女神とノートと時々メガネ
雨、風、割れるメガネ、1人の女神。
と、平凡な男子。
…そんなおはなしです
どうぞ、お楽しみください。
とある平凡な登校中。…のはずだった。
ピュー
風が強い。
ピューとかいうレベルじゃないくらい強い。
ザァー
ってか雨も強い。
ビュー ザァー
って感じだ。
傘もさっきからメキメキと変な音をたてていて折れそうになっている。
気を抜くと俺のメガネが飛んでいきそうな…あ。
メガネが飛んだ。
いや、飛んだよ!
パリンッ
…マジか。
聞きたくない音が聞こえた気がした気がするんだけど。
メガネは…
側に寄って見てみると、落ちた衝撃でバラバラに割れていた。
ヒビ程度かと思ったんだけど。
コレじゃかけても前が見えないから仕方なくそのまま学校へ向かう。
今日は朝からついてないな。
何でメガネ割れるんだし。
メガネが飛ぶか?普通。
代えのメガネなんて持ってないから黒板も見えないんじゃないか?
って不安なまま学校に到着。
黒板は…案の定見えなかったから、とりあえず寝ておいた。
授業中に寝るのは気持ちいい事に気がついたが、そんなこと知ってもどうにもならないことも分かった。
あれだよな。
授業中って静かだからかなな。
もちろん休み時間で騒がしい中寝れるわけもなく仕方なく起きると、
「おはよ。」
女神が居た。
前の席の篠原が俺を見て微笑んでいた。
篠原の優しい微笑み、茶色でウェーブがかかった長い髪。
篠原の周りは空気が違う気がする。
ほんのりと薄いピンクのベールに篠原が包まれてる気がする。
俺は、篠原が好きだ。大好きだ。
そんな大好きな人に微笑まれたら誰だって固まるだろ?
「ん? どうしたの?」
篠原がそのまま微笑みかけてくる。
「え? あぁ、おはよ。」
とりあえず、返事をかえす。
落ちつけ、俺。
取り乱したら、みっともな過ぎて田舎の母ちゃんが泣くぞ。
こんなこと言ってる時点で俺は取り乱している。
なぜなら、俺のお袋は遠くにいるわけでもなく一緒に住んでいるからだ。
心の中ですーはーすーはー深呼吸してから改めて篠原をみると、
「はい。 どうぞ。」
やっぱり微笑んだまま何かを差し出してきた。
篠原が差し出してたのはノートだった。
ぼやけて表紙の文字が見えず、何のノートかは分からないが。
「コレ。寝てたから。」
もっとよく見ると、どうやらさっきの授業のノートらしい。
「あ、ありがと。」
黒板が見えなかった俺にはありがたい。
しかも好きな人が貸してくれるっていうのはかなり嬉しい。
休み時間の間に終わらせようと、さっそく写しにかかる俺。
篠原はというと、微笑みながらじっとこっちを見てる。
少しやりずらい。
好きな人から見つめられるというのは嬉しいのか恥ずかしいのか分からない感じがする。
この微妙な感じを早く終わらせようと必死に写す俺。
内容が少なかったおかげですぐに写し終わった。
「サンキュ。」
篠原にノートを返す。
「どういたしまして。」
ニッコリ笑ってノートを受け取る篠原。
やっぱりめちゃくちゃ可愛い。
次の授業が始まってもやっぱり黒板が見えるわけもなく、俺は寝て。
授業が終わると篠原がノートを貸してくれる。
それを繰り返して最後の授業が終わった。
でも、休み時間じゃ書く量が多すぎて写し終わることができなかった。
ホームルームの後、
「はい。」
篠原がさっき書ききれなかった分のノートを差し出してくれる。
コレで最後…か。
なんだか少し悲しい気がする。
こんなに篠原と話したことないしな。
「雨。スゴイね。」
ふと小さくて可愛い口から言葉が零れる。
「あぁ…そうだな。」
俺は顔をノートに向けたまま答える。
「私、雨好きなんだ。」
俺が何か答えるより先に篠原が笑いながら言う。
「何か気持ちよくない?世界が水浸しな感じがして。」
顔を上げると、篠原は俺の返事を待ってる感じだったからとりあえず、
「ははっ水浸しか。」
笑っておいた。
イキナリの発言に特に返す言葉が見つからなかったんだ。
「そう。水浸し。世界がビシャビシャ。」
更におどけた様に言う篠原。
何かいつもと違う篠原を見れたみたいでちょっと嬉しかった。
「ついでに俺のメガネもビショビショのバラバラだけどな。」
一緒におどけてみた所で写し終わった。
俺の言葉にくすくす笑っている篠原にノートを渡したら、
「私はメガネかけてない方がカッコイイと思うよ。」
なんて耳元に口を寄せて言う。
欲望なんて微塵も感じない純粋な感じで言うもんだから俺はたまらなく照れてしまった。
「じゃあね。」
俺が照れてる事など気にもしないで篠原はノートを受け取って帰っていく。
メガネが割れることも、傘が折れそうになることもあるけど…
たまには雨もいいかもしれない。
ココでは初めて投稿する男の1人称でした
変な所あったら教えていただけると嬉しいです。
…メガネっていいですよね…
感想頂けると嬉しいです