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空気属性『ステルスチート』の進路  作者: 笹見 暮
本編第三部:かなづちを持った配達人
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第三十八月:日付が変わる時




 僕が築きたいもの。

 成し遂げたい事なんてあるのか。

 ヒラギノに発破を掛けられてから、そう考えてしまう僕がいる。


 拠点であれ開拓であれ、サラセニアには『築く』で溢れていて……。それらを見る度に感じる疎外感。劣等感。羨望。高揚。

 これらが綯い交ぜになった、モヤモヤする気持ち。

 着心地の悪さ。一歩を踏み出したいのに、進み方が分からなくて何も出来ずにいる時のようで、胸を掻き毟りたくなる。



 ただの憂さ──……なんて言葉で表せられたら、どんなに楽か。

 この鬱陶しい気持ちが、何かを築く事で晴らせられるものなら、どれほど楽か。



 でももし、晴らせる機会があったら、僕は……何を築こうと考えるんだろう。


 さらには、何と誰のために築き上げたいと思うんだろう。



(──もしも、築けたのなら)



 大きく見えてきた歯輪の次元を眺めながら、今はまだ霞み掛かる進路の先を漠然と思い描く。



 僕が築くモノは、きっと、僕が僕である事の証明になる筈だと──大前提として。




────




「──はぁッ、はぁっハ、……アハ♪ いえぃ、あたしの勝ち!」

「ウソ……だろ。マジ、速ェんだけどぉ?」


 毒から生還したばかりの僕の体を使い、全力で街道を駆け抜けたハウが疲弊した声を上げる。

 対して、常にハウの前を走っていたヒラギノが汗を滴らせながらも、競走に勝った喜びを全身で表現していた。


「ふぅぇぇ……限界ミサイルでしたわ。ぁ……気持ち悪。ダメだ。ね、ちょい吐いていいですか。本気で走るとかスケジュールに無かったんで今お胸ヤバいんデス」


「…………んぁ?」


「そんな露骨に嫌な顔しなくても良かろうて……。じゃあじゃあぁ、せめて休もー。だいぶ歯輪の次元に近づけたから、寄り道した時のロスは解消出来たでしょ」


 言い、彼女は近くの木に寄り掛かる。

 確かにと、僕は街道の先を見上げた。……雷華を摘んでいた所から見た歯輪の次元は、手の平に収まる程度だったか。比べて今は──…… 流石は、多くの人や物を迎え入れる転移門として使われているらしい代物。

 そのあまりの大きさに、身が竦んでしまう。


「でか過ぎ……」


 白金の光を帯びて、静かに一定の回転を繰り返す二つの輪。神々しくもあり、奇怪な構造体とも取れる自然界の異物を感慨深く眺めては、はふっと息を吐く。


「昔は神様が使っていたんだっけ。ホント、どんだけデカかったんだ神様」

「全部が全部大きかったわけではないらしいよ。神様にも色々な種類があったってさ」


 それこそ、山のように大きな怪獣タイプから、人間サイズの小さなモノまでね……ですって。

 神様の話は少し興味をそそられるけど、それよりもだ。


 僕の頭を占めているのは『今、何時だよ』である。

 日付けが変わった瞬間に、誕生日を祝って欲しいと言った彼女はあの通り。特にソワソワする訳でもなく、悠々と振る舞っている所を見ると……まだ零時を回っていないのだろうとは……思うのだが。


「……落ち着かないか、キキさんよ」

「……ぇえ?」


 ハウが察したように囁く。


「いっそのことさ、レイナに聞いたらいんじゃん。今何時かって」

「ぇ。……えぇ……。いやでも、それ言ったら、僕が誕生日を祝いたくてしょうがない人みたいに映らない?」


 ……こう、気恥ずかしいような、負けたような。

 なんとも言い表しようも無い劣情だが、こんなモノがハウに伝わる筈もなく。


「映、は? ……ん? は?」

「あ、いえ。なんでもないですよ。なんでもないんス」


 ほらこの通り。流石の友人も一回理解しかけたけど、やっぱりわかんねぇって感じらしい。

 ……ホント、どう表現したら良いのやら。



「……」

 なんとなし。なんとなしでヒラギノを見る。

 木の下で休息を取る彼女は、今にも眠ってしまいそう。けれど、刻一刻と近づいているその時を待ち侘びているのだろう表情は、純朴と言うに尽きる。

 ……最初の、僕に馬乗りになってあはあは言っていた人とは思えないな。


「……」

 それよりも、未だ拭えないでいるモヤモヤがある。

 こう……ヒラギノレイナの柊乃玲奈たる顔を見るだけで湧いてくる抵抗感。腹の底で唸る感情。心の壁とエトセトラ。

 本能が拒否──逃走を図ろうとしているのを、恩情──理性で食い止めて、平静に努める僕がいるわけで──なんて。


(ははは。こんな捻くれた奴に祝われて、あなたは嬉しいのかねぇ)


 誕生日が大切だとか。

 生まれてきて、良かったと思えるからだとか。

 ハッピーバースデートゥーユーおめでとうありがとうの世界ってだけなのに、なんでそこまで重要視出来るのさ。



 ──って、こんな事を考えていては、さっき助けてもらった恩を蔑ろにするのかと、我が姉に叱られそうだ。

 と、僕の視線に気付いたらしいヒラギノが、「ため息ついて、どした?」と聞いてきた。


「いや別に。……ヒラギノはさ、今何時なのか分かるの?」

「なんさ、聞くんかい」


 厳密には、『今何時?』ではなくて、『何時なのかはどうでも良いけどヒラギノは何時が分かるのか』であって決して自分が何時なのか知りたいから聞いたのではなくてあくまでもヒラギノが時間を把握しているのかどうかを質問してみただけであってもっと噛み砕いて言うならむしろこの宇宙の時間足らしめる次元間に於いてm


「ん? 時間を確認したいわけ?」


 ……ヒラギノは目を閉じたまま、にやけた。


「そ。ま。や。……大切でしょ? 色々とさ」

「ん……んー。そう? そっですか。そナンですか」


 しょうがないなぁン──……って、何か勘違いをしていそうに口を垂らして立ち上がる。で、彼女は僕らに近づきつつ言う。


「ゲストだものね。そりゃ知らないコトは多いわなぁ。大変じゃのぉ」

「……煽りよる」

「んや、煽ってない面白がってるだけ あ、嘘。ンンッ……ぇと、じゃあ、時間を確認する方法を教えてあげましょう」


 明らかにゲスい笑顔を見せておいて何が嘘か。って、ツッコミたくなったけど、両手を胸元まで上げた様子に押し黙る。


「──…………ぁ」

「……?」


 何かをしようとしていたその手は、静かに合わさり。

 ヒラギノは、ふとこちらを見た。


「その前に、二人は『アティス・フレインの物語』を耳にしていないかな?」


 あてぃ……。


「……いや。ハウは?」

「ね」


 無いと、僕らは首を振る。それを受け、ヒラギノは。


「そぉ。そですなのですか。……なら、時間を知るにはまずそこからだね」


 パッとハッと知れない何かが存在す?

 僕とハウは、丁度いい大きさの岩に腰掛けたヒラギノをままに、口を噤む。そうして、彼女は先に要点から述べた。





 『時計は空にある』。


 あたしが知る物語は、サラセニア創成期の話。

 人がまだ、神様と魔獣を相手に必死こいていた時代。


 宮地なんて開拓拠点は無く、人も纏まりに欠け、正に弱肉強食の世界と言われていた頃だ。


 後の黎明期では陽都アルムパルとなる小さな開拓地に、安全に開拓を進められるよう対魔獣組織『守り主』が設立された。人手なんて乏しくて当たり前だった為に、アティスのような少女でさえも武器を構えざるを得なかった。


 とて、勇ましく戦えるならまだ良い。魔獣を足止め出来る程度なら、まだ救いはある。

 中でも彼女は、組織に残せる実績など縁遠いもので、非力、鈍臭い、ボケっとしてんなメスガキと言われる程。だから、主に前線に放り出され、牙受け程度に使われていたらしい。


 それでも、開拓を妨害させない事を目的としていた組織に自分は貢献していると信じて、彼女は決して逃げなかったと言う。



 ある日、偶然か必然か、アティスの前に一体の神獣が現れた。

 名は、ふふふぅーんふ。(名前ド忘れ。イントネーション的にそんな感じ。ごめん)


「神獣は言いました。……此処は魔獣の群勢により潰される。逃げなさい……と」


 しかし、アティスは拒む。折角、大きくなって来た開拓地を……みんなで築いてきた居場所を捨てるなんて出来ないからと。いい子かよ。


 彼女は守るつもりでいた。

 魔獣に噛まれ、引っ掻かれてボロボロにされるしかない非力のクセに。

 その頑なな姿勢に心打つモノでもあったのか、神獣は提案する。



「ならば、護れるだけの力を与えよう」



 勿論、タダで貰える筈なんてない。

 神獣はアティスを空高くに連れ去ると、彼女を空に縫い付けた。又、意地悪にも時計を設け、魔獣達が現れる時間迄に、仲間達に襲撃されると伝えられたのなら力を与えると……。



「……どう思う? 無理じゃん、そんなの。か弱い女の子にそれは酷だと思わない?」

「ぇ……。そうだね。レバガチャしてどうこうって話じゃないんでしょ?」

「…………レバガ……。それなっ」



 当然、アティスはどうする事も出来なかった。

 神獣の術に抗う事も出来ず、ただ廻る時計の針を眺めるだけ。そして無常にも、集落へと続く道に魔獣の群勢が現れてしまう。


 結局、集落の皆が魔獣の接近に気付いた時には、何もかもが詰んでいた。空から逃れられないアティスは、破壊されていく集落を見下ろしているしかなかった。こんな最悪の結果になるんだと、誰もが思うだろう。



「──ところが、突然フレインって言う女の子が開拓地に現れたんだ。その子は魔獣の群れが、すぐ側までやって来ていると叫び回った」


 それだけなら、まだありえなくはない話だ。でも、フレインが知っていたのはそれだけじゃない。

 フレインは、世間的には行方不明にされていた筈のアティスが空にいるとも指し示した。


「……神獣は、これが何なのか分かっていたらしくてね。アティスは神獣の力を与えられ解放された」


 ここで奇跡が起こる。

 アティスがフレインに吸い込まれ、二人が一つになってしまったのだ。


「神獣の力を得たその少女は、魔獣の群勢を一網打尽にして皆の開拓地を守った。この始まりこそが、最強少女『アティス・フレイン』の物語の誕生だーってね」


 あたしは諸手を挙げて話を締め括った。

 この話の後に、アティスを化け物だと罵る厄介な人が出て来て、最終的に悪魔扱いされて殺されちゃうんだけど。そこまでは言わず、あたしは現状、大事な事だけをキキ君に伝える。


「その時の時計が、まだ空に残ってるんだよ。聖地扱いになってるのだよ。むしろ聖空か、知らんケド」

「そらに……ね。見た感じ星空しか見えないな」


 それはそう。


「近づかないと見えんよ。待っとて……」


 夜空に目を凝らす彼を制し、開拓テーブルを開く。選んだ資材はコレだ。


「さっきのコスプレ亜種から失敬しといた『浮遊石』を使おう」

「ちょ、いつの間に」

「この浮遊石は亜種なら絶対持ってるから、見かけたら奪っておいて損はないのだよ。ハハ」


 キキ君に悪い子だと思われそうだけど、仕方ない。実際、あたしは悪い子だし、正したい者でもないし。とりあえず、二人に見守られながら、テーブルに円を描く。

 そうして出て来たのは、あたし達が乗っても大丈夫な、浮遊石の円盤である。


「さあ、聖地巡礼って感じで、見に行ってみようか!」

「マジ? これ、手擦り、無い」


 彼の腰が引けてる様子を見るのも面白いが、時間も迫ってきている。なので、あたしはさっさと二人を引っ張り上げ、円盤に引っ掛けていた重しを蹴飛ばした。





「──風ッ! 風が殺しに来てる!」

「あはぁ。寝転ぼう。ごめん」


 僕らを乗せた石の台は、風船のように昇っていく。

 ヒラギノと仰向けになって時計が見えてくる高さまでって、どんだけ昇るんですかね。


「……高いのは平気かい?」

「一応……」


 一瞬、お隣にイケメンお姉さんが引っ越してきたのかと思いました。

 ヒラギノは、何歳なんだろう。多分、見た目的に僕らより年下だとは思うが……気遣いの良さとか、腹の底の読めなさ具合とかで、年上説が否めない。


(……)

 大人っぽく微笑む彼女から、星空へ視線を移す。──して、考える。


 どんなに相入れない意識間であっても。

 どんなに必要性に欠ける行事だと思っていても。

 祝え。祝うべき。祝うだけで丸く収まる事があるのなら、彼女の望みを叶えてあげるのが、僕の役割なのだと。



 祝われる事を心待ちにしている人が、こんなに近くにいるのだから、僕は腹を決めるべきだ。



(……うん)

 手のひらに滲む汗を、強い風が拭い去る。

 凝視する星空に、妙な輪郭が浮かび上がってきた。

 それは僕らが雲と同じ高さに到達する頃に、ハッキリとした形を現せる。


「わ……」


 聞いた通りだ。時計のホログラムがあった。しかも、この時計は空全体に広がっていて、何とも赤黒い。

 アティス・フレインの物語を知らずに見つけていたら、その不気味さに卒倒していたかもしれない。


 いや、知っていてもヤバいが。


「おおぉぉ……。……こわ」

「こわって言っちゃってるけど」


 若干顔を引き攣らせたヒラギノが俯せになる。


「歯輪の次元の方が綺麗だから、そっち見ようか?」

「えぇ……」


 聖地が聞いたら泣くぞ。物語の通り空に時計はあった。とは言え、数字であろうモノと三本の針だけの時計に、特別な思い入れも無いので同じく僕も身を返した。

 けど……。もう一度、針の位置を見直す。



(……二十、三時。……五十……。日付けが変わるまで、あと四十秒かよ)


 そうと分かってしまったら、もうドキドキなのかドキドキしてるのかドッキドキであるのかパニクりそうだ。わけがわからない。僕は今から何をしようとしてるんだ。ちがう。わかってはいる。わかってはいるんだけど、これが僕の選ぶ進路として百点満点なのかどうか理解しかねるって話で。そうは言っても、もう腹を決めたんでしょう、決めたんだから考えるな。もう考えるなッ。

 言えば、いいんだから──!



 気付けば、無言の三人。

 赤黒い秒針は、ゆっくりと、待ち構える二本の針へ向かう。



 五秒。



 水を飲みたい。



 四秒。



 生唾飲んで、頭の中で三秒を下す。そして。


 零時零分零秒。日付が変わった瞬間。


 僕は、「あめでとう……誕生日」と、呟くように言った。




 言った。




 言った。





 言った。





 い……言ったよね?





「あの、ヒラギノ?」

 おめでとうって、確かに言ったのに、とうの言われた本人は歯輪の次元を見据えてて……ノーリアクションですか。


 もしかしてタイミング間違えた? と、改めて空を仰ぐが、秒針は確かに重なる長針と短針を越えている。じゃあ、この間は一体なに──?



「…………──ん」

 黙ったままのヒラギノが、ゆっくりと、顔を自分の手へと向ける。次いで、僕の視線を誘うように指を動かした後、小さく、丸と三角を描いた。その瞬間。


「時計は、こう指を動かすと表示されるんだけども」


 ヒラギノの手の甲に表わされたのは──二十三時五十九分五十六秒と思わしき数字!

 いやそうやって見んのかいだとか、アティス・フレインの物語を聞かされた意味わいだとか、時間違ってますやんだとか、一瞬の内に頭がスパークしたせいで思わず叫びそうになった。


 け・れ・ど・も、五十九秒になって、物欲しそうに目を合わせて来た彼女にそれらツッコみ集をお届けする余裕なんて無くてでありまして。僕は、

 


「──はい、日付が変わったよ。キキ君?」


 僕は──。


「……あ゛……。誕生日……あめでとう……ございます……」



 改めた言葉を、砂を喉に詰まらせたような声で絞り出していた。



「……うん。ハウ氏」

「おめ」

「おめありぃ」


 カジュアルだなぁ。じゃなくて。


「待ってよ待って。時間、じ、時間ってか、t時計、そうやって見るんなら何で僕らこんな、お空の上で寝転んでるの。おかしくない??」


 聖地巡礼とやらの意味を問う僕を、なんでヒラギノはキョトンとした顔で見てくるのかも問いただしたくなる。


「しかも、あのクソでかい時計は何秒かズレてるし、あんた言わねぇし???」

「え。あぁ……それな。ズレてたね、時計。ま、きっとアレさ。アティスへの温情で、神獣は猶予を与えるつもりで秒針を早めていたんだろうね。先人の考察通り」


 とか淡々と言うヒラギノは、恐らく先人とやらに向けてだろう拍手を送る。ぱちぱちじゃねぇよっ。


「最初から言ってくれれば、そぁ、っぁんな、二回も──」

「に? あ、そういえばキキ君、日付が変わる前に何か言ってたね。なんだっけ。……おめ、で? たん?」


 白々しい。

 にやにやとぉ。

 なにっ、そのっ、ノリっ。


「あ、そうか! キキ君、もしかして先走っちゃったのかなぁ? ねぇねぇ、そんなにあたしの誕生日を祝いたかったの??」


「ぁ゛……煽りよるな……!」


「煽ってないよ。単に、嬉しいだけさ」


 こっちはまだ言いたい事が山ほどあるが、ヒラギノは僕の口撃を躱すように座り直した。

 風になびくウィングケープを押さえ、フードの奥からこちらを見下ろして……。



「うん。……キキ君、ハウ氏。おめでとうって言ってくれて……ありがとう♪」



 歯輪の次元の光に照らされる彼女の笑顔は、やっぱり大人びてて……なんか、言葉が詰まった。



「……ゃ、別に、なんも……」

「ホント、大げさに言うな。笑うに笑えねっすわ」


 ちょっと引き気味のハウに、一層笑って人差し指をグリグリと押し込むヒラギノ。

 平和な空気の中、僕は二人に悟られないよう、小さく息をついた。



 とにもかくにも、変に緊張してしまった誕生日ゼロ時イベントを終えられた。

 彼女が欲していたのは、おめでとうって言葉だけだったみたいなので、プレゼント云々の展開には至らなさそうだ。

 それでも、巷のイケメン様だったら何かしら送り付けるんだろうけど、僕はそうじゃない星人なんでやめとくよ。疲れたし。



 なにより、まだ歯輪の次元まで距離があるんだ。

 さっき爆発的に浮かんだ疑問を、ひとつずつ、ゆっくりヒラギノにぶつけてやろう。


 そう僕は、彼女の藍色の瞳に見つめられながら考えていた。




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