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閑話 ダースとムス

少々、閑話を挟みます。

ダース、ペディロは挟みます。ギース、アルマはお待ちください。

 ムスがガーディソード侯爵にお世話になっている時のことーーー


 ムスは用意された寝室から部屋を出た際


「お疲れ様です、侯爵様」


 執事であるレオナルドが頭を下げていた。

 ちょうど廊下から帯剣をしている金髪の短髪、ブルーの瞳は海のように澄んでいる。顔立ちは目鼻立ちが整っている美形。間違いなく、この領のガーディソード侯爵であるダース・ガーディソードが廊下を歩いているところだった。


「こんばんは」


 ムスは挨拶して頭を下げる。


「ムス、か。今、時間はあるか?」


 にっこりと微笑むダース。


(ちょうどいい。こちらの意見を伝えておこう)


「あります。何様でございましょうか?」


「そうか。ついてきてくれ。武器は携帯していていい。少し話をしよう」


「わかりました。少々お待ちください」


 ムスは腰にホルスターにいれた銃をベルトに通す。


「お待たせしました」


「上にはいないのか?」


(コーグがいない)


 ダースは頭の上によく乗っている闇精霊のデネブラがいないことに気づく。


「今、出かけています。呼び出しはできますが、呼んだ方がいいですか?」


「いや、いい。外に出るが、、服装はそのままでいいか?」


「え?」


 ムスは目を丸くする。


「気温は気にしなくていい。魔法を使う。その格好でいいのか?」


(部屋で話すと思っただろう。伝えておかないと驚くな)


「あ、はい。動きやすいので」


 ムスは自分の服装をみて、考えてから頷く。


「行こう」


 ムスがダースの少し後ろについていく。


(隣に並んで歩いても文句は言わないが、、、。平民は貴族と並んで歩くことはマナー違反。所作は平民にしては綺麗。礼節ありということは、店として学んだのか、昔から教育された、か。どちらでも好都合ではある)


 ダースは後ろに気配があるのを確認しながら、裏口から外にでて、森へとむかう。

 




 どれだけ歩いたか。

 夜の森は暗い。鬱蒼と茂る木々は、月明かりさえ遮り、木々の隙間から星が少しだけ地上を照らす程度。ダースが火の魔法で辺りを照らさないと周囲が見えない程の暗さ。音は寝静まっているのか、虫の音、動物の音がせず、2人が歩く足音のみ。


「ーー侯爵様、道に迷ってはいませんよね?」


 後ろからムスの不安げな声が聞こえる。


「大丈夫、土地勘はある。人がいない場所で尚且つ聞こえないところ。この辺か」


 2人の真ん中に手のひらサイズの火の玉を浮かべ、進んでいく。

 暫くして、ダースは振り返る。


「?聞かれては困る話ということですか?え、わ!急に振り替えらなくても」


 ムスは驚いて立ち止まり、慌てて距離を取る。


「サラマンダー」


「どうした?」


 ダースの肩に槍を手に持ち、トカゲのような身体をもつ火の精霊、サラマンダーが現れる。


「見張りと防音、目隠しを。聞かれると困る」


「わかった。後はお二人で。解除する際は知らせてくれ」


 サラマンダーは姿を消すと辺りに精霊魔法が使われた気配がした。

 2人の周囲約1メートルの範囲指定で展開されていた。


「ーー!精霊魔法」


 ムスが周囲を見回す。


(精霊魔法が使われた気配はわかるだろうし、多分、範囲もわかっているだろう)


「ムス、ここでの話は他言無用。私も言わない。だから、なるべく正直に言って欲しい」


「は、はい」


「妹を嫁にと言われたらどうする?」  


「ーーーえ?」


「ラムを嫁にやると言われたらどうする?」


「は?え、えぇぇぇーー!?え?な、ラムは侯爵令嬢でしょ!?平民に嫁にやるとか、からかってます!?だ、大丈夫ですか!?酔ってますか!?頭、しっかりしてますか!?」


 ムスはわたわたとダースの周囲をうろうろと調べ始める。


「ありえない、ありえない、ありえない!毒飲まされてないですよね!?」


(この慌てよう、、。ラムがムスを気に入っているのは悪意がないからだな、、)


「至って正気だが?調べればいいだろう」


「失礼します!!」


 ムスはダースの周囲を回りながらじっくり見ている。


「ーー異常状態ない、、」


 ムスは愕然と呟く。


「落ち着いたか。返事は?」


「え、、あ、う、、」


 ムスは考え込む。


「まず、ラムの気持ちが一番では?もっと。うーん、18歳らしく遊んだり、おしゃれするのが先ではないですか?何か思い詰めてるような、切羽詰まっているような、余裕がないというか死地に向かうような覚悟がある気がします。普通の18歳ではないような、、異常に戦闘慣れしていますから」


 ダースは目を見張る。


「?そんなに驚きます?」


 ムスは首を傾げる。


「ラムをしっかりみているな。妹はおしゃれや遊びにあまり興味を示さない。欲しいのは魔法と、、甘い物か。可愛いのは好きだが、欲しがらない」


「欲しがらない?え?私の装飾品は欲しがりましたけど、、?」


(妹が欲しがった?珍しい)


「ーー余程、好みに作ったな。買わせるのが難しいぐらいだ」


「そう、ですか、、」


「で?嫁は?ムスの気持ちは」


(はぐらかさせない。あれはラムを思った意見であり、ムスの本心を聞いてはいない)


「え、あ、う、、」


 ダースはムスの言葉を待つ。


「ーーー可愛いし、話も合うし、味覚もあうし、一緒にいて何不自由してません。ほっとけない、目を離したら怪我して酷い目に合いそうで、そんなのは嫌です。ラムは幸せになるべきです。良い人で優しいのだから。私はその、、だ、大事。ラムはとにかく大切です!好きか嫌いかで言えば、大好きです!笑っていて欲しいです!」 

 

 ムスは顔を赤くして叫ぶ。


「ほう、、」


(これは脈ありそうだな。恋愛経験もなさそうだし、レオンに身辺を探らせてみるか)


「本気になったら相談するといい」


(こちらは片付いた後はーー)

ダースは割とムスを気に入ってます。

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