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プロローグ

 オタク大学院生がタンザニア女子と恋に落ちる!?信じられないかもしれないが、これは事実であるから、否定のしようがない。もうそれは10年近く前のことだ。ようやく、自分の気持ちに整理がついたので、まずは僕自身のことについて話そう。


  当時、26歳の僕はとある国立大学の大学院生だった。長野の田舎から18歳のときに上京、たまたま大学に合格しただけで、特に何がやりたいというものはなかった。そんなときに出会ったのがインターネットだった。当時、ようやく日本に入ってきたばかりのインターネットは何もかもが新鮮だった。大学のワークステーションから、Mosaicモザイクというブラウザを使って、NASAのホームページにジャンプしたり、日本の新着情報といって、日本全国のホームページがすべてまだ閲覧できたり、インターネットがブームになる前に、僕はいち早くインターネットの虜になった。そして、大学4年の研究室配属になると、真っ先にインターネットを研究している研究室に所属した。


 研究室での研究は本当に楽しかった、毎日が知らないことの連続で、毎日スポンジで水を吸収するかのように、本当にいろいろなことを吸収した。インターネットとはバケツリレーで、どうやってバケツからバケツに水を渡すのか。トラブルが起きた時、どうやったら、もとの状態に戻すことができるのか。インターネットを攻撃する人間をどうしたら特定できるのか。毎日が発見の連続で、本当に昼夜も忘れて、毎日大学に寝泊まりしていた。もちろん、日常の生活はすべて大学が中心で、食べるものといえば、カップラーメン、牛丼、下宿に帰るのは週に2-3日、洗濯も週に1回あるかないか、当然彼女なんかはできやしない。はたから見れば、それは典型的なオタク大学生だった。


 進路を決めるときになっても、まったく迷いはなかった。多くの理工系学生が大学院修士課程に進むように、僕もそのまま大学院で研究する道を選んだ。3月の卒業式、一握りの学生が就職していくためにどんちゃん騒ぎしているのに対して、僕たち大学院進学組はさしたる感慨もないまま卒業を迎えた。4月になって、入学式が始まり、周りは新入生モード。でも、僕がやっていることは大学生時代と何も変わらない、まわりがどういう状況あろうと、僕は自分の研究に夢中だった。1年の必死の勉強の甲斐もあって、だいぶ、自分の研究分野が見えてきた。見えてきたと言っても、まだまだ課題は山積み。あいかわらず、大学と下宿を行き来する生活が続く。


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