第134話 激突
-------王宮地下 ― 魔の門前-------
「……人間どもよ、もう遅い」
セリーナが両腕を広げ、黒き門に向けて詠唱を続ける。
門の表面の“目”が一つ、また一つと開き、不気味な光を放ち始めていた。
ナオが歯ぎしりする。
「……見てられない! 今止めなきゃ!」
「よし、行くぞ!」ヒカルが叫び、剣を抜いた。
シドとバレンが同時に動く。
シドは呪文を唱え、光の矢を雨のように降らせ、バレンは一直線に突進して黒衣の集団へ斬り込む。
「――ッ!? 侵入者だ!」
黒衣の男たちが慌てて結界を張るが、ナオの剣がそれを一閃で砕いた。
「あなたたちの好きにはさせない!」
広間は一気に混乱に包まれた。
バレンの剣が唸り、黒衣の男たちを次々と弾き飛ばす。
ヒカルは、儀式を止める方法を考えた。儀式用の陣を壊せれば…
そうだ、魔法ですべてを吹き飛ばしてしまおう、そう考えた。
ヒカルがスキル"レンタル"を使う。ユウキの風魔法をレンタルした。
レンタルは、ヒカルの元仲間たちのスキルや魔法が使えるヒカルのスキルだ。
暴風があたりを走りまわり、
儀式用の陣を破壊していく。
「ぐっ……! 封印が乱れる!」
黒衣の男の一人が叫び、慌てて修復を試みる。
セリーナが苛立った声を上げた。
「愚か者ども! この門を前にして抵抗するとは!」
その翼が広がり、黒い羽根が刃となって飛ぶ。
「くっ!」ヒカルが剣で払い落とすも、床石は斬り裂かれ、火花が散った。
「ヒカル、下がれ!」シドが結界を張り、黒い羽根を防ぐ。
「……あやつ、完全に悪魔化しておるな」
セリーナが笑みを浮かべ、両手を掲げる。
門から溢れる瘴気が彼女の体に流れ込み、その力がさらに増していく。
「この力を前にして、貴様らごときが何を――!」
黒い衝撃波が広間全体を薙ぎ払った。
ヒカルたちは吹き飛ばされ、床に叩きつけられる。
「ぐっ……!」
「くっ……強い……!」
儀式は一度乱されたものの、門はまだ光を放ち続けていた。
セリーナは余裕の笑みを浮かべる。
「まあいいわ……今日は小手調べ。だがいずれ門は完全に開く。その時こそ、貴様らの終わりよ」
黒衣の集団を従え、セリーナは門の闇に姿を溶かして消えていった。
沈黙が訪れる。
崩れた祭壇と、未だうごめく黒い瘴気。
ヒカルは剣を突き立て、息を整えながらつぶやいた。
「……やっぱり、あいつが黒幕だった」
シドが厳しい顔で門を睨む。
「まだ時間はある。だが放っておけば、この門はいずれ開く。なんとしても、完全に封じねばならん」
ヒカルは拳を握りしめた。
「……絶対に、あの女を止めてやる」
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