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タンザニアン・ガール  作者: 遠松 信盛


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彼女との出会い1 胸の高まり

 僕の心は晴れない。あれから1週間、対話プログラムにうんざりし、ハルとも気まずい状況が続いている。何人か知り合いができたが、世間話をする程度にすぎない。僕の心のわだかまりは募る一方だ。こんなことだったら、大学に戻っていた方がよっぽどよかった。これから自分の人生どうなってしまうのだろう。どんどん塞ぎ込んでいく毎日だった。


 一方で、コージは自分の生きる道、と言った音楽で自分の居場所を着実に見つけている。彼が持ち込んだギターで、参加者とバンドを結成し、自分たちで思い出の曲を作るため、練習にいそしんでいた。


 船旅も残り2週間、このままでは何もしないで終わってしまう。


 彼女と出会ったのは、そんな時だった。出会いのきっかけは、夜に開催されるパーティだった。毎日、昼は対話プログラムで、夜になるとパーティが開催される。パーティは、それぞれの参加者が企画した出し物を中心に構成される。その日の出し物は、社交ダンス歴15年の参加者が企画するダンスパーティーだった。


 まずは簡単なダンスの紹介があり、その後は、参加者が各々にステップを練習する。僕をはじめほとんどが初心者だから、しどろもどろだ。それでも、時間をかけて簡単なステップを練習すると、ほんの少しではあるものの、踊れるようになる。いよいよ、実践のときだ。覚えた基本ステップをもとに、思い思いのパートナーと躍る。僕の最初の相手は60を過ぎた初老の女性。 僕はもともとリズム感覚がよくないこともあり、なかば彼女のリードしながら、ステップを踏む。10分くらいだろうか、その女性と躍った後、次のパートナーを探すタイミングがやってきた。


 僕がパートナーを探そうと周りを見渡すと、“にらみ”の彼女が僕の視界に入ってきた。彼女もパートナーを探しているようだ。僕は思い切って、彼女を誘ってみた。そして、彼女も躊躇なくOKしてくれた。僕と彼女が手をつないで、ダンスを始める。


 何だろう、この胸の高まりは。僕はドキドキしてきた。強いていうならば、僕が大学2年の時、はじめて付き合った彼女に告白したときに似ている。上手く理屈で説明できない、この気持ち。僕は恋に落ちたのだ。


 大学2年のとき、合コンの流れで、僕が告白して1年ほど付き合った彼女がいた。その彼女とも僕の研究が忙しくなったため、次第にデートの回数が減り、自然消滅した。それ以来、6年間、研究に打ち込みっぱなしで恋愛は二の次だと思っていた。もちろん、26歳の五体満足な男子だ、恋愛・セックスへの関心は人一倍ある。“研究が忙しくて、恋愛する時間がない”、というのは、表向な理由であって、本当は恋愛するのが怖かったのかもしれない。僕は、この自分の高まりを抑えることができなかった。



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