アルマさん
ーーーーー2人は目を開けるーーー
噴水に、檜で作られた椅子にテーブル、上にパラソルまでつけられた、椅子にテーブル。
脇にはティーセットが置かれて、茶葉を置く檜の棚まであった。
精霊達が休憩所の周りを飛びまわり、警戒している。
「おかえりー!」
コーグがムスの意識が戻ったのを確認すると、ボヨンボヨンと嬉しそうにムスの頭の上で飛び跳ねる。
「ただいまー」
ムスがコーグを捕まえて撫で回す。
「ただいま。みんな、大丈夫だよ。戻ってきたよ」
ラムは旋風を起こしながら、その中心に幼子の形が薄っすら見える、気まぐれと有名な風の精霊、シルフに声をかける。
「戻ってきたー!!」
シルフがにっこり笑って、元気よく空に飛び回って精霊達に知らせる。
周囲を飛び回るサラマンダーやヴォルト等の精霊達はシルフの声を聞いて、下に降りてくる。
また、ダースとギースは精霊達の様子をみて、戻って来る。
「2人共、どうだった?」
ダース、ギースが戻ってきてからジール王子が2人に問いかける。
ムスとラムが顔を見合わせてムスがラムが説明してと目配せする。
「見つけました。神殿の給仕係をしてました。ジール王子、心当たりはありますか?」
ラムはじっとジール王子をみる。
半ば睨むようにラムはみていた。とても恐ろしい。
(ラム、こわっ!!疑いの目がある)
「やったー!!ばんざーい!!」
「「「「ばんざーい!」」」」
精霊達は喜び跳ねている。アルマが見つかったのがとても嬉しいらしい。
「王家は最近は慌ただしかったが内部争いはない。モンスターが活発化しているだけだ。戻らない理由はわからない」
ジール王子は首をふる。
「暗殺者いるって、父さんが言っていたが」
(父さんも言ってたけど、ラムも言ってたし、俺も変な感じしたし)
ジール王子の言葉にムスが言葉を重ねる。
「ほう。ムスの方が情報通だな」
ダースが言葉を重ねる。
しかも、ジール王子を睨み圧力をかける。
「それは一部のみの情報のはずだが」
ギースが訝しげにいう。
「いい。ムスはわかる。ペディロから鍛えられているし、王宮にも来たからわかるさ。悪意に敏感なコーグを連れているから尚更だ。むしろ、わからない方がおかしい。
ーーーもう、いいだろ、ムス。話しにくくて敵わない。知らないふりは限界がある」
「ええーー」
ジール王子はダースをちらりと見た後、ラムもみる。
ムスだけ不満そうな声をあげる。
(知り合いは黙ってて欲しかったのに!!)
「しかも、ガーディ・ソード侯爵もムスの肩を持っているじゃないか。私に勝ち目はない。時間の問題だ」
「コーグもそう思う!」
コーグはムスの頭の上で飛び跳ねる。
(急に大人しかったコーグが飛び跳ねて言っている!)
「まぁ、いいけど。俺の親が国王と知り合いだから、子供の頃に合ってる。友達だけど、王宮に関わりたくない。俺は平民だから。後は面倒で隠してる。以上!」
ムスは仕方なく話し、自分でうんうんと頷いている。
「信憑性は?」
「ペディロさん、私と同じく大魔法使える。強いし、闇魔法は私より威力高い」
「ほう。魔法師だとすると、ありえなくないか。ジール王子、私はムスの肩を持ってはいない。正確にはラムの肩をもっている」
にっこりとダースが凄みのある笑みを作る。
後ろからオーラが出るくらいに。
「その時点で勝ち目はない、、。ムスと私の説明はこのくらいで。暗殺者はいるが、それは最近捕まえた。王妃狙いのコーディ伯爵だ。既に処分もしていて問題はない。アルマの居場所は?」
(犯人わかったなら、安全だ。よかったよかった。)
「港町ウォータの神殿。私が迎えにいく。兄さん、お願い」
「ああ、約束だ。護衛をつけよう。四人か」
「結界壊れてるかもだから、魔技師同伴追加で。俺も行く。気になるからね。神殿に入れるように口実をよろしく」
「ふむ」
「何!?結界が!?」
「わかった。ムスの同伴を認める。私も」
「ジール様は駄目です。山のような書類に王宮が不安定で、クローディア皇女の処置があります。不可能です。ムス、結界の状態は」
ギースがきっぱり、現実をジールに突きつける。
「ぐ、、全て終わったら転移で」
「神殿は弾かれるから無理。結界は解けてはないと思いますが、処置をしないと危険だと思います。本来ならもっと強いのに弱かったので。守護者は補強しているでしょうか、間に合ってないのか、根本的に結界が壊れる予兆と思われます」
(大事になる。結界は壊れたら封印が解かれて、大変なことに。ちょっと、勘弁して欲しい)
「直せるのか?」
「魔技師なら。壊れている場所はわかります。封印は魔工品の応用なので。ただ、時間との勝負になりますから、魔力多い方が有利なのでいきます。壊れる前につく必要があります」
「ジール王子」
「ムスに任せれば大丈夫だ。紹介状を書こう。ウォータ神殿の守護者に先に知らせを出す。暫く待っていてくれ。もう、時間か?」
「時間ですね。王都へ」
ギースが頭を下げて退出を促す。
「すまない、後で精霊に遣いを出す。詳しくは後でだ。もしくは王都で」
ジールは白い球を取り出し、魔法を発動させる。
魔法は《空間魔法》(テレポート)だった。ギースとジール王子は姿が見えなくなった。
「いきなりだね」
「忙しいみたいだな」
ラムとムスは顔を見合わせて頷く。残された三人は困惑している。
「いなくなったー。難しい話し終わり?遊ぼ??」
山のような精霊達がラムとムスを見つめている。特に精霊達はムスと遊びたいらしく、近寄ってきていた。
「ムス、ラム、遊んでやってくれ。騎士は私の方で選抜しておく。ラム、ムスと一緒にいくでいいな?」
「いいよ」
「では、他のメンバーを見繕っておく。急ぎだろう、準備するものも全て用意しておこう。明後日に出発しよう。間に合わせる」
「ありがとうございます」
ムスはダースに頭をさげる。
「わかった」
二人の返事を聞いてから大きくダースは頷く。
「では、失礼する」
ダースが部屋から去ると精霊達とラムとムスが残った。
「用事終わったぞー!遊ぶかー!!まずは皆の話を聞いてからなー」
「「「「「「わーい!!」」」」」」
ムスとラムは精霊達に囲まれる。
皆、遊びたかったようだった。




