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「これはさっき私の部屋にあった箱の心臓部よ。このブルーの宝石と、姫様が身につけているペンダントの石は元々一つでそれを二つにして、術をかけたの。姫にはお守りといって渡しといたわ。」

「なかなかやるな」

「まぁね。王にはお世話になってるから」現クライン国王はかなりの賢王とよばれている。

善政をひき、税も必要分以外は決してとらない。

性格は豪快かつ慎重で、頭も切れる。国民からも慕われ、部下にも信頼されている。よく日に焼けた肌と無駄なくついた筋肉は今だ40半ばには見えない。栗色の髪を短くかりあげた姿は、美丈夫というのにふさわしい。誰にでも気さくに話かけ、たまにふらりと旅にでられたりもする。姫の放浪癖も父親ゆずりかもしれない。  椿がこの国に来た時、町で小さな占い店を営んでいた。その時、王という身分を隠してクライン王は恋占いを頼みに椿の元に訪れた。『宿屋のルーシアちゃんとラブラブになれるか?』と椿に真顔で聞いたらしい。

『身分を明かされたら彼女は貴殿に好意を持ちますが、今のままでは振り向いてもらうのは無理ですね』とニヤリと笑った。『なんだ、見抜いていたのか。色々な魔術師の所へ行ったが、俺が王だと1番最初に気付いたのはお前だけだ。と言って城の専属魔術師の話を椿に持ち掛けた。

が、椿は断る。

だが王は毎日の様に椿の元に通い詰め、やっとの事で椿の首を縦に振らしたのだった。

昔一度だけサーラが椿に王の申し出を断った理由を聞いみた。

椿は遠い目をして『私は、専属の魔術師になれるような人間ではない。けれども王はなにもかも承知して、城付きの魔術師になってくれと言ってくれたんだ。あの言葉には濡れたな』などと訳のわからないことをぬかしたらしい…。椿がこの国に来た理由は故国を追放されたとも、追われているとも憶測が飛び交うばかりで今となっては誰もその事についてその事については触れなくなった。

なにせ性格は歪んでいてもその術は一流だし、結構可愛いとこもある。今では立派なおかかえ魔術師だ。

「さて、ついたけど姫は中に入ってしまったみたいね」

鬱蒼と広がる森の前で二人は立ち止まる。

「おいあれ」

ドリスが指を向けた先に何か光る物が落ちている

二人でかけよってみるとブルーの宝石がついたペンダントがおちている。

「これは…」

「あぁ私が姫に渡した物だ」

「嫌な予感がする」

森の樹木が風になぶられざわめき始める。

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