巨悪
8/1 15:25
「………☆●○□○▽※×★」
五月蠅いな、誰だ私の眠りを妨げるのは…
「…キロー…サダヨ……アッヨォ…」
くそっ何だ静かにしてくれ!!
「テテテテ テテテテ テテテテテー オッハヨォー ボク ノライヌ アサダヨ オッキロォー!!」
くそったらぇえええ!!
「チンっ」
目覚まし時計のボタンを押し上半身をベッドから起こす
窓の方を見るとカーテンの隙間から少し日差しが差し込んでいた
ジィージィーとアブラゼミの鬱陶しい鳴き声がする
時計を見ると午後三時を回っていた
私はベッドからゆっくり起き上がり
昨晩枕元に用意しておいた黒いツナギに着替えると洗面台に向かった
何故かって?歯を磨くからさ
歯ブラシに歯磨き粉を付けコップに水を注ごうと力いっぱい蛇口をひねる
「ぶしゃあああぁああああああああああっ」
勢い良く水が出て靴下が濡れた
着替えたばかりだというのにものの数秒で靴下が濡れるなんて
私はもう全てが嫌になった
靴下とツナギを脱ぎ捨てベッドに戻ると頭までタオルケットをかぶった
携帯電話を手に取り職場に連絡を入れる
『あ…もしもし【黒衣】です…あ…はい…すいません…いえ具合は悪くないんですが…朝ドアを開けようとしたらドアの外に大男がいて向こう側からドアを押してくるんで出られないんです…えぇはい…すいません失礼します』
私は職場に仕事を休む報告を入れると再び深い眠りについた…