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閑話 ダースとムス2

「ムス、バース領に引っ越してくる気はないか?」


「ええ!?」


「優秀な人材は住まわせる方がいい。税も安くしよう。商売するなら、申請してくれれば、許可をだそう。引っ越しの費用は私が出してもいい」


(ラムの避難場所は多い方がいい)


「え、いや。王都に構えてしまったので、流石に無理かと思います」


「無理にとは言わないが。考えてくれ。ここは寒いが住みやすい。ムスは何かと混血だろう?獣人か?エルフではないだろう?」


「え、、」


 ムスは目を丸くする。


「黒い目は混血のものに多いと聞く。ここは、獣人もエルフも精霊使いもいるし、別に珍しくはない」


(ここが、異常と言えば異常で獣人である猫や狼の姿をした者と人間が結婚したり、エルフも住んでいる。多種多様の生活区があり、実力がありギルド登録している家族がいれば、親族は住める仕組みにしたため、結果、様々な種族が住む地になった)


 獣人とは人に動物の特徴が現れている種族。尻尾や耳が現れていることが多い。狼なら力が強く、猫なら素早く、犬なら連携がやりやすいなど、様々。また、モンスターを調教し、使役するモンスター使いも住んでいる。そのため、容姿は様々。本来なら、人間嫌いなエルフ、人間の容姿に莫大な光魔法の適正に耳が尖っているのが特徴なのもいる。


「ええ!?エルフは見たことありませんけど、ここで獣人を見たことありません」


「当然だ。まだ種族に隔たりがある。バース領はないが、王都にいくほど珍しい獣人は危険だ。観光や短期滞在者には明かさない。移住区をわけている。中央は両方の種族が行き来可能だが、通行証もいるし、両方商売している店にも目印をつけている。王都の連中が来る時は秘匿し、信頼に足る者しかいれないことにしている」


(悲しいが、まだ珍しい雰囲気があり、なかなか王都では受け入れられてない。意識は変わってきているが、それでも王都にいる種族は少数である)


「ーー秘匿ならわかるはず」


「エルフと精霊の秘術を使わせてもらっている。技能ではわからない」


「秘術って、、」


「通行証があって初めてわかる。そういうもので、迷いの森を知っているか?」


 迷いの森は邪な者や迷いがある者が入ると一生出口に辿り着かず、毎日道が変化し生きている有名な森だ。


「知ってます」


「あれと同じようにした」


「え、、。待ってください」


「ああ」


(一気に言ったから混乱しているな。ーーー無理もない)


 ダースは頷き、ムスの考えがまとまるまで待つことにした。


「まず、侯爵様はエルフと精霊王と知り合いですか?」


(まず、それからか)


「エルフの里で少々、問題があり解決をした縁と精霊王様は土地柄だな。それで懇意にしている」


「わからないから、本当にそうなのか、、。うーん」


「町を見たいなら許可を出す。ラムに案内させよう。ラムを心配している者も多い。顔見せにはちょうどいいだろう」


(畳み掛けた方がいい)


「見せてくれるの!?」


「ああ。特別に。ムスは混血なのか?できれば言ってもらえると先に苦手な種族は避けさせるが」


(獣人の猫は本能的に犬が苦手。鳥族は人魚の種族が苦手等、種族的にあるものはある。諍いをなくすために、避けられるなら、避けた方がいい)


「あーー、ヴァンパイアの血が混ざってます。少しですから影響はないです」


「ーーふむ。魔力の多さは遺伝か」


(ヴァンパイアはエルフと同じで魔法に長けた者が多く、魔力も多いときく。ただ、ヴァンパイアは少数一族らしく、数が少ないときく。生態系は謎でひっそりとどこかで暮らしているらしい。見た目は人と変わりなくみえる。普通に暮らせるなら、申告しないだろう)  


 ダースは思案し、頷く。


「私は多すぎるとは言われてますが」


「わかった。帰ってきたらラムを通して言ってくれ。通行証は用意しておくから。何日もみたいなら報告してくれ。門番に伝えておこう」


「ありがとうございます」


「何か聞きたいことはあるか?答えられる範囲で答えよう」


「でしたら、ダイヤモンドダストを見られる場所にいきたいです。噂では光の柱もできて壮観だと聞いてます!何でも限られた日しか見られないと」


「ーーああ。あれか。朝しか見れないから、ラムか私が必要だが、、。ラムと行くといい。場所は知ってるが見られるのは稀で運が絡む。近くにモンスターの群がいたら討伐する必要も出てくるから、滞在許可はいくらでもだそう」


「ありがとうございます!」


 ムスは頭を下げる。


(明らかに嬉しそうに頭を下げたな、、。土地柄の植物や鉱物をみせたら喜びそうだな、、。先に囲い込んでしまってもいいが、、)


 ダースは考えながら思考を巡らせる。


「他は?」


「特にはありません」


「そうか。なら、何かあれば相談にのろう。帰るか。ーーサラマンダー」


「ん?終わったか。解除する」


 サラマンダーがダースの肩に現れて頷き、周囲の結界を解く。


「あーー」


 ムスが1点を見つめて、声をあげる。


「ムス?何か?」


「いえ、モンスターが来そうかな、と。まだ、先ですが敵意があります。町の外です」


「門番がいるから心配するな。来たら消し炭になるだけだ。行くぞ」


(大物がいたら連絡が入る。入ってないということは対処できるということだ)


「は、はい」


 ダースは軽く微笑み歩き出す。ムスも後ろについていき、屋敷で2人は別れたのだった。

今回でダースは終了です。

これは3章に向けての伏線になります。

次はペディロです。

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