第11話 ギルドの始まり、そして大騒ぎの夜
シャトーの街に到着して数日。ヒカルたちは宿に腰を落ち着ける暇もなく、動き回っていた。
目的は――自分たちのギルドを設立すること。
「まずは名前だな」
ヒカルは大きな机に地図を広げ、真剣な目つきで仲間を見渡した。
「名前かぁ~。じゃあさ、カッコいいやつがいい!」
ナオがすぐに手を挙げる。
「例えば……『最強無敵ギルド! ナオナオ団!』」
「却下」
レナが即答する。
「えぇぇぇ!? なんで!」
「聞いただけで頭悪そうだからよ」
レナが冷ややかな視線を投げ、ナオは机に突っ伏す。
「僕としては……誠実さが伝わる名前がいいかと。例えば、『光風の会』などはどうでしょう?」
ユウキが静かに提案する。
「うーん、悪くはないけど……ちょっと固すぎない?」
ミナが首を傾げる。
「じゃあさ! 『ミナを守る会』!」
ソウタが満面の笑みで叫んだ。
「やめろぉぉぉ!」
ミナがすかさず蹴りを入れる。
「いってぇぇ! でもミナの愛は伝わった!」
「伝わってねぇ!」
場がドタバタと騒がしくなる中、ヒカルは静かに呟いた。
「……“ルミナスブレイブ”。どうだ」
「おぉ……」
仲間たちの口から同時に感嘆の声が漏れる。
「意味は?」
レナが尋ねる。
「光と勇気。俺たちの進む道を照らすものだ」
ヒカルの言葉に、一同は思わず黙り込む。
「か、かっこいい……!」
ナオの目がキラキラと輝いた。
「うん、それならいいんじゃない?」
ミナも珍しく素直に同意する。
「決まりですね。『ルミナスブレイブ』……僕も誇りを持って名乗れそうです」
ユウキが頷く。
「じゃあオレも! “ルミナスブレイブのソウタ”! どう? 響きいいでしょ?」
「うるさい!」とミナの拳がソウタに飛んだ。
こうしてギルド名は決まり、いよいよ設立の準備に取り掛かることとなった。
その夜。宿の食堂はにぎやかだった。
テーブルには料理が山のように並び、仲間たちの笑い声が響いている。
「うまーい! やっぱ街の飯は最高だぁ!」
ナオが肉を頬張りながら叫ぶ。
「もう、食べながらしゃべらないの!」
レナが注意するが、口元は緩んでいる。
「……こうして皆さんと食事をするのも楽しいもんですね」
ユウキが穏やかに笑った。
ソウタがミナにからむ。
「ミナ、この一杯を君に捧げる!」
「捧げなくていいから! 飲むな!」
ミナが慌ててグラスを取り上げる。
「ははっ、相変わらず騒がしいな」
ヒカルが苦笑すると、仲間たちは一斉にこちらを見た。
「ヒカル、飲まないの?」
レナが問いかける。
「いや、俺は……」
彼は少しだけ考え、グラスを取る。
「今夜くらいは悪くないな」
(前世のギルドではこういう会にほとんど参加してなかったな…)
「おー! ヒカルが飲んだー!」
ナオが歓声を上げ、場の空気はさらに盛り上がった。
その夜は、笑い声と歌声が絶えることはなかった。
翌朝。
「うぅ……頭が痛い……」
ミナが額を押さえてベッドから起き上がると、隣ではソウタが爽やかな笑顔で腕立て伏せをしていた。
「おはよ、ミナ! 一緒に朝ラン行こうぜ!」
「死ねぇぇぇ!」
そんな大騒ぎの中、ヒカルは窓際で剣を磨きながら静かに思う。
(ギルドはできた。仲間も揃った。次は――ダンジョンだ。エンドコンテンツを目指す戦いは、もう始まっている)
その瞳は、すでに次なる挑戦を見据えていた。
~キャラクターステータス~
■ヒカル(人間)※主人公
現世が前世で自分が覇者になったゲームの世界だと気づく。
唯一ギルドパーティでの優勝のみ達成できず、現世での優勝を目指す
ジョブ:剣士
レベル:中級
火力:100
スキル:剣技 ※前世のゲームで覇者となるぐらいの腕前。
突っ込み癖がたまにキズ。
アタッカーで司令塔。
■ユウキ(人間)
観察魔、魔道オタク。魔法の深淵を追究したい。
子供で相手にされなかったが、ヒカルに拾われる。
ジョブ:魔法使い
レベル:中級
火力:100
スキル:炎系の攻撃魔法が得意。器用で支援魔法も使えるが、回復魔法は使えない。
アタッカーであり、サポーターでもある。
■ナオ(人間)
両親が伝説の冒険者。親に負けたくないが、頭を使うのが苦手。
ただし、両親譲りの能力の高さ、そして素直で物覚えはよい。
ジョブ:剣士
レベル:中級
火力:100
スキル:剣技。短剣、長剣、大剣など何でも使える器用さとパワーがある。
アタッカーであり、物理攻撃を防ぐ、受けの役割も持つ。
■ミナ(人間)
漫画オタク。拘束士として自分がどこまでやれるか試したい。
旅立ちの機会を待っていたところ、ヒカルに誘われる。
ジョブ:拘束士
レベル:中級
火力:10
スキル:拘束。相手を静止させる。また、隠しフロアの裏アイテムである、
竜拘束の指輪にて拘束中にデバフ効果、防御力半減が使える。
攻撃力はないが、超強力なサポーターである。
■レナ(人間)
プロ意識の強い僧侶。ヒカルと同じく、この世界の高みを目指したい。
前世を思い出した後のヒカルに出会い、何か変化を感じ取っている。
そして、異性として気になりつつある。
ジョブ:僧侶
レベル:上級
火力:0 ※回復力1000
スキル:回復魔法を持つ。支援系魔法も使える。
■ソウタ(人間)
幼少より、ミナを守りたい一心で、強くなろうと決意し、三大ギルドで修行する日々。
ミナが所属するヒカルたちのギルドに迷わず、移籍することにした。
ジョブ:チアマン
レベル:上級
火力:0 ※応援力1000
スキル:応援。スキルの詳細は今は謎。
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