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一話 男、迷い込む。
……俺は気がついたら変な森に居た。
しばらく歩いてはいたんだが、段々手足が痺れきて湿った地面の上に倒れこんでしまった。
「もう、訳わかんねぇ…ははは！ …げほっげほ！」
さっきから笑いは止まらないし、周りも見えなくなってきた。
あぁ…笑い死ぬってこういうことか……げぼオウェ！
クソ！
……せっかくボーナスたんまりと入ったから料理のうまい飯屋とかに行ったのに…。
家に帰る途中でコレかよ…！ はぁはぁ…。
あー……あの店、最後に行きたかったな…。
はぁ…もう、考えるのも辛い…。
御免よ父さん、母さん。
息子の俺が先に死ぬなんて…。
もう二人の店、継げない…わ…。
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1998年、某月某日。
坂井京谷、幻想郷魔法の森にて、瘴気及び菌糸に毒され死亡。
