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Gods labo -神々の戯れ-  作者: 重宗直太郎
始まりの男の話
4/11

初めての書いた作品です。ある意味習作。

いろいろ不備があるかと思いますがご容赦ください(_ _)

「この世界で暮らすことに納得してないんだけど」


 苛立ちというか、やり場のない怒りというか、そんななんとも言えない気持ちをぶつけるように俺は叫んだ。そうだ、俺は納得していない。この世界で暮らすことも、3年しか生きれないということも、かってに体になにかされたことも、寝てる間に攫われてきたことも、何一つ納得していないし、3年しか生きられないような世界になんていたくない。一刻も早く家に帰りたい。何も無い毎日だけど、こんな訳のわからないことに巻き込まれるよりはマシだろ。


「なんで、俺がこんな事しないといけないの?望んでないじゃない。実験とか、やりたい奴にやろせろよ。無関係の人間巻き込んでんじゃねーよ。カミサマだかなんだか知ら無いけど、こんなことする暇あったら戦争無くすとか貧困無くすとかやること他にあるだろうが!」

「いえ、他にやることなどないですよ。やることがないから、このような『実験』を行っているのですから」

「は?」

「自分が創った世界の維持くらいしかやることが無いのですよ、神には。なので、できたばかりの世界であればともかく、貴方が居た世界は創られてからそれなりの時間が過ぎてだいぶ安定しているのでやることがないのです」

「安定って、戦争や貧困や異常気象とか、世界が大変なことになっているじゃないか」

「それは、ヒトが解決する問題です

「なっ!?」

「戦争を起こしているのは誰ですか?神では無いですね。貧困も神が手を出した結果ではなく、経済?というのですか、その結果です。異常気象、といいますがたかが数十年の話ですよね。世界ができてどれだけの時間があったと思います?その間に、今と似た気候だった時期もありましたが、今も世界は存続しています」


 俺の八つ当たり気味に言ったことに、男は「コイツは何を言ってるんだ?」という表情で返してきた。それに対して何も返すことができなかった。だから、男の言葉尻をとらえて相手をやり込めようと思って言っった。


「世界が存続していたって、人が、生物がいなくなったら意味無いじゃないか。生物がいなくならないようにするのがカミサマとやらのやることじゃないのか」

「何か、勘違いしているか自分の都合の良いことしか考えていないようですね」


 そう言うと、男はいつの間にか両手に持っていた、木で作られたマグカップのようなものの片方を差し出してきた。俺がそれを受け取ると、飲むように手で促してきた。

 中には、黄色い色をした一見怪しい液体で満たされていて、飲むのが躊躇われた。コレをのんで、俺は無事でいられるのか?なにか、睡眠薬みたいなもので眠らされてまた理由のわからない場所に連れて行かれるんじゃないか?眠るだけならいいけど、そのまま目を覚まさないんじゃないか?

 そんな不安が顔に出ていたのか、男は持っていた、もう片方のカップを見せ、「同じものが入っています」というと、男はカップの中身を飲み干してみせた。


「この世界の果物を搾ったものを水で薄めたものになります。のどが渇いたかと思って出させていただきました。少し酸味が強いものにはなりますが、この世界ではよく飲まれているものになりますので味を知っておいたほうが良いかと」

「だから、俺は!」

「その話は、それを飲んでからいたしましょう」

「これが、アンタが飲んだものと同じ保証は?」

「では、そちらのものを私が一口の見ましょうか」


 そういうと、男は椅子から立ち上がり、俺のそばに来たかと思うと、素早く俺の手からコップを取り一口飲んでみせた。そのまま少し待ってからもう一度俺にコップを差し出してきた。


「何か薬のようなものが入っていたとしても、即効性のあるものでは無いことがわかったと思います。もし、まだ心配なようならもう少し私の様子を観察していただければと思います」

「いや、いい」


 ここまでされると、なんとなく罪悪感みたいなものを感じて、俺もコップの中のオレンジの水を飲んでみた。たしかに、少し酸っぱく感じたが飲めないほどではなかった。そして、一口飲んだら急に喉の渇きを感じて、俺は残りを一気に飲み干した。グレープフルーツのようなその飲み物のおかげか、俺は少し落ち着きを取り戻したような感じがして、それを感じたのか男は椅子に座り直すと、続きを話し始めた。


「さて、先程貴方は生物がいなくなったら意味がない、とおっしゃいましたがそんなことはありません。なぜなら、それは『実験』の結果であり、何が問題だったのか考察し、次の『実験』を行う際の条件を検討するための種でしかないからです」

「え、だって人や動物や植物がこの世から無くなったら…」

「それは、貴方がたの視点から見た話です。貴方がたがいなくなっても世界はなくなりません。貴方がたが“地球”と呼ぶ場所が土塊となるだけの話です。次の『実験』で必要となればまた用意すればよいだけの話です」

「な…」

「そもそも、最初は生物すらいなかったのですよ。最初の状態に戻るだけでの話です」


 なるほど、言われてみればそうかもしれない。「地球を救おう」とか「地球を守ろう」とか「環境破壊を止めよう」とか、そんな感じのこと意識してエコだ、SDGsだと言っていたけど、それは人が暮らしていくのに支障が出るからで、森や海が無くなって、陸地が全部砂漠になっても地球は無くならないもんな。


「繰り返しになりますが、貴方には今後はこちらの世界で生活をしていただきます。常識の違う世界から来たということで、こちらの世界に慣れるまでの1年は私がサポートいたします。また、この家で過ごすのは1ヶ月で、その後は近くにある街へ移動してそこで暮らしていただきます」

「…どうしても、ここで暮らさないとだめなのか」

「そうですね。これは神による『実験』であるため、納得いただかなったとしても、貴方を元の世界に戻すことはありません。諦めてください」

「その『実験』ってのに、俺が協力しないって言った場合は、俺はどうなる」

「それは関係ありません。あなたが目覚めたときから『実験』はすでに始まっています。私との会話についても実験データとして記録されています」

「そうか…」


 そうか。もう『実験』とやらは始まっているのか。そう思ったら、今までの自分の行動がなんだかはずかしくなってきて、俺は隠れるように布団の中に潜り込んでいた。


「…ただ、暮らすだけでいいのか?なにか、やらないといけないこととか無いのか」

「ええ、まずは貴方が何処まで“生きていられるか”を観察するのが目的ですので、特に何かしてもらうようなことはありません」


 生きていられるか、か。本当に実験動物なんだな俺。新しい薬の実験とかに使われたネズミみたいな。

 人間扱いされていない状況に、もうこのままいなくなってしまいたかった。けど、俺に自死する勇気なんかないし、あれば元の世界でやってる。多分。もう、ここで暮らすしか無いのか。ここがどんな世界かわからないけど、生きていけるのかな俺。元の世界でも一人で生きていたから、なんとかなるかなぁ。あー、もうどうとでもなれ。


 ヤケになった俺は掛け布団を跳ね飛ばして男に叫んでいた。


「わかったよ。今の状況に納得いかないのは変わらないけど、ここで暮らしていくよ。暮らしていけば良いんだろ。その代わり、ちゃんとこの世界で不自由なく生きていけるようにしてくれよな」


「それが私の役割ですので。それでは、今日のところはこれで失礼します」


 男は、椅子から立ちあがると今度こそ部屋から出ていった。暫く、男がでっていたドアを見つめていた俺はあることに気づいた。


「あ、メシどうしたらいいんだ」


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