表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空気属性『ステルスチート』の進路  作者: 笹見 暮
本編第一部終章:『月に筆を』
107/107

第六十九月:秘都の勇者と野良魔王④

───




 救世主の一撃は、窮地の底を深めた。

 一人の男の出現をきっかけに、クヴァリエル共はこぞって妖精さんを起こす。

 ──黒と白の新たな花が咲いたわけだ。

 僕様はザドの隣へ降り、すぐに我らの道を明かす。


「ザド、突っ切るか。それとも戻るかっ?」

「若にとっての、今日のおすすめは?」


 問いに問いとは、余裕ありやがる。

 ならば、窮地を突き進むのも悪かない。

 だが──。


「見ろよ。妖精さんらは、我々の注文を待たんそうだ」


 妖精さんを起こしたクヴァリエルは、他の個体を次々と取り込み──巨体を練り上げる。


「──アレが統率か?」

「さあ……。けど、合体は浪漫よな」


 そうして現れたるは、

 一見して──白いウサミミをつけた黒い大蛇。

 それだけなら遊びようもある。ウサミミに模した妖精さんが司令塔なら、我らのみで翻弄も容易。

 しかし、背骨から生えたのように並ぶ妖精共は……本能的に頂けないな。


「決めた。立て直す」


 言うと同時に、ザドの剛腕を引く。

 財布を忘れたから、一旦店を出るぞと促す、あのノリで。


「先行け。しんがりを務める」

「待ちおれ、若。……どさくさに紛れて倒す気か?」

「倒さん倒さん。──倒したらごめん」


 僕様はザドのケツを叩き、さっさと救世主を連れて元の場所へ行けと指し示す。


「……フン。シバコイヌ、ついて来い!」

「あ、了解。あの、報告あるんですが」

「走りながら喋りなー。二人とも急げよ」


 筆ノ亜をモード変更。

 空中戦もイケる、八機ブースターを筆本体に生成。

 ザド達がスタートを切ったのを見て、僕様は──喰らいかかる大蛇を嘲笑った。




───

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ