模擬戦
アーマラは槍を構え、ムスは仕方なく銃を構える。
(何でこんなことに)
ムスはやる気がないが仕方なかった。
2人共位置につく。
シューテルは合図をするために、訓練所の真ん中についた。
ラムはコーグを撫で回しながら、座ってみている。
(コーグもいないし、本当に自分だけだと大変)
「ムスー!ファイトー!」
コーグはラムに撫でられながら、にこにこと笑っている。
(声援あっても、本気は出さないからなコーグ)
「では、始め!」
シューテルが合図をすると、アーマラが動く。
「ですよねー」
アーマラは50歳代とは思えない速さでムスとの距離を詰める。
ムスは遠距離なので、距離を詰めるのは当然である。
(遠距離相手に近距離は詰めるのが正解。魔法使いの場合は俊敏がない。加えて詠唱がある。その間に詰めて攻撃を伺う、、。後は距離を詰める近距離は目や感が良い。普通に撃ち込んでも回避されるから絡め手が必要)
ムスはアーマラを狙わずに後方へ弾を撃つ。
パンッ、パンッ
銃声が響く。
弾丸が真っ直ぐ飛び、アーマラの右頬を掠める。
アーマラは後ろを振り返る。
(確認するタイプか!警戒されてるなぁ、これ。うまくしないと傷つけられない)
一応、余所見をしたため、普通の銃弾を撃ち込むが1発も当たらない。
(うーん、音だけで回避されてるから、強いよこの人)
アーマラは後ろが凍結していくことに足を止め、目を細める。
(手数を増やさないと駄目だな。とりあえずそうしよう)
氷の鋭い結晶がアーマラに向かって、飛ぶ。
「ほう、これは、成長する氷ですか」
アーマラは軽く十数個の氷を払い、ムスに注意を向ける。
氷の結晶の間を縫いながら、ムスに接近する。
「えぇ!?普通ならこれで諦めるのに。弾は安くないし、合間から来られると困る」
(まってまって。普通回避無理なのに!迫ってくる!)
ムスは慌てて手元で弾を変える。
違う弾をセットして、自分の左右に撃つ。
弾から光がムスとアーマラを遮るように出現する。
それを見て、アーマラは跳躍。一瞬で光の壁を突破する。
(対応された。3メートルあるのに!ギリギリで跳躍されて、勢いも殺せなかった)
「アーマラさん、こわっ!ちょ、歳の割に速すぎでしょ!」
ムスは慌てて弾丸をアーマラに撃つ。
「ちょ、やっぱり回避するよね!?」
(近距離なのに、当たらない)
ムスが撃った弾は普通の弾丸。魔法は発動しないもの。
「ムスー!コーグいないから、魔法は撃てないよー!対策、対策!」
コーグはラムの膝の上を飛び跳ねて応援している。
「普通の弓とはまた違う効果もありと、器用そうな武器、、。よし、入った」
アーマラは槍の間合いにムスが入ったため、薙ぎ払う為に槍をふるう。
ムスは慌てて銃を腰のホルスターに仕舞って避ける。
(弾を変える時間はない。邪魔)
「このっ!」
避けて、槍の上に乗る。
ムスは思いっきりアーマラの槍を蹴って捻って空中へ。
「ほう、拳闘士の技か」
(驚きもしない)
「やっぱり槍使いには効きませんよね。でも、これで」
ムスは魔力の塊を出す。範囲は適当。とりあえず下に向けてと大雑把だ。
「とりあえず、適当で巻き込む!」
ムスは範囲指定できないため、アーマラがいる地面全体にぶつける。
「むっ」
アーマラは槍を横にして防御の構え。
訓練所全体に魔力の圧力がかかる。
ミシッと音がする。
(防御の構え取られてるからダメージはないかも)
「私は効かないけど、皆きつそう」
「コーグも効かなーい!」
ラムは魔力が多く、コーグは精霊だからだ。
その重圧がかかる中、アーマラが動く。
(え。動くの!?)
魔力の圧がかかる中、槍をムスに向けて突く。
ムスは慌てて回避する。
「あー、もう、降参でー。大体わかっただろうし、俺、体力ないから、、」
(やられるなぁ、これじゃあ。他は使いたくないから諦めよう)
息を切らして、両手を上げる。疲れたのは本当のようだ。
(久しぶりに拳闘士の技を使って疲れた。母さん、体力だけはあるし)
「では、訓練を終了でいいか?アーマラ」
「ええ、大体、わかりました」
「では、これで終了する」
シューテルが終了の合図をする。




