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追放された雑魚剣士、実は最強ゲーム覇者でした。~記憶を取り戻した俺はチート知識で世界をぶっ壊す~  作者: 中瀬
第二章 悪魔討伐編

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第179話 廃教会崩壊

「さあ、全員――死んでもらおうか。」

 悪魔イグナトスが吠える。


「クロエ、リディアは下がれ!」ヒカルが叫ぶ。

「援護だけ頼む!」


「ヒカルさん、私も戦います。」エルナリアが詠唱を始めた。

「聖樹よ力を与えたまえ――“聖緑の護り”!」


 彼女の杖から放たれた光が、四人を包みこむ。

 その光は薄緑の膜となり、吸血魔鳥の群れがそれに触れるたび、悲鳴をあげて地に落ちた。


「このオーラは人には癒し、悪魔には毒となります。」

「助かります、エルナリアさん!」ヒカルが叫ぶ。


 ヒカルはその後、剣を抜き、悪魔イグナトスへと突進した。

 鋭い一閃。

 黒い血が飛び散る。

「通常攻撃でダメージが入るってことは、低俗な悪魔だな。」


 イグナトスは怒った。

「ぐ……貴様、我を低俗扱いとは……許さん!!」


 イグナトスが咆哮し、「魔光線!!!」。

 口を開いた。

 内部から、禍々しい光が集束していく。


「まずい!」ヒカルの直感が叫ぶ。「撃ってくる、避けられない!」


 だが――次の瞬間。


 視界が跳ねた。

 彼らはいつの間にか、イグナトスの背後に立っていた。


 ヒカルたちを魔光線で消し去ったとイグナトスは思っていたが、

 なぜか、ヒカルたちはイグナトスの後ろにいた。

 だが、イグナトスはそれに気づいていなかった。


 「ふはははは、我をなめ――」


 イグナトスの言葉は最後まで続かなかった。

 ヒカルの剣が、闇を切り裂き、悪魔の頭部を断ち落としたのだ。


 黒い霧が吹き上がり、悪魔イグナトスは崩れ落ちて消えた。


 イグナトスを仕留めたあと、ヒカルが息を整えながら、クロエを見た。

「……すごいな。」

「俺たちごと、瞬間移動させたのか。」


 クロエは小さく笑った。

「複数人での瞬間移動は、集中する時間がいるけど、タイミングを見計らってたの。

 危なかったから……。」


「助かったよ。」

 ヒカルの言葉に、クロエはほっと息をつく。


 だが、その安堵も束の間――

 崩壊音が地下全体に響き渡った。

 イグナトスの放った魔光線が、構造を破壊していたのだ。


「やばい、崩れる!」リディアが叫ぶ。

「信者たちは!?」


 エルナリアが眉をひそめる。

「彼らも外に出したいですが……聞く耳を持ちません。」


 クロエは再び“サーチ”を発動。

「信者三十人……でも、一人だけ、みんなを導けそうな人がいる。」


 黄金の光が、クロエの瞳に宿る。


 次の瞬間――


「司教様のお導きだ! 全員、外へ!」

 信者のリーダーが叫ぶと、群衆は一斉に避難を始めた。

 クロエの精神干渉の力で信者のリーダーに叫ばせたのだろう。


「……やるじゃん。」リディアが息をのむ。

「ナイス判断だ。」ヒカルが頷く。


 だが、クロエの膝ががくりと落ちた。

「……もう、力が……」


 ヒカルは即座にクロエを背負い、走り出した。

 エルナリアとリディアも後に続く。

 崩れ落ちる天井、舞い上がる灰塵の中を、光を目指して駆け抜ける。


 外に出たとき、クロエはすでに意識を失っていた。

 ヒカルの背中に頭を預けるようにして、静かに眠っている。

 その表情は穏やかで、どこか懐かしさを感じさせた。


 ――それは、未来の記憶。

 家族で出かけた日の帰り道。

 ハクアとキンカは自分の足で歩いていた。

 自分は、父ヒカルに背負われていた。

 母ナオの手が背をなで、あたたかな声が耳に残っていた。


 (……あのときと、同じだ。)


 クロエの唇が、微かに笑みを浮かべた。

 そのまま、静かに夢の世界へと沈んでいった。

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