。短剣、長剣、大剣など何でも使える器用さとパワーがある。
アタッカーであり、物理攻撃を防ぐ、受けの役割も持つ。
■ミナ(人間)
漫画オタク。拘束士として自分がどこまでやれるか試したい。
旅立ちの機会を待っていたところ、ヒカルに誘われる。
ジョブ:拘束士
レベル:中級 → 上級 ※今回のオーダーで拘束士としてレベルアップ
火力:10
スキル:拘束。相手を静止させる。また、隠しフロアの裏アイテムである、
竜拘束の指輪にて拘束中にデバフ効果、防御力半減が使える。
攻撃力はないが、超強力なサポーターである。
■レナ(人間)
プロ意識の強い僧侶。ヒカルと同じく、この世界の高みを目指したい。
前世を思い出した後のヒカルに出会い、何か変化を感じ取っている。
そして、異性として気になりつつある。
ジョブ:僧侶
レベル:上級
火力:0 ※回復力1000
スキル:回復魔法を持つ。支援系魔法も使える。
■ソウタ(人間)
幼少より、ミナを守りたい一心で、強くなろうと決意し、三大ギルドで修行する日々。
ミナが所属するヒカルたちのギルドに迷わず、移籍することにした。
ジョブ:チアマン
レベル:上級
火力:0 ※応援力1000
スキル:応援。状態異常の無効化、大幅な瞬間火力アップなど
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