表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追憶のイノセント・イーヴィル  作者: Krewia
自治区パルメアン
1/13

No01 プロローグ

「ここら辺でいいだろ」

「人が多すぎるんじゃないか?」

「人ごみに紛れて捨てれば誰も気付きゃしねえよ」

「よし、せーのっ」

「くそっ、血がしみてきてるぜ」

「上から布でくるめばいいさ」

「これで……よしっと」

「よし、じゃあ落とすぜ」




   


 


 どれくらい時間がたったのだろうか。

 人々の騒ぎ声が耳に伝わってくる。

 なんか少しいいにおいもする。

 何かの食べ物のにおいだろうか。

 手が汗ばんできた。

 かなり暑い。

 恐る恐る眼を開く。

 賑やか且つ欧風な街並みが目の前に広がっていた。

 商店街だろうか。店がたくさん並んでいる。

 街の人々が怖がるように俺のほうを見ていた。

「痛っ」

 俺は恐る恐る自分の体を眺める。

 傷はかなり多いが……五体満足だ。

 血が体の端々から出ている。

 よく分からないけど……なんか助かった……らしい。

 それよりここはどこだろう。

 血のついた布と包帯が俺の周りに散らばっている。

 俺は血にまみれた戦士服みたいなものを着ていた。

 一体何が起こったんだ?

 俺はどうしてこんなところにいるんだ?

 いや、ここに来る前はどこに居たんだ?

「おい、ガキ、なにやってるんだ。そんなとこにいたら店の邪魔だろうが」

 振り向くとムキムキのオッサンが仁王立ちしている。

 この店の店主だろうか。

「すいません、ちょっとお聞きしたいことがあるんですけど……ここ、どこですか?」

 オッサンは少し顔を曇らせた後。

「どこって……へんなこと聞くガキだな。まさか外からやってきたなんて言うんじゃあるまいな?」

 外?何を言ってるのか分からないが……余計なことは言わないほうがいいだろう。

 怪しまれてしまう。

「冗談でも、そんなことは言いませんね」

 オッサンは顔を明るくして。

「そっかそうだよな、まさかそんなわけあるわけないしな!つまりお前さんが聞いてんのはここの住所だな?」

 若干違うのだが。

 まあいい、適等に相槌を合わせておく。

「えっとなあここは、確かパルメアン東区5番街だぞ」

 知らない地名が出てきた。パルメアンってどこだ。

 まあいいや、ここにいることはもう無用だ。

「ありがとうございました。じゃあ俺はこれで」

「おいガキ、どうせ行く当てもないんだろう?うちは娘と寂しく2人暮らしなんだ。傷のこともあるし、折角だからちょっとあがっていかねえか?」

 このオッサン意外に親切だな。

 娘さんにも会ってみたいし、家に行ってみようかな。

 この場所についても聞いてみたいし、傷の治療もしてくれるかもしれないし。

「いいんですか?じゃあお言葉に甘えて」

 俺はオッサンについていくことにした。

 感想よろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ