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追放された雑魚剣士、実は最強ゲーム覇者でした。~記憶を取り戻した俺はチート知識で世界をぶっ壊す~  作者: 中瀬
第二章 悪魔討伐編

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第121話 クロエの黄金の力、再び

路地裏はひんやりとした空気が流れ、酔いどれのシドとクロエだけがぽつんと立っていた。

 そこへ、どやどやと足音が近づく。


「へっへっへ……」

 現れたのは、4人組のチンピラだった。薄汚れた服にナイフや棍棒を持ち、にやにやといやらしい笑みを浮かべている。


「じじいとおチビちゃんが、こんな時間にこんなとこにいたらダメだよねぇ~。カモじゃん」


 クロエは思わず鼻で笑った。

(ふん……こいつら、死んだな。だって隣にいるのは伝説の大魔導士シドだもん。こんな雑魚、秒で――)


 ちらっと横を見た。


 ……シド、建物の壁を背に、ぐでーっと座って寝ていた。

 しかも、口から「くかー……」と軽い寝息まで立てている。


(おいいいいいいいいい!! このタイミングで!?)

(どどどどどどうしよう!! た、助けてパパ! ママ!!)


 心の中で必死に叫んだ瞬間――クロエの右手が眩い黄金色に輝き始めた。


「あ、あれ……!? な、なにこれ……!」

 自分の手を見て、クロエは目を見開いた。


 チンピラたちもぎょっとして後ずさる。

「こ、こいつ……やべえガキだ!」

「でも待てよ……売れば金になるかもしれねぇぞ?」


(じ、人身売買!? やばいやばいやばい! 絶対ついてこないでぇぇぇ!!)


 クロエは咄嗟に黄金に輝く右手を、迫りくるチンピラたちへ突き出した。


 ――次の瞬間。


「う、うおおおおお!? 足が勝手に!」

 4人のチンピラの足が、クロエたちとは反対方向にねじれるように動き、一斉にダッシュし始めた。


「待て! 俺たちの意思じゃねえ!!」

「止まんねぇぇぇ!!」


 そのまま路地を抜けた先には――牛小屋。


 ドッシャアアアアアッ!!


 次の瞬間、チンピラたちは牛の糞まみれになって転がっていた。

「ぎゃあああ! くせぇぇぇ!!」

「目に入ったあああ!!」


 クロエは呆然と右手を見つめる。

(もしかして……わたし、また力を使っちゃったの……!?)


 胸が高鳴り、困惑するクロエの背後から、落ち着いた声が響いた。


「……わしに、何か話があるんじゃろ」


 振り返れば、さっきまで寝ていたはずのシドが、薄暗い月明かりの下に立っていた。

 その目は、すでに全てを見抜いているかのように静かに光っていた。

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