〜脱出〜
―ここは?―
目が覚めると真っ暗なところにいた。起きようとしたとき、何かが向こうから近づいてくるのがわかった。私は慌てて目を閉じて、気が付いてないフリをした。
「ん〜…?…が例の…なのか?」
「ソウ、блЩミタ。」
「そうか。よくやった。後で褒美をやる。下がってろ」
何か会話のようだが、あまりよく聞こえない。その上一つは人の声ですらなかった。物音が近づいてくる。できるだけ起きているのを気づかれないようにしようと思った。相手が油断していたら、逃げれる可能性があると思ったからだ。しかし、
「…ったく。おい、何時まで寝たふりしてるつもりだ?」
「にゃーー!?」
突然耳元で声がして叫んでしまったしまった。
「にゃーー!?って猫かお前は。」
そこにいたのは私の兄。竜宮 智流(たつみや ともる)だった。
「へ?お兄ちゃん?何でここに?って言うかふけてない?」
「はぁ。お前は馬鹿か?ここはお前がいたときから大分たってるんだぞ。そりゃ俺だって年をとるわ。不老不死じゃないんだから。」
お兄ちゃんはそう答えたけど。ふけたというのは、間違いだったかもしれない。ちょっとひげが生えて、少しやつれた感があるけど。見た目はそんなに変わってない。あれ?
「ちょっと待って。ここは私が住んでた時代より千年ぐらいたってるんだよね。お兄ちゃんがいたらおかしいんじゃないの?」
そうだ。普通の人間なら生きてるはずは無い。何かがおかしい。
「えーと、アナタハホントウニオニイチャンデスカ?」
・・・・・。沈黙。いやぁ、いきなり黙りこまれると気まずいなぁ(軽く錯乱中)
「何いきなり片言になってんだ。第一なぜお前がここにいる。今までいったいどこに行っていたんだ。」
「・・・・・・・(あ〜。この返し方はお兄ちゃんだ。しかもちょっと機嫌悪い?ここはおとなしく答えとこう)裕也さんの家」
裕也さんの名前が出た瞬間おにいちゃんの目外大きく見開かれた。
「裕也って、まさか双樹裕也か!?」
「・・・・・・・?そうだけど?」
そういった瞬間お兄ちゃんは大きくため息をついた。
「この馬鹿妹が・・・。俺の今までの苦労はいったいどうしてくれる」
いやいやいや。私お兄ちゃんに苦労かけた記憶無いんだけど。
「とりあえず。お兄ちゃんなんで生きてんの?」
「ん〜?悪魔に魂売ったから」
「・・・・・・・・はいーーーー!?」
「あ〜嘘嘘。人魚の肉食ったから」
いやもっとありえないし。なんだこの兄。とうとう頭でも狂ったか。いやもしかしてお兄ちゃんのフリした。別の奴なんじゃ・・・。
「お〜い唯華戻ってこーい。今の全部嘘だから。いまどきこんなの信じるか?相変わらずいい反応するなぁ。っていうか抜けてるのか。」
お兄ちゃんはかなり愉快そうに笑い出した
プッチン(唯華の何かが切れた音)
「いい加減にしろー。このクソ兄貴!!こっちが「叫ぶな!!」ん〜!?」
いきなり口をお兄ちゃんにふさがれてしまった。耳元でお兄ちゃんがひそひそと話してくる。
「あのな〜。一応ここあの化け物たちがいんだぜ。騒ぐと集まっちまうだろ。」
私はそこで一応私は捕まっていることを思い出した。
「俺はお前らと一緒で時間移動してきたんだ。俺らの家系にゃそういう力を持った奴がまれにいるらしい。それよりあんまりここにいると危険だからな。早くもとの世界に返れ」
何時に無く真剣な目つきでおにいちゃんが言った。
「・・・。どうやって戻ればいいの。帰り方わかんないんだけど」
「俺が返してやる。この世界では一応過去に戻れる装置があるからな。竜宮家と竜波家の者しか使えないが、な」
え・・・?帰れる?元の世界に?本当に?
いやぁ〜とうとうクライマックス!?なんちゃって。すみません更新送れちゃって・・。とりあえずここまでお読みくださってありがとうございます。これからもよろしくお願いします。




