〜夢それとも・・・〜
交通事故で、まったく知らないところに、飛ばされてしまった唯華と友美。
二人の前に現れた男達はいったい・・・
「空から降ってきた?」
私はそう問い直した
「どういう意味ですか」
自分を落ち着かせるように、ゆっくりと聞いた。
「そのままの意味ですよ。あなた方は、今朝私達の上にいきなり振ってきたんです。私達は・・・」
そこで友美ちゃんが、言葉をさえぎった。
「んなわけあるか!唯華こんなやつでたらめ言ってるだけだから信じちゃだめだよ」
「友美ちゃん、ちょっと黙ってて」
「唯華・・・!」
友美ちゃんはなにか言い返そうとしたけど、あきらめてそっぽを向いた。
「続きをどうぞ」
「どうやらこちらのお嬢さんはまだ話しがわかるようだ」
銀髪の男はこちらを向いて笑顔でそういった。その時私の目に思いもよらぬ光景が飛び込んできた。
「目が・・・・赤い?」
そう、銀髪の男は、目が赤かったのだ。ただ赤いだけでなく、まるで眼の中に宝石が入っているような、美しい色だった。
「何を言っているんですか。目が赤いのは当たり前ではないですかでも・・・あなた方は違うようですが」
そう銀髪の男が言った瞬間、めんどくさそうに部屋の前にいた2人の男が、いきなりこっちを向いた。
「おい、もしかしてあのガキども・・・」
「あぁ、まちがいねえブラックパールだ」
男達がブラックパールといった瞬間銀髪の男が男達のほうを向いた。
「ちょっとお前ら出て行け」
一瞬の静寂の後
「何言ってんだあいつらの正体すらまだわかってないのに」
「いいから行け」
男達は何かぶつぶつ言っていたけどしぶしぶ出て行った
「あの、どうしたんですか」
いきなり銀髪の人の雰囲気が変わったので、私は恐る恐るきいてみた。
「え、いえ何でもありませんよ。そういえば自己紹介がまだでしたね。私の名前は双樹裕也(そうき ゆうや)と申します」
「あ・・・、ご丁寧にどうも私は竜宮唯華と言います。あっちは私の友達で竜波友美ちゃんです」
友美ちゃんの名前を言い終えたときに裕也さんはなんだか深刻そうな顔でつぶやいた
「双つの竜がこの世に現れるとき、世界は破滅か繁栄のどちらかを選ぶ」
「え」
「あ、いえ。唯華さんと友美さんですね。よろしくお願いします」
「あ、はいこちらこそ」
何がなんだかわからないまま私は裕也さんと握手をしていた。
その横で友美ちゃんは、食い入るように裕也さんをみていた。まるで何か得体の知れないようなものを見る目つきでみていた。
私はそんなもにまったく気づかず裕也さんに私達がなぜここにいるのかを聞いていた。
「あなた方は、今日私達があるものを呼び出そうとしたらいきなりあなた方が空から降ってきたんです」
「何を呼び出そうとしていたんですか?」
「龍です」
私は友美ちゃんが笑い出さないことを願ったが、その願いもむなしく
「ぷっっ、あははははははははははははは」
友美ちゃんは笑い出した。
「ちょっと友美ちゃんそんなに笑ったら失礼だよ」
「いえ、いいんですよ。確かに笑われるようなことをわれわれはやろうとしているんですから」
「ならどうしてそんなことやろうとしているんだよ」
友美ちゃんがそういった時裕也さんの目が悲しい色をともした。
「われわれの国は今壊滅の危機にさらされています。それでどうにかしようと考えた私達はある情報を耳にしました。それは龍に仕えていたとされるある2つの家に代々伝わってきた言い伝えで」
「「双つの竜がこの世に現れるとき、世界は破滅か繁栄のどちらかを選ぶ・・・」」
「え」
友美ちゃんと裕也さんの声が重なった。
「何で友美ちゃんが知ってんの?」
「さっきこいつが言ってたし、第一うちと唯華の家に古くから伝わってんじゃんか」
そうだったんだ・・・
「これはこれは、まさかあなた方があの家とつながっていたとは、驚きました」
その顔はぜんぜん驚いてないし、それより
「私達にその家の場所教えていただけませんか。早く家に帰りたいんで」
「それは困りましたね。あの家はだいぶ昔に敵国に破壊されてしまいましたし」
え・・・・。いきなりの爆弾発言。私たちの家は確かにさっきまであったはずだし。
何かがおかしい。私達はいったいどこに来てしまったのだろう
展開が速すぎるかもしれませんが、とりあえずここまで付き合っていただきありがとうございました。
このあと唯華と友美の行動を楽しみにしていてください




