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第二章 決行 (後編)

 初戦は無事に終わった。

 これは世間から見たら小さな1歩だが、我々にとっては大きな1歩になった。

 この様子をつづったブログは大好評だった。


 次の日、われわれは別の作戦にとりかかった。

 <オペレーション・エウロペ>と名付けられたその作戦は、女工作員Kとぼくの潜入工作である。


 「ついに初作戦ね。楽しみ」ウキウキでKが話す。

 「ああ」

 「あのカフェ1回行ってみたかったんだ。ラッキーだよ。でも、びっくりした。この前、急にO君にいわれたから」

 「そうなのか。ありがとうな」


 「うーん。何がいいかな?」外のメニューをみている。

 「おれはコーヒーでいいや」

 「なら私は紅茶セットにしよう」

 「そういえばIはどうしてこのサークルを作ったの?また振られた(笑)?」

 「そうだよ。なんか嬉しそうだな、お前」

 「あいかわらずこじらせてるな~Iは」本当によい笑顔だ。

 「お前だって非リアのくせに」

 「よし決まったし、中に入ろう!」


 おしゃれで人気なカフェ。

 リア充しかいないそこはわれわれの潜入場所として最高の場所だ。

 Kはおしゃれなワンピース、ぼくはシャツとジャケット。いかにもデート途中のカップルに偽装中だ。

 周囲もデート途中のカップルだらけ。いちゃいちゃ楽しそうにメニューを見たり、おしゃべりをしている。爆発すればいいのに。

 

 さて、作戦開始だ。

 「トイレに行ってくるね」ぼくはさりげなく、席をたつ。


 これが合図だ。テーブルの上に携帯を忘れてトイレに向かう。もちろんわざとだ。

 彼女はなんとなくぼくの携帯に手を伸ばす。そして、メールを盗み見るのだ。


 「ただいま。どうしたの怖い顔して」ぼくはたずねる

 「ねぇ、この佐藤って誰?」

 「えっ?」もちろんSである。

 「ずいぶん仲がよさそうだね。昨日はありがとうだってよ」

 「誤解だよ」演技であっても怖い。

 「あなたはいつもそう。これで何回目?もうついていけないよ」彼女が席を立つ。

 「あっ待って」ぼくはKを追いかける。

 

 カフェには重苦しい雰囲気と冷や汗を浮かべる数人の男性の姿があった。


 計画通り。これで浮気しているあの男たちは、生きた心地がしないだろう。いつぼくの立場になるか。そう思ったらヒヤヒヤしているはずだ。ざまぁみろ。おまえたちが複数の女子を独占するからおれたちにパイが回ってこない。これが非リアの怒りだ。すべてが順調に進んでいる。これで何組かのリア充を撲滅できたはずだ。ここちよいヒンヤリとした風が吹きぬけていった。ぼくはKと打ち上げをするために、ファミレスへと向かった。


 「おつかれさまー。あの後、どうだった」Kは笑いかけてくる。さっきまであんなに修羅場だったのに。

 「いやー怖かったぞ、さっきの演技。場も凍りついていた」

 「でしょー自信作」

 「となりのちゃら男とか、ろれつが回っていなかった。絶対に黒だわ」

 「ハハハ」

 「まったく、イケメン野郎はこれだから」

 「えーIだって結構魅力的だよ」いたずらっ子みたいな笑顔だ。

 「リップサービスどうも」

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