1話A
1
「ダダダダダダダ!」
銃撃が始まった。
「いやあああああああぁぁぁ!!!」
突然のことで何が何だかわからない。
とりあえず、このまま待機していたほうがよさそうだ。
―――――――――――――――数分後―――――――――――――――
――銃撃の音……すなわち銃声が止まった。
再び鳴らないことを確認して、テーブルの下からでる。
「沙耶香……。止んだみたいだ。」
沙耶香はガクガクと震えながら、こういう。
「ねえ、お兄ちゃん?い、い、いまの何なの?」
「……分からない。」
「……ちょっと、お兄ちゃん。様子見てきて。」
「わ……、分かった。」
俺は窓の方へ確認にいった。
しかし、特に怪しいものは特になにもない。
「……ねえ、なにかあった?」
「いいや。なんにも。」
「っていうかそういえば……」
沙耶香は視線を棚の上に置いてある手紙に向け、
「なんだ?」
指を指した。
「あの手紙、何だったの?」
「あ、ああ。あれか? ああ、あれな。」
「ちょっと、見せて。」
2
「分かったよ。」
「うん。」
「……はい。」
「……。」
そして沙耶香がその手紙を見た。
「~~~~~~~~~っ!?」
「!!?」
「お兄ちゃん……。こ、これって…!」
「そう。脅迫状だ。」
「やったあ~~~~っ!」
「はあ!?」
「だって。脅迫状って憎い人に送るんでしょ?」
「でも、お前は特に憎まれる事はしてな―」
「もう! お兄ちゃん! ばかなの!? 私は! 生まれた時から憎まれる運命だったの! そしてわたしが憎まれる理由は!誰にも負けない可愛さ!でしょ?」
あ。確かに。
お前、前に俺が保護者として参観に行ったとき(まあ保護者なんだけど)、異常に男子がまとわりついてたもんな。
それだったら辻褄が合う。
「そして! 脅迫状が来たということは! ついに私の可愛さは! 頂点に達したってことだよ!」
「でもさ、お前殺されたらどうすんの。」
「それは……嫌だから逃げるよ!」
「じゃあ、逃げるよな?」
「うん。お兄ちゃん! 足手まといになったりなんかしたら、しょうちしないんだからね!」
「はいはい。」
To be continued