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第六話





「ふぅーやっかいな事になったのぉ……」



「心中お察しします。……念の為に確認なのですが、最強最古の魔王とやらは確実に復活したのですか?」



「あぁ、間違いないだろうな……なにせその報告はSランク冒険者数名からの情報だ。どうやらどこぞの邪教徒共が自身たちを生贄に復活させたらしい……まったく馬鹿どもめ……」



 ずっと寝ずに話し合いでもしていたのだろう、かなりの疲労の色が見える。



「ですが、今代の勇者(担任)……様も破格の強さを持っていると思いますが?」



 あいつ(担任)を勇者と呼ぶのには抵抗があるが、実際世界最強だし、魔王討伐の実績もあるし仕方ない……



「もちろん彼に賭けるしかないのはわかっている、しかし、報告にきたSランク冒険者達は口々に人間の相手になるモノではないといっておる……」



「そんな……最強クラスのSランク冒険者達が……」




「……初代勇者パーティーは、今のSランク冒険者より数十倍も強かったと言われ、そして勇者様は更に別格に強く及ぶものなどいない最強の者だったと伝えられておる。そんなパーティーが全滅してなんとか封印に成功したような相手だからな……さすがの今代勇者様でも厳しい戦いになるだろう……」




 そんな……せっかく少しだけ学校も楽しく……



 ……



 ……でも、護衛対象のトモスだけは守って見せるわ……



 それが、私の仕事だもの……



 お父さん、力を貸してね……



「まあ、幸いなことに魔王はまだ動きを見せていない、明日緊急の世界会議が開かれる事になっている、その結果が出るまでは普通に過ごしていてくれ」




 普通にって言ったって……、一般人には知られていないけどうちのクラスは特進クラスで大概が上位貴族ばかり……



 まともに学校生活なんて送れないよ……





――




 案の定、クラスメイトは完全に浮足立っている。平民のクラスメイトもいるが、超優秀だからか、何らかの情報掴んでいるみたい。

 


 はぁ、どうなっちゃうのかな?




 トモスも、モトラ様に言われたのだろう。渋々と言った感じで登校しているが、いつになく真剣な面持ちだ……



 私如きの力じゃ、トモスを守る事なんてできないかもしれない……だけど……



 だけど……



 ……




 その時、いつもと変わりないが、しかし確実に纏う空気が違う先生が入ってきた。



 大きく深呼吸し、私たちを見回す……



「おいー席につけ……最後のホームルームかもしれないぞ?」



 え? あの先生がそんな弱気な事を……



「ほとんどの生徒が知っているだろうし、はっきり言うが、最強最古の魔王が復活したらしい……んでまぁ……現在最強の先生が討伐に向かうことになった……」



「「「……」」」



「言っても……先生は最強だから? あっという間に倒してすぐにお前らの前に戻って……また……いつも通り授業はしてやるけど……」



「「「……」」」



「一応……念の為……お前らに伝えておくことがあるから聞いてくれ……」




 普段はふざけ切った先生がこんな真面目な顔をするから、誰一人として何も言わず耳を傾けている




「お前らは優秀だ、だけどこの先幾多の困難が待ち受けているだろう……だけどお前らなら絶対に乗り越えられる。先生はそう信じている……だってお前らは俺の自慢の生徒たちだ……頑張れ……頑張れ……頑張れ……」



「先生! そんなこと言わないでください……」



 ……トモス



「お前らの成長した姿……お前らの子供達を見れないのは残念で仕方ない……だけど……俺はお前たちの先生だ……お前たちの未来だけは守って見せる……」



 この人がここまで言うなんて……



 私も……命を賭ける時が来たのね……




「なに……心配すんな……先生の命に変えても最悪封印はしてみせるから……だから笑顔で見送ってくれ……その笑顔が俺の力になる……」




「「「先生!」」」




 先生……いや……勇者様……どうか……どうかお願いします……



 この世界を……トモスを守ってください……




 ……




 ……



 ……








「はぁーい!! カァーット!」



「「え?」」




 え? え? なに?



 カット?





「いやぁ素晴らしい、先生こんな感じの演劇やってみたかったんだよね。昨日徹夜でセリフ考えてたんだよ。良かったろ? 先生も完璧だと思ったもん」




 は? こいつなにを言って……




「……先生どういう事ですか?」




「あん? どうしたトモス? いい感じのシーンだったろ? 名前を付けるなら”最強勇者様涙の別れ”みたいな感じか?」



「先生まったく意味が分からないのですが……先生は今から最強最古の魔王討伐に向かうのですよね?」




「もう終わってるよ」



「「……」」




「「……えぇ?!」」



「あんなのワンパンだよワンパン。昨日の内に倒してたけど、この脚本考えてたら王様とかに報告すんの忘れててな、さっき言いに行ったんだよ。世界中の王様がビビってたから、かなり笑えたぞ?」




「「「「……」」」」




「最強最古さんも、俺の力にビビってすげぇ顔してたから見せてやりたかったなぁー蘇生魔法でよみがえらせようかなぁ」




 こんの、イカレ野郎……こっちが命を賭ける覚悟をしている間に、あんなクソみたいな事考えてたのかよ……




 全クラスメイト完全に引いてるぞ……




「先生……もう本当に終わったんですか?」



「おいおいトモス、世界最強最イケメン最先生が負けるわけないだろ」




 ……なんだよ、最イケメン最先生って……お前はただのクズだよ……




「という事で、ここからが本題です! 先生今回の魔王討伐の功績でいくつか褒美を貰っています……」






 ……おいおいなんだよ、そのクズMaxの笑顔は……











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ぜひよろしくお願いします!



タイトル変更しました。

旧題友達から始めるのがいいかな?第二王子の護衛物語


次は日曜日に更新します。

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