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カポーニファミリー

「ではボス」


と部下に促されるように1人の人物が現れた。


「随分と賑やかだねぇ。貧困街の住人でも恐れるのがカポーニファミリーってもんだけどね。ただの阿呆かそれとも骨のある奴なのか・・・・」


そこに姿を表したのはカポーニであった。

アッシュとエミリアは直接カポーニが姿を表したことに驚いた。

側にモブ兄弟を含む部下6名を引き連れて正面のソファに腰掛ける。

その佇まいは言葉とは裏腹に品を感じさせた。

部下たちはカポーニの背後に3名。

アッシュとエミリアの背後に3名が立った。

少しでも不審な動きを見せたら、拘束するつもりなのだろう。

その殺気を漂わせるそれぞれの複雑な波長をアッシュは敏感に嗅ぎ取っていた。

エミリアは初めて見るカポーニの容姿にも驚愕していた。

それは少なからずアッシュも同様であった。

それは正面に座るカポーニが女性であったためだ。

そしてその年も20歳に達していないと思われるほど、若い。

体のラインが浮かび上がる縦のストライプの入ったタイトなスーツを着ている。

豊満な胸な大きく開かれているにも関わらず、窮屈そうにシャッを圧迫しているようだ。綺麗で艶のある黒髪は胸のあたりまであり、考えつくされたように胸の露出を見事に隠している。

ただ、そんな魅惑的な姿をしている彼女の一番の特徴は、一度目が合ったら自分の意思では離すことが不可能に思えるほどの、強い力を放つ瞳であった。

カポーニファミリーはカポーニがそうであるように、個性の強い傾向にあるようで部下の姿も様々だ。

モブ兄弟は2人ともオーバーオールにジャケットを羽織ってる。

モブ兄弟と同じくアッシュの後ろに控えているもう1人はタンクトップにジーパンというラフな姿だった。

そしてカポーニの後ろに控えている部下は3人とも女性。

ドアに近い190センチを超え天井に頭が届きそうな女部下はゆったりとしたカーゴパンツにダボダボのシャツを着ている。

上下ともに男ものだろう。

ぶらりと下げた両手にはメリケンをはめている。

その隣には小柄なスーツ姿の女性が無機質な表情で佇んでいる。

焦点がどこにも合っていないらしく、何を考えているのか分からない。

最後の1人は、モブ兄弟にも劣らない恰幅のいい体系をしており、この女性もオーバーオールを着ていた。

彼らが放つ異様な雰囲気がなければ、ファミリーに属しているとは誰も思わないことだろう。


エミリアはこの場の急な空気の変化に顔を青ざめて震えている。

アッシュは膝に腕を乗せ、前屈みにカポーニを睨みつける。

額には汗が浮かんでいるものの、決して屈することのない獣のような迫力があった。


「ハッハッハッハ!おい!モブ兄!こいつは面白いな!私を前に睨みつけてるぞ!」


そんなアッシュの容姿に豪快に声を上げて笑うカポーニ。

その姿はアッシュの威嚇を全く意に介していないことを表している。


「生意気でムカつくガキですよ。ボスが許可してくれるならぶっ殺してやるところですよ」


敬語で離すモブ兄に多少驚くアッシュ。

こんな大男を掌握している事実に器の大きさが窺える。


「まぁ待て。この小僧と小娘は面白い能力を持っているんだろ?それが事実であれば利用しない手はない」


ビクっとエミリアの体が震える。

鳥かごのような自宅と同じような目に合うことが脳裏に浮かんだのだろう。


「サリエリのひょろひょろが騙されているだけかもしれませんぜ」


タンクトップ男が口を挟む。


「まぁね。その可能性はあるだろうね。それなら1つゲームをすればいい。あたしを占ってもらうってのはどうたい?」


真っ直ぐにエミリアを見つめる。

エミリアはその瞳に吸い込まれるように目が話せない。


「その【占い】に1つでもおかしな点があれば2人とも殺していい」


無造作に感情なく言い放つ。

ようやく目を離すことができたエミリアは、こんどは殺すという一言で色を失う

自分のみならずアッシュの命まで背負うことに極度の緊張しているのだろう。


「勝手に話を進めてんじゃねぇよ」


ハッキリとアッシュの声が客間に響く。

部下たちの視線が一斉にアッシュへと向かう。


「何か言いたいことがあるようだな。小僧」


「こいつの能力は本物だ。波長で分かる。だが、命のやり取りをするのなら俺の言い分も聞いてもらおうか」


「っハ!?面白いこと言うな。自分の立場を分かっていないほどバカには見えんが?何を要求する?」


「俺にはある程度波長で分かることがある。カポーニに言いたいことは俺の言うことを1つ聞いて欲しいってことだ」


最大限挑発するような口調でアッシュが言う。

隣のエミリアはアッシュに負けず劣らぬ深いシワを眉間に寄せて、アッシュのことを呆然と見ている。


「・・・・・・・・・・」


その場には張り詰めた緊張感が密度濃く漂う。


「・・・いいだろう。ゲームを面白くしてやろうじゃないか」


低く静かにカポーニは承諾した。

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