第136話 七大悪魔ランク2位
-----王宮宿舎 ― 円卓にて-----
王に報告を終えた一行は、宿舎の円卓に再び集まっていた。
重苦しい沈黙を破ったのは、バレンだった。
「……セリーナについて、少し話しておこう」
その声に、皆の視線が集まる。
「セリーナは、七大悪魔のひとりだ。それも――リーサルに次ぐ実力者、ランク2位」
「……っ!」
ナオが息を呑み、リディアが椅子から転げ落ちそうになる。クロエとチャイも顔を青くした。
「い、いきなり二番目って……」ヒカルが思わず声をあげる。
「そんな奴と……俺たち、もう出会ってたのか?」
バレンは重々しく頷いた。
「最初、名を聞いたときは偶然かと思った。だが、地下で姿を見て確信した。あやつこそ、二千年前に我らが挑み、大敗した悪魔じゃ」
-----過去の戦い-----
「大敗……?」ヒカルが眉を寄せる。
シドがゆっくりと顎を撫で、口を開いた。
「うむ。二千年前、わしとバレンはセリーナと戦った。結果は見るも無残なものじゃったよ。多くの仲間が散り……わしらも命を拾ったにすぎぬ」
「二千年前……?」クロエが首をかしげる。
「バレンは三千歳じゃ。そして、わしは……前世で三千年前に戦っておった。その時はまだ精神生命体になる術を持たなんだが、今世で前世の記憶が蘇った」
ナオが目を丸くする。
「……それってつまり、シドさんも転生者ってこと?」
「そういうことになるな」シドはふっと笑った。
「高位の魔法使いには稀にあることじゃ。魂に刻まれた記憶が再び芽吹くのじゃよ」
その説明に、ヒカルはわずかに胸がざわつく。自分もまた転生者。だが……その意味合いは少し違う。
「で、勝ち目はあるのか?」ヒカルが問う。
バレンは腕を組み、低く答えた。
「クロエの力は規格外だ。だが、まだ自分でコントロールができぬ。頼りにすべきではない。となれば――わたしとシド、そしてヒカルとナオで当初の予定通り討つしかあるまい」
シドが続ける。
「わしは直接戦う力はない。だが、俯瞰し全体を支援する役は担える。
バレンは龍術と剣術で前衛に立ち、ヒカルは神裁の一撃を叩き込む。ナオは天使の力で癒しと強化を担え」
「子供たちは――基本的に隠れていろ。雑魚が出たときだけフォローすればよい」
「……無理はしないこと。これは約束だ」ヒカルが強い口調で言う。
「無理するわけないじゃない!」リディアが机を叩く。
「私はもう……セリーナの怖さ、体で思い知ったんだから!」
クロエは小さく拳を握りしめていた。
その瞳は揺れながらも、確かな決意を宿している。
(……でも、私だって……何かを成し遂げたい。姉たちみたいに……!)
誰にも聞こえない声で、クロエは胸の奥で呟いた。
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