衝動
8/1 15:05
僕は一階のリビングでソファーに腰掛けていた
目の前のガラステーブルの上には涼しげな皿の上に盛られた南部煎餅と透明なコップに注がれた緑色の液体が置かれている
玄関のドアがバタンと閉まる音がした
僕はその音にビクンと体を浮かせアレを少し漏らした
「おや?南部煎餅はきらいかな?」
そう言いながら白衣を纏った老人が僕の正面に座った
「遠慮しないで自分の家にいるようにくつろいで」
なんだ良さそうな人じゃないか
初バイトで緊張していた僕は途端に気持ちが和らいだ
僕は足をのばしてガラステーブルの上にのせた
お互い簡単な自己紹介を済ませると早速仕事の話になった
どうやら今日はこれから施設の案内と健康状態のチェックをして
投薬が始まるのは明日かららしい
僕は老人と共にエレベーターで三階に向かった
エレベーターのボタンは1と3しか無かった
エレベーターを降りると六畳ほどの広さのフロアに出た
正面と左右にドアがあって
左の部屋には【娯楽室】
右の部屋には【浴場】
正面の部屋には【タッくんの部屋】
というプレートがかけられていた
「タッくんはいつもは三階ですごしてね」
馴れ馴れしく老人は言った
正面の部屋に通されると準備が出来たら呼びにくるからくつろいで待っていてくれと
老人は【タッくんの部屋】を後にした
【タッくんの部屋】は八畳ほどのスペースで
入って右側に厠と書かれたドア
正面には窓がついていて薄い青色のカーテン
左手前隅にベッドがあり奥には小型の冷蔵庫
部屋の中央部分に小さい丸テーブルとパイプ椅子が一つ置かれていた
一人になると喉の渇きをおぼえたので冷蔵庫を開けた
中には小松菜と鯖缶あとピッチャーに入った緑色の液体があった
僕は恐る恐る緑色の液体をテーブルの上にあったコップに注ぎ
ベッドに腰掛けて飲んでみた
『まずいっ!!もう一杯!!!』
僕はコップを置くとベッドにうつ伏せになった
ふと壁に目をやると
「ぷり…けつ…」と書かれた緑色のメッセージを見つけた
…僕は…なんとなく…わくわくした…