表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された雑魚剣士、実は最強ゲーム覇者でした。~記憶を取り戻した俺はチート知識で世界をぶっ壊す~  作者: 中瀬
第二章 悪魔討伐編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

121/507

第118話 クロエの変化

温かな食堂の空気に包まれていたその時――ふとクロエの視線が、壁際に立つ大きな鏡に向かった。

 そこには、楽しげに食卓を囲む三人の姿が映っていた。ヒカル、ナオ、そして――


「……わあああああっ!?」

 クロエは思わず椅子を蹴って立ち上がった。


 鏡の中の自分は、見慣れた18歳の少女ではなかった。

 そこにいたのは、12歳ほどのあどけない少女。

 しかも、長く垂れる桃色の髪ではなく――黒。


(な、なんで……クロエの髪が……黒に!?)


 クロエの髪は桃とリンゴの間の色合いだった。

 リンゴ好きの母ナオが気に入り、クロエ自身も「お母さんが好きな色」と誇らしく思っていた。

 それが、今は漆黒に――。


 一瞬、胸を抉られるようなショックが走った。

 だが次の瞬間、鏡を覗き込んだクロエは小首をかしげて――


(……あれ? 黒も結構似合うぞ、クロエ!)


 なんだか悪くないと、まんざらでもない気持ちが顔をのぞかせていた。


「クロエ? どうしたの?」

 ナオが心配そうに尋ねる。

「な、なんでもないですわ! オホホホ……」

 クロエはわざとらしく咳払いをして、取り繕った。


(時空を超えるときに……少し遺伝子に影響が出たのかな? うーん、よく分からないけど……)


 内心で推測をめぐらせつつ、平静を装うクロエ。

 そんな彼女に、ナオが優しく切り出した。


「わたしはナオ。こっちはヒカル。あなたはこの辺の子?」


「え、えっと……」

 クロエの思考が一瞬フリーズする。

(やばい! どう説明するか全然考えてなかったーーーーっ!)


「うんとですね……あ……あに……お兄ちゃんと旅をしていたんですけど、はぐれまして……」


 ナオはすぐに相槌を打つ。

「じゃあ冒険者ギルドに行って、迷子の捜索を頼んであげるわ。迷子の依頼は国が負担してくれるし、面倒も見てくれるから安心よ」


 クロエの顔がひきつる。

(こ、これは……預けられて、はい、さようならのパターンじゃん! だめだめだめ! 両親と旅ができないと“遺伝子爆発”が進まない。悪魔リーサルも倒せない! やばいってば!)


 慌てて口を開く。

「あ! 次、どこに行くんですか!?」


 ナオが答える。

「シーブルー王国を目指しているの。そこに友達がいるの」


「そ、そそそそ……そこです! そこに兄がいます! ぜひ一緒に連れてってください!」

 クロエは必死にアピールした。


(よ、よし、言えた……! 我ながらがんばった!)


 だが、ヒカルが真顔で首を振る。

「いや、迷子はやっぱり預けていこう。俺たちは悪魔と戦うんだ。危険な目に合わせるかもしれない」


(ガビーン! パパのバカー! 余計なこと言わないでよーー!)


 クロエが心の中で叫んだそのとき、ナオが静かに言葉を重ねた。

「でも……放っておけないわ」


(さすがママ! 好き!)

 クロエはぱっと顔を明るくし、横でヒカルを軽くにらむ。


「うっ……」

 ヒカルがぎょぎょっとして視線を逸らす。

「じゃ、じゃあ……シーブルー王国までは、一緒に連れていくか……」


「……っ!」

 クロエは心の中で両手を突き上げた。

(よっしゃーーーっ! クロエ、両親と旅できるーー!)


 そんな小さな歓喜の裏で――。

 食堂の出入口。少し離れた席から、三人をじっと見つめる人影があった。

 やがてその人物は、静かに立ち上がり、こちらへと近づいてくるのだった――。

いつも読んでくださり、ありがとうございます。

良ければブックマークと評価をお願いします。励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ