魔法と人と神さま
はじめまして!篷莱新人と申します心者です!
生暖かい目で読んでくださると幸いです(汗)
設定も曖昧になりがちになってしまっていて読むのもたいへんですが、皆さまのアドバイスをいただけると嬉しいです(^^)
「ねえ、優斗。あんたって昔戦闘科にいたって本当なの?」
車に揺られながら隣に座る髪と目が真紅の少女、エリスが聞いてくる。
「ああ……………本当だ……………急にどうしたん だ……………?」
唐突に聞いてきたので眉を寄せ面倒くさそうに聞く。
「少し噂を聞いたのよ、あんたほどの腕を 持ってたらあたしより強くなると思ったの、 だから剣士科に移った理由を聞きたいと思って」
「そうか…………………そろそろ話すか……………」
つり目気味の目に不思議そうな色を灯して聞 いてくる。
「そろそろって……これを聞いたの初めて よ?」
「そうだな……………だが、それを話そうとするとお前が聞きたいこととイコールになる……………」
「ということはあんたの性格が変わったって 言う話ね、けどそれって小さい頃の話じゃ ……」
「いや………あれは嘘だ、すまなかった………」
少し前に性格が変わったのはなんでだと聞かれたときに話すのが面倒だったので、適当に言ったデマを信じていたらしい。
「そう、じゃあお願いするわ。 楽しい話じゃ ないだろうけど」
「当たり前だ…………お前はいつも一言多 い…………………俺には昔彼女がいたんだ…………」
3年前の事件を切っ掛けに俺の人生が崩れていった。
空が茜色に染まり始めた町で俺は金髪碧眼の ふんわりとした雰囲気の彼女と手を繋いで歩 いていた。
「あの、これから夕焼けを見に行きません か?」
「全く、ユリアは唐突だな……。ま、金髪美少 女と夕焼けデートは悪くねえけど」
ハハッと笑い彼女の金髪を少し乱暴に撫で る。
「はうっ!? むー…なでなでしてくれるなら、 もっと優しくなでなでしてください!!」
「ハハハッ!!悪い悪い」
「これだから優斗は彼女が出来なかったんで す」
「でもお前がいるだろ?」
ユリアはからかってやるとすぐ頬を膨らませ てむ~と唸ってしまう。 そんな仕草が堪らな く愛らしい………。
「はぁ……、そうですね! それより早く行かないと日が落ちてしまいますよ!」
「ああ、そうだな。だけど走ったら転ぶ ぞ?」
「それもそうですね! 転んだら痛い痛いで す」
そういってユリアは笑う。俺はこの天使のよ
うな笑顔を見られるのなら何でもするとそう 思った。
「すミまセン、あなたガタはハくロウゆうト とユりア・あルベーるですカ?」
少し、いやかなり変なイントネーションで俺 たちの名前を聞いくるコートのフードを 被った少年。
(迷子か……? いや!! なぜこいつは俺たちの名前 を知っていたんだ!?)
「そうですよ? どうしたんです…… か…………?」
「よかッた~ボく、まちガッてタらどうしよ ウってオモッテたんだヨね」
ユリアの左胸の辺りから流れ出る鮮血、顔か ら崩れ落ちるユリア、少年が手にしている小 刀。
「え……? ユ……リア……?」
嘘だろ? 魔技高でも屈指の実力を持ってる んだぞ? 優秀な暗殺者が来ても顔色変えずに平然と返 り討ちにする腕前だぞ?
「あレ? どウしたの?ユウともスグにあっチ にいくンダからだいジョぶだヨ」
直ぐに声を出そうとしたがショックで声が一時的に出な くなってしまっていて、聞こえるのはヒュー ヒューと空気が喉から出ていく音だけ。
少年はこちらを見て口元を歪めている。 早くユリアの元に駆け寄りたかったが、今ま で味わったことのない殺気を感じ少年から目が放せなかった。
なんだ? 目が異様だぞ! 黒目しかない!! ど うなってやがんだ!! 「……な………ん………だ……それ………!?」
「アれ? 見チゃッた? ゆウとに死相がでましたよ?」
口調が急変し周りの空間が歪み始める。 気付くとそこは宵闇に囲まれた世界だった。 「ようこそおいで下さいした。 我が名は冥 王ハーデス、冥界と闇を司る神霊ございま す」
そこには黒いコートを着た20代後半程度に見える男がいた。
「申し訳ございません。こちらにも事情がご ざいまして…」
「事情……だと?」
「はい、私は死神として仕事もしておりまして、実はユリアさんはとっくに寿命を迎えて しまったはずなのですが、普通じゃ死なない ようなので私が直々に。
本当はケルベロスの仕事なのですがケルベロスはこの前ユリアさんに負け今は療養中でして仕方がないので私が来ました」
ユリアが死ぬはずだった!? 嘘だろ!?
「あ、そうでした。 この空間は冥界の一部で すので私といれば襲われることはございませ んのでご安心を」
「な、なんでユリアは普通じゃ死なないん だ!?」
「それはユリアさんと貴方はとても強い絆で 結ばれておりまして、パス……つまり回路が出来ていて貴方の…フェンリルの不死性をユリアさんに与えているのでございます、これは近くにいればいるほど強くなります」
じゃあ、俺がユリアの近くにいればあいつ は………!
「あまり変なことは考えないで下さい、私は 貴方と戦いたくありません。いくら冥王でも 命は惜しいのです」
「つまり、お前は俺に勝てないと……?」
「ええ…、私は貴方に勝てない…ですが貴方の 足止めは可能です」
「お前を殺せばここから出れるのか?」
俺はここから出てユリアを助けなきゃなん ねぇんだよ………!!
「はい、私を殺せば出れますが出る頃には手 遅れかと思われますよ?」
確かにそうだ………、俺の見立てでも早くて3 0分前後、そんなにユリアが持つわけがな い。
「ここから出して差し上げてもよろしいです よ?」
「何っ!?」
「ただし条件があります。貴方には私の仕事 を手伝っていただきます。仕事というのは死 神の仕事です、貴方が出来ることだけです が」
手伝いだけでユリアが助かるなら…。
「わかった………」
「それではよろしくお願いします」
そういってハーデスは指をならすと宵闇の世 界が歪み消えていく。
「ユリア!!」
ユリアに視線を向けるとユリアの首に鎌をか けているハーデスが立っていた。
「テメェ、話が違ぇじゃねえが!!」
「なんのことでしょう?私はあの空間から出 して差上げると言っただけですが?」
そうだ、一言もユリアを助けるなんて言って ない!! だったら力ずくで!! 拳を握りしめハーデスへと疾走する。
走りながら見える、首に鎌が食い込んでいく のが。鮮血が舞いユリアの体が崩れ落ちるの が。 俺は後と一歩、届かなかった。ずっと剣術をしてきたのは、何のためだったのか…。
「ふーん、バカじゃないの?」
エリスがバッサリと切り捨て る。
「ああ………、俺もそう思う………元々剣術を やってたからって選ぶんじゃなかったよ……」
けど、あんな思いは申したくないしな………。
「昔話ですか? 懐かしいですね……あの時は焦ってしまった。いやはや私も若かったですね……」
全身黒いコートをきた男がどこからともなく現れる。
「うるせぇ……………邪魔だ、ハーデス…………消えろ…………」
車の中に現れたので狭っくるしくなってしまいエリスが目を回し始めたところで車が止まる。
「着きましたよ、早く出てください」
スーツをきた女性に睨まれエリスを連れ車を降りる。
「さぁ……やるかぁ………俺達の戦闘を………!」
最後まで読んでくださったか方々本当に感謝いたします。
私は初めてなので勝手がわからずに足りないところがありますが、これからも続けていくたらなと思います。
これからよろしくお願いします。