第2話
龍之介を乗せた、ヤマトタケルは、宇宙の大海原を行く、
「目標地は、何処だ?」
『目標地は、リファール星系です、到着は25分です』
リファール星系と呼ばれている恒星系だ。B型恒星であるリファールを中心とした恒星系で、四つの惑星が存在している、一番近いリファールⅠは恒星に近く、非常に地表温度の高い星で利用価値が殆ど無い。次に恒星に近いのがリファールⅡで、水素やヘリウムで構成されているガス惑星だ。このガス惑星からはヘリウム3がエネルギー資源として採掘されているらしい。
その三つの星を取り囲むように小惑星帯が存在しており、この小惑星帯からはレアメタル他、豊富な鉱物資源が採掘されているそうだ、更にその外側に二つの惑星があり、それぞれの名前がリファールⅢとⅣとなるらしい。
『交易コロニーに接近しました、超光速ドライブの解します』
、思ったよりもスムーズに超光速移動は解除された。
『交易コロニーのハンガーベイにドッキング要請を送ります』
『こちらコロニー、リファールプライムの港湾管理局。当コロニーへのドッキング要請を受諾。ええと、キャプテン……? すみません、お名前の部分のデータが破損しているようです』
「えぇ? あー……こちらは機体名ヤマトタケル、名前は――」
名前か。俺の本名はどこにでも居そうな・この世界ではちょっと奇妙に聞こえるだろうな。
ゲーム内ネームを名乗っておこう。
「リュート、キャプテン・リュートです」
この宇宙に、キャプテン・リュートの誕生した。
あれから迎えが来ると言って20分経った
『こちらコロニー、リファールプライムの港湾管理局、迎えが着きました、降りて来て下さい』
「アリス、後は、頼む」
『はい、万事OKです』
そう言って船から降りて行く。
「こちらです」
「はい」
寄港している貿易コロニー・リファールプライムはドーナツ型のコロニーである。
コロニーは常に回転しており、それによって生み出される遠心力で擬似的に重力を生み出しているようだ。遠心力で重力を生み出しているので、ドーナツの輪の外側が地面ということになる。
ある方向に視線を向けると、上り坂のように地面が果てしなく続いているのが見える。空を見上げれば遥か彼方にガラスのような素材でできた天井と、その先に見える宇宙やドーナツ状のコロニーの中央部分に見えるハブが見える。地上からは一定間隔で何本もハブに向かってエレベーターが伸びており、その様はまるで自転車のタイヤのスポークのようだ。
このスポークのように伸びるエレベーターやドーナツ状のコロニーの中心部にあるハブの存在も考えると、このコロニーはドーナツ型というよりは自転車のタイヤ型のコロニーとでも表現するほうが正しいのかもしれない。
「こちらの部屋で、お待ち下さい」
暫く待つと。
「お待たせしました」
「はい、宜しくお願いします」
「事情の方は、聞かせて貰います?」
「ハイパードライブでの航行中になんらかの事故でも起きたようで。事故の影響か記憶ははっきりしないですし、正直途方に暮れているところです」
「なるほど、」
アリスと予習ずみだ。
「それで、この積み荷の大量のレアメタルはどこで?」
「船に積んであるものは『ほぼ』採掘ですが、うちの船には、採掘ドローンが有りますから、ログも確認したでしょ」
「えぇ、確認しました、一応本人えの確認をと、思いまして」
「では、コチラにレアメタルを、お売りますか?」
「はい、お願いします」
「分かりました手続きは、案内致しますので、そちらで、お願いします」
そうすると、案内のお姉さんが現れた。
「本日は以上です、御足労有難うございました」
そう言って、案内のお姉さんに着いて行くと、
市役所の様な所に、連れられて行くと、
「コチラに、並んで待って居て下さい」
そう言って、お姉さんは何処かに行ってしまった
そして並んでいると、リュートの番に成った
「ご要件は、何ですか?」
「レアメタルの売買を、お願いします」
「はい、分かりました、情報端末を、出して下さい」
そう言われ、アリスが用意してくれた小型情報端末
を、出してピッと言った感じで、
「では、レアメタルの引き取り金としまして、その代金が5000万エネルになります。ご確認ください」
確認すると5000万エネルが入っていた。
「確認出来ました」
「はい、手続きは以上と成ります」
「有難うございます」
それからリュートは、傭兵ギルドに向かう
暫く歩いていると、傭兵ギルドに着いた。
そして入って、受付の所まで行き。
「ようこそ、リファールギルドへ
依頼ですか?入会ですか?」
「入会したいですが」
「分かりました、情報端末を」
そう言われて、小型情報端末を、出した
「確認しますね、え!?どこの船ですか、これは。見たことが無いですね」
「あー、出処はちょっと。盗難船じゃないことは保証します」
「過去のことを詮索するのはマナー違反ですね」
「寄港記録がどこにも無いですね?」
「ハイパードライブでの航行中になんらかの事故でも起きたようで。事故の影響か記憶ははっきりしないです」
「それは、大変でしたね」
「後、貴方の喋り方、他の傭兵に舐められますよ」
「そっか、分かった」
「それで、良いです」
「登録の準備は出来ました。後はテストですね」
「テスト?」
「貴方がどの程度の腕前かわからなかったらどんな仕事を回したら良いのかわからないからです」
「分かった、宜しく頼む」
「訓練用のシミュレーターがあるから。それで、やってもらいます」
「分かった」
受付のお姉さんに、誘導されて、シミュレーターの設置されている部屋は思ったよりも大きかった。
船のコックピットというのはやはりそのメーカーによってかなりデザインが違う。操作系が違うと言っても良い。なので、殆どの船はコックピットブロックに互換性があったりする。つまり、コックピットブロックだけを切り離して他の船につけられるようになっているのだ
俺の選んだコックピットブロックを見て少し感心したような声を上げて、お姉さんがどこかに行く。きっとシミュレーターをオペレートするための装置がどこかにあるんだろう。
『では評価試験を始めます』
「了解。試験用の機体のデータはどうなってるんだ?」
『貴方の機体のデータをそのまま持ってきています。実機とほぼ同じように使えるはずです……えっと、何ですかこのデータは』
「どうした」
『何かって、この機体データは……貴方、使えるですか?』
「ヤマトタケルのデータなら、大丈夫だ」
『テストの内容は単純なものだ。敵性機体を全て排除して下さい。』
「了解」
『ではテストを始める。機体を起動して下さい』
コックピット内が暗くなり、最低限の明かりだけが灯った状態になる。未起動状態からの操作を全て追うわけか。
俺は慣れた手付きでメインジェネレーターを起動し、即座にジェネレーター出力を戦闘モードまで引き上げる。それに応えるかのようにクリシュナを模した機体のシミュレーターが起動し、周囲に宇宙空間が広がった。実にリアルな光景だ。シミュレーターといっても滅茶苦茶リアルだな。
『所属不明艦出現、武装オンライン』
俺も武装をオンラインにしてレーダーに感のあった方向に素早く機体を向ける。そして一気に加速。シートに強く身体を押し付けられる感覚が襲いかかってくる。
どんなトンデモ技術を使っているのだろうか? まぁ、この世界がステラオンラインと同じそれなのであれば重力発生装置とかも実在するはずだし、その辺りの技術が使われているのだろう。
目標と思しき標的はノロノロと航行しながらこちらに向かって機首を向けようと旋回をしているようだ 取り敢えず主砲と牽制して副砲で仕留める。
一撃でその船体を貫いた、一拍置いて標的の船が爆発四散する。
「弱いな」
動きも遅かったし、見た感じカーゴ容量の大きい小型輸送船タイプの船だった。こんなものか。
その後も次々と敵船が現れるが、どれも弱い。遅い。脆い。こんなのは的当てと変わらない。これじゃあ俺の実力を見ることなんて出来ないと思う。
「弱過ぎる」
『あー、新規入会者用の評価プログラムだからね』
『テストは以上です』
「了解」
思ったより簡単だったな。一体どういう評価を下されるのか……まぁ、お姉さんの反応からすれば悪いということはないだろう。
手早くジェネレーター出力をカットし、シミュレーターを停止してコックピットの外に出る。シミュレータールームの出口に行くと。
「試験の結果は?」
「あー、カウンターに戻ってから話します」
「えー、まずは試験の結果なんだですが」
「ああ」
「合格です」
「それは良かったが、なんでそんなに微妙な表情なんだ」
「傭兵にはな、ランク制度がある」
「ほう?」
「コンバットランクというものですが、その傭兵の戦闘能力を端的に表すものです。アイアン、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの五つのランクが有ります。アイアンが一番下で、プラチナが一番上です」
「なるほど、それで?」
「貴方がさっき最後にやった試験な、ゴールド昇格用のヤツなんです」
「なるほど?」
「でもです、いくらゴールド昇格用の試験とはいえ、いきなりお前をゴールドにすることは出来ません」
「なるほど」
「だからな、とりあえず貴方はブロンズです。暫定的に。さっきやったシミュレーターのデータを上に上げて、その後でランクが確定すると思って下さい」
「とりあえずランクは仮ですが、正式に傭兵として登録はしました。これからは傭兵ギルドが後ろ盾になると同時に、貴方は傭兵ギルドの看板を背負うことになる。努々それを忘れることのないようにして下さい」
「会員の規約とかそういうの説明無いんですか?」
「後で、メッセージで送っと来ます」
「了解です」
こうしてリュートは傭兵ギルドの一員と、成った。




