第一話「基地を出て」
第二部です。始まります
ヘリを奪って基地から脱出をしたあの日から二週間が経った。
俺たちは目星をつけている地点に直接向かわず俺の知り合いの元を訪ねるためにヘリを破棄し、山道を歩いていた。
「疲れた」
俺の後ろをついてくるシェンツァがぼやく。確かに休憩をとったのはだいぶ前だがもう少し頑張ってもらわないと困る。
「もう少しでふもとに下りる。そこまでいけば歩かなくて済むから頑張れ」
「うぅ……」
情けない声を出しながら歩き続ける。夜になれば人目に付かない代わりに交通がやや不便になるため早めに山を下りて余裕をもって行動をとりたい以上ここで少し無理をしたい。
「広野、おんぶ」
「はっ?」
「もう歩けない。だから、おんぶ」
「……」
そう言って彼女は手を前に出す。一緒に行動するようになって分かったが彼女は一度言いだすときかないらしい。俺は諦めて荷物を体の横に移すとシェンツァに合わせて体を屈めた。
「んっしょ」
「いいか?」
「はぁ~、楽ね。これは」
シェンツァがしっかりと背中に乗ったのを確認して歩き出す。もう少しコイツに胸があれば嬉しかったのだがそれは贅沢か。
「……悪かったわね。貧乳で」
心が読まれたようだが何も聞かなかったことにして俺は歩き続けた。
しばらく歩いて山道が終わったところでシェンツァを下ろす。
「ここから先はどうするの?」
「まずは……腹ごしらえだな。非常食には手をつけたくないし時間も時間だ」
街に入ったところで某ファミリーレストランに俺たちは入った。
「……ねぇ、広野」
「分かってる。勝手が分らないってことだろ」
メニューを睨みながら困惑しているシェンツァが面白いのだが俺は彼女に食べたい物を聞いてすぐに注文をした。
「これからどうするの?確か広野の友人に会いに行くんだっけ?」
「そうだな。あいつ以外に頼れる奴もいないし……その為にこの街に来たわけだしな」
「ここから先は広野に任せる。私にはわからないことも多いから」
「はいよ、お姫様」
俺が返事をしたところでシェンツァが頼んだものが届いた。遅れて俺のメニューもきたがシェンツァは自分の分は食べず俺のが来てから食べ始めた。育ちがいいというよりかは彼女の優しさなのだろう。
「こういうの初めて食べたけど結構おいしいのね。また来たいかも」
「いいけど街中で逃げ回る日々になるぞ」
「……やっぱ、もういいや」
俺たちは今後の予定などを話しながら食事を済ました。食べ終わった後、少し席で地図を確認しているとシェンツァが何やら勝手にメニューを注文していた。
「何頼んだんだ?というか自分でできたのか」
「広野が頼んでるの見たから大丈夫だった。このパフェ」
そう言って指さすのは夏季限定パフェと書かれているものだった。まあ、ある程度の金はあるから大丈夫だが……
「はっやくこないかなー」
この後あまりの量にシェンツァがギブアップしたのは秘密だ。
「では、204号室と205号室になります」
この日、俺たちはホテルを借りた。俺たちの痕跡が残るとまずいため借りたのはだいぶ寂れたビジネスホテルだ。
「大丈夫なの?ホテルなんてかりちゃって」
「有名どこなら危ないがこのレベルのほてるなら名前と身分証は偽造してもばれないから少しは安心だ」
「そういうところはしっかりしてるのね」
「ありがとよ。それより、さっき説明したけど大丈夫か?」
本当は俺の部屋で入浴などは済ませようと思っていたがシェンツァが嫌がったためホテルの基本的なことを伝えておいたのだが、いくら一度聞けば大丈夫といっても行動できるかどうか怪しい。
「大丈夫。なにかったら呼ぶし」
「そうですか」
「そうなの。それじゃあお休み」
「ああ、お休み」
そう言ってシェンツァは自分の部屋へはいって行った。すぐに施錠の音がしたので使い方を忘れていないことは確かなのだろう。
俺も自分の部屋に入りシャワーだけ済ますとすぐにベッドに横になった。
「今日ぐらいはゆっくり休ませてもらうか……」
俺の意識が失われるのにそんなに時間はかからなかった。
第二部です。カイトです
というわけで何とか第二部が上がりました
こいつを書いたってことは全部終わらせないとならない……当然ですけどね
さて、先にこいつがどう更新されるのか報告しないとですね
結論だけ言うと
5日間隔程度でうpします
ただ引っ越し+一人暮らしなので不定期になる可能性が高いです
4月後半からは安定すると思っていてください
作品の話になります
さんざん言ってるとおり第二部です。第一部未読の方は自分のページに第一部があるので読んでくださいね。じゃなきゃ話がわからないはずなので
この小説を書き始めた時には本来はなかったのがこの第二部です。ただやっぱりつなぎが欲しいと思い形にしました
やや予想外のところもあるので内容がやや分かりにくかったりするかもしれませんがその時は大目に見てください
とりあえず第二も頑張ろうと思います
では、ここまで読んでくださった皆さんに感謝を