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追放された雑魚剣士、実は最強ゲーム覇者でした。~記憶を取り戻した俺はチート知識で世界をぶっ壊す~  作者: 中瀬
第二章 悪魔討伐編

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第119話 ヒカルとナオの仲間

食堂のざわめきの中――こちらへ近づいてくる小さな影があった。

 その人物は、クロエよりもさらに幼い、小さな女の子だった。


 しかし、クロエは一目で理解した。

(チャ、チャイ……!? か、かわいい~~っ!!)


 未来のクロエにとって、チャイは大人びた28歳の女性。

 美しく、時に厳しく、仲間を支えてくれる心強い存在だった。

 だが今目の前にいるのは――ふわふわの髪に大きな瞳、幼児らしい体格の、あどけない少女。


(未来のチャイも素敵だけど、こんなにチビッこくてカワユイなんて……!)


 クロエはニヤニヤと頬をゆるませながら小さなチャイを見つめる。

 当のチャイは「なんかこの人、視線が変……」と、少し引いたように眉をひそめていた。


 一方で、シドは――未来も過去も変わらず、同じ姿。

 精神生命体であるため、年齢や時代の影響を受けないのだ。


「ふんっ」

 クロエはシドに対して、やや素っ気なく視線を逸らす。


「……う? うん?」

 妙に冷たい態度に、シドは首をかしげた。


 その様子を見て、ナオが不思議そうに言う。

「あなたたち……知り合い?」


「ち、違います! あ、いや、その……えっと……」

 クロエは慌てて両手を振り、取り繕うように笑った。

「その……漫画で読んだカワイイ女の子に、そこの子が似てて……えへへ」


「……あぁ、そういうことね」

 チャイは少し安心したように表情を和らげた。


 ナオがあらためて紹介する。

「この子、クロエっていうの。迷子でね。この子のお兄ちゃんがシーブルー王国にいるらしいから、そこまで同行しようと思うの。いいよね?」


「ま、まぁ……まだ悪魔とは戦うことにはならんと思うし、大丈夫じゃろ……」

 シドは渋い顔をしながら答えた。


 クロエが鋭い視線を向けると、シドは「うっ」とたじろぎ、言葉を濁す。

 だが、同行を許された瞬間、クロエの表情はぱっと柔らかくなった。


 こうして、クロエは小さなチャイとすぐに打ち解け、楽しそうに遊び始めた。

「チャイ、こっちこっち!」

「え、えへへ……」


 その様子を横目に、シドがヒカルとナオへ向き直った。

「倒すべき悪魔は七体おる。そいつらが“七大悪魔”じゃ。こやつらさえ倒せば、雑魚どもも一緒に消滅する。そうなれば、魔界とワールドをつなぐ時空の歪みも塞がるはずじゃ」


「うん、それはもう聞いたよ、シド」ヒカルが頷く。


 だがシドは顔を曇らせた。

「ただな……そいつらと戦うためには仲間が必要じゃ。わしの昔の仲間がシーブルー王国におるのじゃが……あやつは結構な曲者でな。絶対に怒らせんようにせねばならん」


 シドの不安げな声を聞きながら、クロエは心の中で深くうなずいた。


(やっぱり……未来で聞いたとおりだ。ここからが“七大悪魔”との最初の対決の旅……)


 彼女は知っている。

 この旅の後、父と母は結婚し、自分たち三姉妹が生まれる。

 だが、やがて復活した悪魔によって、二人は命を落とす運命にある。

 そして数年後、三姉妹の前に再び悪魔が現れるのだ。


(この旅で……クロエが“遺伝子爆発”による覚醒を果たして、悪魔を全員倒せれば――パパとママは死なずに済む!)


 未来に帰ると約束したハクアとキンカのことを思い浮かべながらも、クロエは心に誓った。

(クロエが絶対に歴史を変える!)


「……じゃあ、そろそろ出発するかの!」

 シドが腰を上げる。


 こうして――シド、ヒカル、ナオ、チャイ、そしてクロエ。

 五人の旅が始まったのであった。

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