ドラゴンランドに入るには?
フラフラしながらホウキ飛行をしている、コンデッサたち。かなり長い時間が経ったあと。
「お! ひょっとして、あれが〝ドラゴンランド〟じゃないのか?」
「そうですね!」
2人の眼下に――
四方を高い壁で囲まれた、広い敷地が現れました。大きな囲いの中には、不思議な形の建物がたくさんあります。
コンデッサたちは、壁についている門らしきところの前に着地しました
壁の向こう側では奇妙な音楽が流れており、更には楽しげな歌も聞こえてきます。
『ドラドラドラドラゴンゴンゴン~♪ ここは、素敵なドラゴンランド~。みんなが幸せ、夢ランド~。笑顔でいっぱい、遊びましょ! るんるんるんるん、ドラゴンランド~。竜は、みんなのアイドルよ~。がおがおがお~♪』
コンデッサは、ドラ・ニャンニャンへ語りかけました。
「……なぁ。さっき、空の上から壁の中の景色が見えたよな?」
「ええ」
「中にあるたくさんの建物とか、いっぱいの人とか、騒がしさとかを考えるに……ここって、やっぱりテーマパークや、遊園地とかじゃないのか?」
「違います! そんなはず、ありません。ドラゴンランドは、竜の秘宝が眠る、神秘の地なのです。不用意に近づいたりしたら、大変なことになるのですよ! ぜったいぜったい、恐るべき場所なんです」
ドラ・ニャンニャンは、叫びました。シッポがビタン! ビタン! ビッタ~ン! と地面を3度たたきます。
「コンデッサ、門のほうをちゃんと確認してください。門の前には、立派な門番が、2人も立っているではありませんか!」
「どう見ても、あの人たちは単なる入場券のチェック係だよ」
コンデッサとドラ・ニャンニャンは、門に近づきました。
門番さん(?)は、笑顔で歓迎してくれます。
「可愛いお嬢さんがた、いらっしゃい! ドラゴンランドへ、ようこそ。入場券はあるのかな?」
「いいえ」
「……………」
コンデッサは首を横に振りながら、返事をしました。ドラ・ニャンニャンは、黙ったままです。
「お嬢さんがた。入場券は、あちらのほうで販売していますよ!」
「分かりました」
「……………」
コンデッサは頷きながら、返事をしました。やっぱりドラ・ニャンニャンは、黙ったままです。
入場料は1人につき、1000ポコポでした(※)。
ドラ・ニャンニャンはお金を持っていなかったため、コンデッサが2人分の料金を支払いました。
「…………コンデッサ」
「なんだい?」
「ありがとうございます」
「どういたしまして」
※〝ポコポ〟はボロノナーレ王国のお金の単位です。1ポコポは、皆さんのお金でいうところの1円と、同じ価値があります。
つまり、『1000ポコポ=1000円』ですね。
ドラ・ニャンニャン「ドラゴン通貨なら、持っているんですけど」
コンデッサ「でも、それはドラゴン・エネルギーの購入にしか使えないんだろ?」
ドラ・ニャンニャン「そうなんです。ゴメンナサイ」
コンデッサ「ま、気にするな」
 




