表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された雑魚剣士、実は最強ゲーム覇者でした。~記憶を取り戻した俺はチート知識で世界をぶっ壊す~  作者: 中瀬
第二章 悪魔討伐編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

151/514

第148話 デザート王宮からの知らせ

 それからの日々、クロエとリディアは休むことなく訓練を続けていた。

 朝は魔力制御、昼は体術、夜は座学とイメージトレーニング。


 クロエは黄金の光を安定して纏えるようになり、

 「右手限定・木の枝出現スキル」をようやく意図的に再現できるようになっていた。

 「枝を出せるようになったの、すごい進歩だよね!」

 得意げなクロエである。


 一方のリディアは、風の流れを読む感覚を掴みつつあった。

 彼女の風術は、バレンの教えをもとに急速に進化していた。

 「バレン、見てて! 今日は竜巻……の、つもり!」

 「“つもり”か……」と呟く間もなく、リディアの周囲に砂煙が舞い上がる。

 「おおっ、やった! これが私の“リディアストーム”よ!」

 「……名前からして不穏だ」

 「え、今なんて?」

 「いや、何も」

 (明らかに俺の方が危ない位置にいたんだがな……)とヒカルが心の中でつぶやく。


 そして五日目の夕方。

 長かった訓練を終え、宿舎で休もうとしたその時だった。


 ──コン、コン。

 扉を叩く音がした。


 「ヒカル殿、伝令です!」

 「伝令?」

 外に立っていたのは、王宮付きの使者だった。

 その表情は、どこかただならぬ緊張を帯びている。


 「王より、すぐにお戻りをとのこと。重要な報せが入ったそうです!」


 ヒカルたちは顔を見合わせ、すぐに荷をまとめた。


 ―――


 王宮に戻ると、王はすでに執務室で彼らを待っていた。

 重厚な扉の奥、煌びやかな砂金細工の玉座の前。

 いつもの温和な笑みは消え、王の顔には険しい影が落ちている。


 「よく来てくれた、勇者ヒカルよ」

 「何があったのですか?」


 王は一枚の羊皮紙を差し出した。

 「隣国――グラス王国からの急報だ。そちらで“セリーヌ”と名乗る女が目撃された」


 「……!」

 一瞬、空気が止まる。

 ナオが息を呑んだ。

 「セリーナ……じゃなくて、“セリーヌ”?」

 「はい。名はわずかに違えど、容姿、雰囲気、そして……周囲の“魔の反応”が一致していると」


 バレンの眉がわずかに動いた。

 「つまり――悪魔たちは、標的とする国を変えたということか」

 「たしかに我が国への襲撃は、しばらくない状態が続いておる。」

 王はそう付け加えた。


 ナオが静かに目を閉じる。

 その背に、淡い光の羽が一瞬だけ揺らめいた。

 「……確かに。ヴァルガを倒した今、この国から“悪魔の波”は消えてます」

 「ならば、奴は本当にグラス王国へ移動したということか」

 ヒカルが唸る。


 王は頷き、言葉を続けた。

 「我が国とグラス王国は、古くより平和条約を結んでいる。

  彼の国が乱れれば、やがて我々にも火の粉が降りかかるだろう」


 「つまり、俺たちが行くべき、ということですね」


 王は立ち上がり、ヒカルの肩に手を置いた。

 「うむ。お前たちの力が、あちらでも必要とされている。

  ――どうか頼む。グラス王国を、そして我らの平穏を守ってくれ」


 ヒカルはしっかりと頷いた。

 「承知しました。必ず、確かめてきます」


 背後で、クロエとチャイが小さく拳を握る。

 リディアは「また旅ね」と微笑み、バレンは静かに腕を組んだ。

 ナオは天使の瞳で、遠くの空を見つめる。


 「セリーナ……またあなたを追うことになるなんて」


 夕日が王宮の窓から差し込み、

 砂のように光がきらめく。


 そして、ヒカルたちは――

 次なる目的地、グラス王国へと向かう決意を固めた。

読んでくださり、ありがとうございます。

良ければブックマークと評価をお願いします。励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ