第19話 オーダー本番
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◆オーダー本番 ― 呪われし亡霊の城
鐘が鳴り響き、いよいよダンジョンキングオーダー本番が始まった。
プレオーダーの〈呪われし亡霊の城〉と同じ舞台――だが、道中はさらに長く、兵士の数も膨れ上がっている。
「ひぃぃ、なんか……前より兵士の顔が生々しいんですけど!」
ユウキが背中を丸めて、怯えながら詠唱を始める。
「ナオ、突っ込むな! 雑魚が増えてる分、前より処理速度が遅い」
ヒカルが剣を振り抜きながら冷静に指示を飛ばす。
「わ、わたし耐えるから! えへへ、でもやっぱり多すぎるよ!」
ナオは大剣を構え直し、必死に前線を守る。
「ミナ、右の通路に回り込みなさい!」
「オッケー! ……縛った! これで進めるっしょ!」
鎖が兵士を絡め取るたび、レナが光の魔法で仲間を回復していく。
しかし、それでも道中の消耗は大きく、進軍速度はプレオーダーよりも遅れた。
◆ボス戦(本番)
玉座に座っていた「呪われた王」が、重苦しい音を響かせながら立ち上がる。
その巨体はさらに禍々しく、剣を振り下ろす動きに見たことのない軌道が混ざっていた。
「攻撃パターン、増えてます!」ユウキがすぐに叫ぶ。
「わたし、これ避けきれるの!?」ナオが汗を飛ばしながら盾代わりの大剣を構える。
「絶対避けろ! これは……即死級だ!」
ヒカルが叫んだ直後、王の剣が地を叩き割り、ナオが吹き飛ばされた。
「ナオーーーっ!」
「落ち着きなさい! リザクレクション!」
レナが両手をかざすと、神聖な光がナオの身体を包み、瞬く間に蘇生された。
「っぷは! 助かったぁ……! レナ、ありがと!」
「感謝は後! 死なないでよね!」
しかし、その後も即死攻撃は容赦なく降り注いだ。
ソウタが声を張り上げ、仲間を鼓舞し続ける。
「へいへい! まだまだ元気出してこーぜ! 死んでもレナちゃんがなんとかしてくれるし!」
「ふざけてる場合ですかソウタさん!」ユウキがツッコミを入れる。
生死のギリギリを繰り返しながら、なんとか討伐に成功した。
だがクリアタイムは、プレオーダーから50分も遅れてしまった。
◆6日目 ― 魔法モニター観戦
街の広場に設けられた特設モニターの前は人だかりで埋め尽くされていた。
王立顧問魔導士が、各ギルドの挑戦を映像で映し出す粋な計らいをしたのだ。
「すっご……みんな、食い入るように見てる」ナオが目を丸くする。
「そりゃそうよ。三大ギルドの攻略が見られるなんて滅多にないもの」レナが腕を組む。
◆トラベラント
「えっ、時空魔導士!?」
ユウキが叫ぶと同時に、映像の中で王がピタリと静止した。
「すげー! 止まってる間にボコボコじゃん!」ソウタが笑う。
「三秒……いや、拘束士の合わせで六秒も動けない……」ヒカルは眉をひそめる。
◆白姫
「拘束士が二人……」ミナが息を呑む。
「交互に縛るから、王がずっと止まってるように見えるな」ヒカルが分析する。
先頭で刀を振るう舞の姿に、ナオはぽかんと口を開いた。
「……きれい……でも速っ! わたし、あんな動きできないよ……」
◆デビルズ
「シノビ……二人だと!?」
ソウタが目を見開く。
「ひゃ、百の疾風……!? こんなダメージの嵐、反則じゃないですか!」ユウキが悲鳴をあげた。
「しかも、拘束のタイミングが正確すぎる……。わたし、縛れる瞬間を見逃してるのかも……」ミナの声が震える。
ナオも拳を握りしめる。
「シノビ二人で、あの攻撃力……わたし、大剣で勝てるのかな……」
「……大丈夫だ。俺たちは俺たちの戦い方がある」
ヒカルが仲間を見渡す。
「きっとなんとかなる」
その一言に、ユウキが小さく笑った。
「……ヒカルさんは本当にブレませんね。でも、今はそれが救いです」
「だよなぁ! 俺もそう思うぜ!」ソウタが無理やり明るく場を和ませる。
「ナオちゃんの防御も、ミナちゃんの拘束も、ユウキちゃんの魔法も、レナちゃんの蘇生も、どれも最高だろ! 俺が保証する!」
「……ふふ、ソウタに言われると軽く聞こえるけど……なんか元気出るね」ナオが笑い返す。
「……アタシも、まだまだ縛れる。次は外さないっしょ」ミナが小さく拳を握った。
「とにかく即死攻撃は避けなさい! 死んでる間は攻撃できないのよ!」レナがピシャリと釘を刺す。
「了解だ。次は無駄死にさせない」ヒカルが断言した。
こうして、ルミナスブレイブは気持ちを立て直し、
ついに――運命の最終日を迎えることになる。




