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お笑いコンビ フクフク

本馬快奈の混乱

作者: 川里隼生

 今朝、学友の一人がゴシップに関するインタビューを私に行った。なんでも、私とお笑いコンビを組む聖沢ひじりさわ洋介ようすけが私に特別な好意を抱いているらしい。それで、彼女は私の心の内を探りにきたのだという。いくら普段が粗雑な私でも、乙女の胸を無闇に詮索されるのは不快だ。


 相方のことは、悪くは思っていない。かと言って、もう十年近い交友の中で特別な感情は抱いていないのではないかと思う。表現が曖昧なのは恋という感情を自覚したことがないためだ。長年コンビを組んでいるため他の男子生徒と比べて安心感があり、砕けた会話はしていると感じる。もしも告白を受けたなら、断りはしないだろう。


 そう考えると問題になるのは、相方が私を恋愛対象にしているという話の正確性だ。これも不確実な情報だが、女性経験の少ない男性は些細な優しさを感じた程度でも恋愛感情を持つと聞いたことがある。相方に恋愛経験がないのは確定的に明らかだ。では最近、私は相方に何か優しくしただろうか。特に記憶しているものはない。


 友人になろうと言って友人になったという人の存在を、私は知らない。一方で恋人同士になるためには必ず告白という通過儀礼を要する。大衆情勢は複雑怪奇なり。そういった思いを巡らせていると教師が到着した。私たちは更に複雑怪奇な教科書の世界へと足を踏み入れることになったのである。

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