1gole :その音は
バスケについて書きますが、作者は経験者では無いのでご了承下さい。
不定期ですが頑張って続けて行こうと思います。
高校生なので不定期で更新します
ダムダムダム キュキュッッ ガァァンッーー
私は、その華麗な一連の動作を一瞬で心を奪われたのを全身で感じた。
半年後ーー四月初旬 白淩高校 入学式
「一年七組14番 瀬良 奏」
「はい!」
やっとこの日が来たんだ。
あの衝撃を受けた日から、私は受験に向けて猛勉強をした。
私の目的は、ただ一つ。
あの人にもう一度会うことーー
「おーい。こんなとこで寝てると、服汚れるよ」
優しい陽だまりの中、頭上から低い声がした。
驚きのあまり、一瞬で目が開いた。
その声の主は、私の視界を遮るかのように顔を覗かしていた。
逆光で見えない……
「悪いけど、そこ退いてくれるかい?」
「あ…はい!すみません!」
「ほら」
すると声の主は、私にその大きな手を差し出してくれた。
掴もうか迷っているうちに、宙で漂っていた私の手を掴んできた。
一瞬で引き上げられた。
びっくりした…力強いな…
立ち上がった私はその人を見ると、そこには相手の胸元しか見えなくて、更に顔を上に向けた。
「すまんな、俺もここで昼寝したいんだよ」
爽やかな笑顔で言ってきた。
大っっきい!
165センチぐらいの私でも、見上げないといけないくらい大きい人だった。
「そろそろ授業始まるから、行きな」
その人は屈みながら言った。
「……はい!ありがとうございます!」
「ん」
その人は。さっきと同じ笑顔で返してくれた。
なんだろう、初対面とは思えないくらい落ち着く人だな…
でも今から午後の授業始まるよね?
なんであの人は……ってとりあえず急がなきゃ!
私は、教室に向けて走ったーー
「ねぇねぇ!藤堂先輩って知ってる?」
入学式で仲良くなった、結菜が話しかけてた。
「藤堂先輩?」
「二年生のバスケ部の先輩なの!」
……バスケ部…!
「知らなかった。その人がどうかしたの?」
「この学校でじゃ、超有名なんだよ!?
バスケ部のエースで去年の県総体でもデビュー戦で47得点も一人で稼いだんだよ!」
「そんなにすごい人居たんだ!
うちの学校、結構スポーツは盛んだから、有名な選手多いよね……」
白淩高校は勉強面、運動面でも共に県内上位を占める学校なのである。
進学校でもある為、わざわざ県外から受けに来る者も少なくはない。
一方のスポーツ面では、全国区で名を馳せる猛者が沢山おり、スポーツ推薦で来たものは成績と運動の両方が求められる。
四割型は推薦で来た者であるのだ。
「放課後さ、バスケ部観に行かない?
藤堂先輩見たいんだよね!」
結菜は興奮気味に誘って来た。
「うん!私もバスケ部観てみたかったの!」
「じゃ決まり!」
私は、あの日のあの光景を思い出していた。
あの人はーー