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ABC詩集シリーズ

誰もいない戦争

作者: 仲仁へび



 とある国で戦が起こった。

 けれど、人間は人間を殺したくないと思っていた。

 なぜなら、人間を殺すと、魂が穢れてしまうからだ。


 その国では、魂の穢れがたまりすぎると、人が鬼へ変貌すると言われていた。

 その事実を示すように、殺人を犯した者達は鬼のようになって暴れまわった。


 だから、人間はできるだけ同じ人間を殺さないようにしてきた。

 しかし、戦が起こってしまってはそうも言っていられない。

 そのため人間達は、人を殺す仕事を人間ではないものにやらせることにした。


 そして、戦争の機械が大量に作られた。


 機械たちは、多くの人を殺し続ける。

 血だまりを作り出し。

 穢れを生み出した。

 けれど、そこに人はいない。

 魂は汚れない。

 

 だから、人々は安堵した。

 これで、人間の魂は守られた。

 穢れる事がなかったのだと、そう思っていた。


 しかし、代わりに機械に芽生えた魂が穢れていった。

 鬼になった機械は敵国の人間だけでなく、味方の国の人間も無差別に殺すようになった。


 戦争で人の犠牲はなくなった。

 だから死ななくなった。


 けれど、鬼と化した機械の大群にのまれて、人間は死んでしまった。

 そして人間は滅んだ。

 だが、その根源の原因は機械だった。

 人を滅ぼしたのは人が穢れを押し付けた機械だった。



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