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第一話






「ミ、ミラルダさん、俺と、も、もし良かったら、……付き合ってくれないかな?」



 後ろの方で、ニヤニヤしている彼の友人が見える。これはきっと罰ゲームだろう……昨日のテストの時負けたら罰ゲームだぞ! と大きな声で騒いでいたので覚えている。



 さてと……これは困った。どう対応した物か……もちろんただの学生のノリで、知らない奴からの告白なら問答無用のボディブローを叩き込んで地面に沈めてやればいい……




 ……だが、このイケメン、トモスだけはダメだ……




 まずは落ち着く為に一旦自分の状況を整理しよう。




 私の名前はミラルダ、親しい人からはミラーと呼ばれている。ウエス王立学園高等部の三年になったばかりの十七歳。顔は中の上位に()()している。性格は腹黒い……日本という国で生まれたが虐待により死んでしまいこのウエス王国に転生した。母の事は知らないが父はとても優しく、この世界で親の愛情という物を初めて知った……しかし父はある事件により死亡。生前父に叩き込まれた技術を使い今は護衛任務に就いている。



 そして、その護衛対象はこのトモス()()()()……




 トモス様はこの学園があるウエス王国の第二王子。イケメンにして超絶優秀&性格良しの超優良物件。全校生徒のあこがれの的。



 その命を掛けて守るべく相手に告白されてしまった。



 前世ではまったく恋愛などできなかった私からしたらちょっと嬉しい出来事……



 罰ゲームってのがむかつくけど……



 ……というか、トモス様がこの様な女性が傷付くかもしれない罰ゲームを受けるというのが少し引っ掛かる。後方の友人たちもこの学園に入る頭があるからバカではないが、トモス様にテストで勝てるか? と言われたら、否だ。というかトモス様にテストで勝てる生徒などほとんどいない、トモス様は学年でもトップクラスに頭がいいのだから。そんなトモス様がテストで負けた? それも気になる、何か理由があるのか……




 と、今の状況は整理できたが……どうするべきか? 私の護衛任務はあくまでも突発的な事故や他の学生に対応する為のもの、だから外敵からの本当の意味での護衛は私より数段強い世界最強クラスの護衛が付いている。気配が探れないから本当にいるのか知らないが……なので私の主な任務はトモス様に快適に学園生活を送って貰う、というのが大きい……




 本来であれば適度な距離感がいいのだが……困ったものだ。

 

 振ってしまえばトモス様は友人に馬鹿にされるだろうし、承諾すればそれはそれで距離感や色々な諸問題も出てくる……




 はぁー、もうわからないな、何がベストかトモス様に直接聞いてしまおう。




「とても嬉しいです……」


「……じゃ、じゃあ……」「ですが、これ罰ゲームですよね?」



「え? ……あ!」

「あ、トモス様後ろを振り返らないでくださいね? ご友人の方々と目が合ってしまいますので」


「……こ、これは……」



「いいのです、ですがどう対応したら良いか困ってしまって……私はただの平民です。ウエス王立学園では才ある者は拒まず、学生間に身分の差はない。と校則で決まってはいますが……流石にトモス第二王子様に恥をかかせるわけにはいきません。ですのでどのような返事をするのが一番良いか教えていただきたいのです」



 色々見抜かれて恥ずかしいのだろう……少しもじもじしている。トモス様も十七歳だ、やはり思春期特有の物もあるだろう……そういった経緯で今回の罰ゲームになったのかもしれない。テストだって最近は少しトイレに籠る時間が増えてきたという報告もあるらしいし試験勉強が疎かに……おっと、これはかなりプライベートな事だから思考の中とはいえ、本人を目の前にして考えるのは可哀そうだ……



 それに、ようやく意を決したようだしね。




「……なら、まずは友達から始めるのがいいかな? ミラルダさんとは三年間同じクラスだったけどほとんど話したことなかったしね?」




 どうやら、持ち直しいつものイケメンスマイルでいい妥協案を提示してくれた。


 心なしか落ち込んでるようにも見えるけど……



「かしこまりました。では友人になりましょう。友人からはミラーと呼ばれています、よろしければそう呼んでください」




「わかったよ! ありがとう! 俺の事も第二王子様とかはやめてトモスって気軽に呼んで? もちろん敬語も使わなくていいからね? ……それと……気を悪くしたらごめん、ちょっと色々あって……」



 いや、やっぱり気のせいか……



 いつものイケメンに戻ったわ……

 


「わかった、そうさせてもらうわ。あと、この件に関して気にする必要はないわ。どんな経緯であろうが、王子様と縁を結べるなんて将来絶対役に立つから。例えどんな進路に進もうと、ね。」





「あはは……ミラーってけっこうたくましいね? ……でも、せっかく友達になれたんだし、これからよろしくね!」



 この、眩しすぎるイケメンスマイル……こりゃ普通の人はおちるわ……




「ええ、こちらこそよろしく」






 なんか、ややこしくなってしまった私の護衛任務。でも卒業までのあと一年、がんばっていこう!





 













「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひ感想、ブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!

していただけると自分でもビックリするくらいモチベーションが上がります! 



ぜひよろしくお願いします!



一時間後位にもう一話投稿します。



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