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バラーヤイヤーのギルド

 家が1軒ほどのシンプルな木造建築の建物の中にラムとムスとコーグは入る。

 中は王都より小さく右側には掲示板が貼られていて、依頼が並んでいる。

 ムスとラムは掲示板を見る。


「ーーないね」


「うーん、空振りか。ちょっと受け付けに聞いてみる」


 ムスが受け付けに話を聞きにいく。


「すみません、人を探しているのですが、金髪のショートカットで空色の瞳をしている16歳ぐらいの女性見てませんか?」


 ムスはギルドリングを出して受付にきく。


「人探しですか。ご依頼は掲示板に貼られているものだけです。そうですね、、、。先程の商人が滝の方で若い女性を見たといっていました。貴方がたが探している人かわかりませんが」


(滝の方だと、ここから東。地形は岩場だから身を隠すにはいいけど、植物は少なめ。釣りをしながらなら、生活はできる。今、不安定だから、盗賊が住み着いていたら大変だ)


「他に情報は?」


「今のところそれだけですかね」


 コーグはぴょんぴょんと跳ねていて、振動がムスに伝わるが、表情を変えずに受付にお礼をいう。


(コーグ、暇だからって跳ねないでほしい)


「わかりました。ありがとうございます」


 ムスはすぐに戻ってきた。


「ないらしい。東側に若そうな女性の人影をみたって人はいるけど行ってみる?遠目だったし、走っていたから、容姿はよくわからなかったようだけど。急いでいたのは確かだって。商人さんが覚えていたみたい」


「ーーそれしか、情報がないなら。滝がある方だよね」


「そう。入り組んでいるから、モンスターも多いし、今だと変な奴がいるかもしれない」


「注意して1日だけ探そう。食材はモンスター狩ってくれればある程度料理できる。お米とパン買おう」


「コーグ、戦い得意!任せて!」


 ムクッとコーグが起き上がって、空に伸びをする。


「うん、お願いするね」


「じゃあ、行こうか。俺も弾はあるし、大丈夫。逃げの判断だけ間違えないようにしよう」


「そうだね。確認できたら、帰ろう。帰りの《空間魔法》(テレポート)は陣だけ書いて持ち歩いているから、発動すればいつでも全員で逃げれる」


「固まって動こう。コーグに防御は任せて、パンとじゃがいもとお米ね」


「じゃがいもー!」


(喜びの飛び跳ねするのはいいけど、振動すごい)


 ムスは振動を耐えている。声をかけると不審に思わるからだ。

 コーグはじゃがいもと聞いて嬉しそうに飛び跳ねている。


「えーと、売店はギルドから西側だからいこう」


 ムスが先導してギルドを出る。ラムも後ろについていく。



ーーーーー数時間後ーーーーー



 コーグ、ムス、ラムはギルドから言われた通り東門から外に出た。

 暫く歩いていくと、広がるのは道が整備された野原。所々に雑草が生え、奥の方にはゴツゴツした岩壁が見える。この先、岩場の道になるようだ。


「コーグ、ふっかーつ!」


 町中でおとなしかったコーグが大声を上げて、ラムとムスの間に入る。

 門は小さくなり町から充分な距離を離れ、周囲には誰もいなかった。

 身体を伸び縮みさせて、浮いている。


「コーグ、こったの?」


「コリコリだよー。張り付いているのはいいけど、警戒してるもん。町中は仕方ないけどねー。変な奴に捕まるのいやー。疲れたー」


「そうなの。私の頭の上に乗る?」


「コーグ、重量あるから重いからやめた方がいいと思うけど」


(5キロぐらいあるけど、大丈夫かな)


「わーい!」


 コーグは気にせず、ラムの頭の上に乗る。


「うーん。ふわふわ」


「ふわふわコーグだよー。重い?」


「思ったより、重量が」

 

 ラムはふわふわの毛並みに満足していたが、疲れてきたのか頭が下がっている。

 

(やっぱり重いよなぁ)


「ほら。コーグ、こっち。おいでー」


 ムスが気を使ってコーグを自分の頭の上に乗るように呼ぶ。


「わーい!」


 コーグはムスの頭の上に収まる。


(俺は慣れたけど、普通は重いよなぁ)


 コーグは機嫌よくムスの頭の上で寛いでいる。


「いつもの場所ー。あ、そろそろ岩場だよー」 


 2人が岩場に近寄って身を隠す。


(さらっと《見破り》使ったけど、モンスターの反応が疎らにあるぐらいかな。この辺は狼系と人型系が多いからそれかなぁ。偶にヤギもいるが)


「んー。いないな。ラム、こっち。俺、索敵の技能あるから、モンスターはわかるから」


(モンスターは避けよう。争っても利益はあまりない。ギルド依頼なら別だけど)


「人は?」


「いないけど、相手が隠密上手くて敵意向けてないとわからないかな。警戒していた方がいい」


(人は隠密スキルが高いと偶に引っかからないから、気をつけよう)


「コーグもいないよー。防御すぐするからね、ラム、ムス」


(コーグもいないなら、魔法では隠れてないみたい)


「わかった。詠唱準備いつでもいいよ」


 ムスが先に先導しつつ、岩場を歩き始める。

 コーグは耳をぴょこぴょこ動かしながら、警戒する。

 ラムはムスから離れないように歩いていく。すぐに魔法を使えるように慎重に着いていく。

 人影がないか確認しながら、ゆっくりと探し始めた。

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