〜帰還〜
帰れる。元の場所へ。
今確かにお兄ちゃんはそう言った。でも・・・・。
「だめだよお兄ちゃん。今帰ったら友美ちゃんを置いてくことになっちゃう。」
そういうとおにいちゃんは驚いた顔をした。
「友美ちゃんもやっぱきてんのか」
「うんそうだけど・・・どうしたの?」
「畜生。遅かったか、いやまだ間に合うか?」
「だ〜か〜ら〜。どうしたのお兄ちゃん!?」
お兄ちゃんはいきなりぶつぶつ言い出した。うん。壊れちゃったのかな。あ、それともあの化け物と一緒にいたから、ちょっとおかしくなっちゃったとか!?う〜それでもお兄ちゃんはお兄ちゃんだからね!?私は見捨てないと・・・思う。
「トモル、ドウシタ?」
私の思考もおかしくなってきたとき声が聞こえた。さっきの化け物の声だ。うわさをすれば影とはまさにこのことだね。
「やばい。もう時間が無い。お前と友美には悪いが、いったんお前には帰ってもらうぞ」
「へ、お兄ちゃんいったいなに言って・・・」
「ここのことを親父に話すんだ。後は親父がどうにかしてくれるから!!」
それだけ言うとお兄ちゃんはポケットから丸い玉を取り出した。
「我、竜宮智流なり。わが名においてこの者、竜宮唯華をあるべき世界に返したまえ!!」
智流が唱え終わると同時に唯華の周りを白い光が覆った。
「〜〜〜お兄ちゃん!?」
「悪いな唯華。今はこうするしかないんだ」
光が消えるとそこにはもう唯華の姿は無かった。
「トモル、ブラックパールハ?」
化け物が現れ智流に話しかけた。
「行ったよ。元の世界にな」
唯華。早いとこ真実を知ってくれよ。俺はまだ動けねぇからな。それにしても優也か・・・。また厄介な奴に目つけられやがって。
「まぶし〜!!お兄ちゃんいきなりなにすん・・・・・え?」
いきなり目の前が真っ白になったと思ったら周りはあの洞窟の中じゃなかった。車、人、自転車、町。・・・・・元の世界だ。
―親父に聞け―
お兄ちゃんの言葉が頭の中に響いた。私はどうしていいのかわからないまま家に帰った。
「お父さん!!どこ!!」
家にはいるなり私は大声で叫んだ。お兄ちゃんが行ってたことが本当なら、お父さんが何か知ってるはず。早く友美ちゃんのところに戻らなきゃ。
「どうした。唯華」
「あ、お父さん。未来に行くにはどうしたらいいの!?」
お父さんはいきなり険しい顔になった。あれいきなりすぎたかな?
「お前、学校サボったと思ったら、いきなり何を言い出すんだ。妄想は頭の中だけにしろといつも言ってるだろ」
え、あぁそうか。私があっちに行ったのは通学中だっけ。くそぅお兄ちゃんめ。帰すなら1ヶ月ぐらい経たせてから帰せよ。そっちのほうがすんなり受け入れてくれたかも知んないのに(無茶言うなよ)え、お兄ちゃんの声が聞こえた気がする。・・・ま、いっか。
「それより、妄想じゃないの!実はー」
私は、話し始めたトラックにはねられそうになったことから優也さんに会ったこと。そしてお兄ちゃんに会ったこと。全部話すとお父さんは納得したような顔になった。
「そうか。とうとう行ってしまったか。あの世界に。よし全部話してやろう。竜宮家と竜波家の役目のことを・・・。ついて来い唯華」
「う・・・うん」
そういうとお父さんはいつもは入ってはいけないといっている部屋に入っていった。
「まず最初に言っておく。お前が行った世界は未来だけど未来じゃない。我々の先祖が作った世界だ。簡単に言うとパラレルワールドとかいうところだ」
お父さんいきなり問題発言。こんな人だっけ?
や〜。だんだん訳わかんなくなってきた。お父さんかってに重大発表しないでください(笑)




