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第二話




「国王様、本日も無事過ごせました」



「うむ、ミラーよいつも世話を掛ける」



「勿体ないお言葉です」



 この方こそ、トモス様……いや、トモスの父上にしてウエス王国現国王のモトラ様。私の雇い主にして亡き父の親友でもある。




「ミラーよ、そなたの父と私は親友であった、その娘であるミラーは私の娘同然だ。私的な場では昔のようにもっと気軽に接してくれても良いのだぞ?」



「はっ! 頭に入れておきます……」



 とはいえ、流石に昔の様にはね……まあ、モトラ様もそれは理解しているだろうけど……


 

 それよりもだ……




「おひとつ報告があります……」



「申してみよ……」



 何か問題発生と思ったのだろう、先程までの優しい笑みは消え一瞬で数百万人の頂点に立つ王の顔になった。



 ……だけど、すみません。



 ただの罰ゲームの報告なんです……





「実は……」




 ……



「ぶははは! そうか! ミラーとトモスが恋人になったか! これはめでたいな! ばははは」



 豪華に爆笑するモトラ様、まあ小さい頃良く、私とトモス様を結婚させよう!ってお父さんと話していたもんね。



 ちなみに、小さい頃何度かトモスとも会っているから念の為、顔を変えて学園に通っている。



 ミラルダという、名前はごく普通だからそのままだけど。



 ひとしきり笑い終えたモトラ様は、また優しい顔になり私に目を向ける。




「ミラーよ、そなたも学園生活を楽しめ、……これも護衛任務の一環である? 良いな?」




「はっ! かしこまりました……では失礼します」





――






 楽しめって言われてもなぁー、とりあえずいつも通り学校生活を送ったけど……



 ある程度昨日の事は噂になって広がったようだけど、皆罰ゲームでやったことだと伝わっているようだ。良かった良かった。



 しかも、トモスは私が困っていたから友達になる、という選択肢を取ったとして微妙に株を挙げている……恐るべしイケメン効果……信者はなんでも、良い方向に捉えられるんだよな。



 いつもはなかった、朝の挨拶や移動教室へのお誘い、そんな日常とはちょっと違うイベントをこなしつつ放課後になった。




 後は、トモスが帰る直前に私も教室をでて、さりげなく寮まで見送ったら今日の護衛も終了。




 ……




 ……





 ……





 早く帰れぇ! どうしたトモス?! なぜ帰らない? いつもなら友人とさっさと帰ってるでしょ? 何をさっきから挙動不審に何度も何度も席を立ったり座ったりしてんのよ?!




 私の任務は寮に帰るまでの時間。だから寮に戻ったら私の自由時間が始まる。そして今日は、大好きな小説の新刊が発売される日なんだよ! だから早く帰ってくれぇ!



 ……

 


 結局私の願いは叶わなかった……なかなか帰らないトモス……そして繰り返される立って座っての奇行……



 遂には最後の二人になってしまった私達。些かトモスの精神を不安視していると、こちらまで聞こえる大きな深呼吸をし、トモスがやってきた……





「や、やあ! ミラー! 俺たちは友達になったんだし! ……そのぉー……いいよね!」



「……?」



 何が?! どうしたトモス! 何をそんなにテンパっている? 



 変な意味のお誘いだった場合、強烈なボディブローを叩きこむわよ? あなたの父から正式に許可されているからもう私に怖いものはないのだよ!



「まず落ち着いてください。どうしました? どういったご用?」




「ああ、ごめんね、なんか緊張しちゃって……」




 なにその照れた顏? ちょっと可愛いんですけど……




「実はミラーと一緒に帰りたくてさ……でもなんか声かけるの緊張しちゃって……だけど友達だし……一緒に帰るのも自然な事……だよね?」





 えぇー、それ言うためにあんなにもじもじしてたの? どんだけビビってんのよ? 私を見習ってもう少し堂々としなさいよ? まあ可愛いしイケメンだから許すけどね……





「いいいいい、いいいわよ? ともとも友達だし……自然な事だわよねぇ?」



「……」




 ……


 


 ……あぁああぁビビってるとか言ってごめんなさい! 私も無理でした! 強がって見たけど、前世では恋愛経験なし、友人ゼロな私にこんなイケメンの誘いを平常心で答えるなんて無理ぃ




 いつもはポーカーフェイス気取ってるけど、対人スキルはほぼゼロなのぉ! 無理なものは無理! お父さん天国から対友人編の修行プリーズ!





「良かった! んじゃ一緒に帰ろう! 実は今日俺の好きな小説が発売されるんだ! 退屈かも知れないけど付き合ってくれないかな?」



「え? 小説ってあの……」




 どうやら、私とトモスの趣味は似ていたようで本屋につくまで、さっきの緊張が噓のように会話が弾みあっという間に本を買い寮についてしまった。



「まさか、ミラーとこんなに趣味が合うなんて……本当に楽しかったよ! お互い今日は徹夜だろうけど読んだら感想言い合おう!」




「ええ、楽しみだわ。また明日ね。さようなら」



「うん!」





 ……楽しかった。楽しすぎて護衛の事すっかり忘れて楽しんでしまった……これはいかんいかん。




 明日からはもう少し気を張って仕事しないと……でも明日は小説の話したいし、午後から気合入れて護衛任務頑張ろう……




 ……モトラ様だって、楽しむのも任務の内だって言ってたしいいよね?










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