第140話 黄金の光
シドのシールドが消えた瞬間、デビルズゴブリンたちの目がぎらりと光り、三人の子供へ牙を向けた。
「ひ、ひいぃ……!」チャイがリディアの後ろに隠れる。
「くっ……!私が守らなくちゃ……!」リディアは腰を抜かしそうになりながらも、必死に立ちはだかる。
だが、その震える声は、敵には恐怖を煽る香りにしかならない。
ゴブリンたちが一斉に飛びかかってくる。
――そのとき。
「……いや……絶対に守る……!」
クロエが小さくつぶやいた。
次の瞬間、彼女の両手が眩い黄金の光を放つ。
「え……!?」リディアが目を見開く。
その光は手だけに留まらず、腕から全身へと伝わり、クロエの身体を黄金に染め上げていった。
幼い体に似つかわしくない、神秘的な輝き――。
「……また……あの時みたいに……!」クロエは唇をかみしめ、両腕を広げる。
飛びかかってきたデビルズゴブリンたちは、まるで見えない壁にぶつかったかのように弾き飛ばされ、黒い霧となって消えていった。
「な、なにこれ……!」リディアは声を失った。
「クロエちゃん……光ってる……」チャイがぽかんと口を開ける。
戦っていたヴァルガが、一瞬動きを止め、バレンを前にしながらも視線をクロエに向けた。
「……なに……!? あの黄金の輝き……!」
彼の目が細められ、低くうなる。
「馬鹿な……セリーナ様ですら干渉できなかったという……あの力……!」
クロエは震える声で叫んだ。
「わたし……守るんだ……! リディアも、チャイも……!」
黄金の光が一層強まり、三人を包み込むように結界となる。
その輝きはシドのシールドよりも強固で、悪魔の瘴気を焼き払うように空間を清めていった。
「クロエ……あんた……すごいじゃない!」リディアが驚きながらも笑顔を見せる。
「えへへ……ちょっとカッコいい!」チャイも両手を振って喜ぶ。
クロエは必死に涙をこらえながら、二人の前に立ち続けた。
「まだ……怖いけど……でも、私、もう守られるだけじゃイヤだから!」
黄金の手を輝かせ、悪魔たちをにらみ返すクロエ。
その姿は、まだ未完成で頼りないはずなのに――
バレンやヒカルでさえも思わず視線を奪われるほど、堂々としていた。
「よし、いまだ、一気に片付けるぞ!」
ヒカルとナオが見事な連携を取りながら、デビルズゴブリンを片付けていく。
そして、シドが休憩を終えたようだ。ようやく大魔導士らしいところを見せてくれるらしい。
ヨッコラショと再び立ち上がると、
「バーニングオーラ!!」と唱える。
ヒカルとナオの火力が攻撃範囲が3倍に広がった。
「おぉ!?」
「ありがとう、シド!」
ヒカルとナオの更なる猛攻により、デビルズゴブリン達は散った。
(こっちも勝負を決めよう。)
蒼い闘気を収め、バレンが静かにヴァルガの方に向き直る。
何か意を決した顔つきであった。
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