スープパスタ
すみません、バタバタしていて遅くなりました。
「ムスー!!ご飯だよー!!」
「んー、、うわぁ、、視界が揺れる、、」
(コーグが跳ねてる、、)
ムスは作業場のソファーに寝転がり布団を掛けて寝ていた。
直ぐ側の作業机が揺れている。コーグがムスのお腹の上でボヨンボヨンと跳ねていた。
「スープパスターー!!スープパスターー!!たー、べー、よー!!」
コーグはにこにこと嬉しそうである。
「ムス、起きたか?コーグは元気のようだな」
「ペディロおはようー!ご飯だよー!」
寝ぼけているムスは跳ねているコーグを抱きかかえて起きる。
「おはよう、コーグ、ムス」
「おはよう、父さん、コーグ。起きたから、跳ねるのやめて」
コーグははっきり言わないとまだ跳ねようと脱走するので、コーグの頭を撫でる。
「うん!わかった!」
コーグは大人しくなり、ムスの頭の上に乗る。
「ムス、今日は王宮に出かけることになった。出かけるつもりか?」
ペディロは既に黒いスーツに見を包み、外出スタイルだった。
(昼間から出ていくの珍しいなぁ)
「うん、鱗をみてほしいからソーマスのところにいくよ。魔針の材料になるか確認したい。ギルドにも顔を出そうと思っているよ。ラムの妹さんがいるかもしれないし」
「わかった。ラムさんと一緒にいきなさい。王宮から手紙がきた。戦争が起きるかもしれない」
ムスは戦争という言葉に目を丸くする。
「!?何があったの?」
「ラスティー王国の女王様が亡くなられた。国内クーデターだそうだ。御息女は逃げたようだが、無事か不明」
「!!皆は?」
(ラスティー王国に友がいる)
ムスの顔に黒い長髪の気の弱い柔和な男性の姿が思い浮かぶ。
「大丈夫だ。あちらの密偵は皆無事だ。逃げるのは簡単。全員一度、隠れ家に戻る予定だ。襲われているという報告はない。大丈夫だろう」
「よかった、、」
ムスは胸を撫で下ろす。今すぐ危険が迫ることはないようだ。
(だけど、情勢不安になるから、外に出歩けなくなるかも。まず、ソーマスのところに魔工品を大量に置いてこよう。後は知り合いの商人。魔技師仲間とも連絡を取って、、。中々、連絡が取れなくなるかもしれない)
「今日は店を閉めよう。帰宅したら情報を伝える。ユリアにも伝えておく。駆り出されても困るが、仕方ない。ムスもくれぐれも気を付けて。今回は武装もしっかりして、魔法で移動しなさい。その無駄に多い魔力をラムさんに利用して貰えばいい」
「コーグも護る。戦争嫌い。速く平和になる1番!」
コーグはムスの頭の上でやる気満々に頷く。
「ありがとう、コーグ。まだ、起こってないからいいけど。戦争は勘弁。利己的な我儘な理由でお家騒動で荒れるのはごめん。貿易に和平条約までもう少しだったのに。王女様いい人だったから、脇から刺されたのかぁ。はぁ、、。ちょっと、クーデター起こしたやつ、見張るか何かして、締めないと危険じゃない?」
「それは、大丈夫だ。1番強かなやつを見張りにして、報告してもらう。気づけないように、な。暫くは国内が安定しないから、こちらまでは来ないだろう」
「何も無いといいのになぁ。その人が、自滅していなくやればいいのに。無理だろうなぁ。なんで、平和な日常を崩すのか一発殴りたい。顔を洗ってから朝ご飯にいく」
ムスは洗面所にいって、顔を洗って居間に。
「呼んできたー!!」
コーグはムスの頭の上で飛び跳ねていた。
「コーグー。振動すごいからやめてくれー」
(また飛び跳ねてるー。視界が揺れるー)
ムスはぼよんぼよんとされているため、頭が揺れていた。
流石に疲れた目をしている。
「スープパスタ美味しいよ。ムスも食べるべき」
コーグは飛び跳ねるのをやめて、大人しくなった。
ムスと、ペディロ、ラムは席につく。
「おはよう、ラムさん。コーグが騒がしくて申し訳ない」
「いいえ、大丈夫です。むしろ、元気でいいと思います。本日ペディロさんはお出かけですか?」
「そうだ。少々、呼び出されてしまったから、移動することになった。室内に跳ぶから日光は関係はないが、なかなかやっかいな問題らしい」
「私もいきましょうか?」
「いいや。大丈夫だ。それより、ムスについててくれ」
「ムスに?」
ラムは首をかしげる。
「ムス」
ペディロがぐったりしているムスに視線を投げかける。
自分で説明しなさいとペディロが促している。
「あ、うん。ラム、隣町にいってギルド依頼を見てみない?人攫いの情報あるかもだし、俺の魔針の注文は隣町でしてるから、どっちみちいかないといけない。昨日入ったワイバーンの素材を届けてみて、制作依頼もしたいし、鱗加工の見本あるか、実物も見たくて」
「そうなの。もちろん、いく。アルマの情報は少しでも欲しい」
「よかった。コーグ、スープパスタ食べたらでかけるよ。ラム、俺の魔力で飛ばして欲しい。町の名前は[バラーヤイヤー]」
「わかったー。ラムと一緒ー!」
コーグはムスの頭の上で頷く。
「コーグ、よろしくね。鍛冶屋が有名で盛んな町。特に優秀な者を揃えている町だね。いったときあるから、大丈夫だよ。だけど《空間魔法》(テレポート)を使う必要性は?」
「それは、隣の国でクーデターが起きたらしい」
「え」
ラムは目を真ん丸にする。
「場所はラスティー王国。女王が何者かに撃たれた。女王様はこちらとの和平を長年望んでいたし、もう少しで調停を結べるまで漕ぎ着けた。商人達も商売の話で持ち切りで喜んでいた。そんな中でのクーデター。反対派が強行突破したようだ。戦争にはならないだろうが、御息女も行方不明。生きていればいいが、亡くなっていた場合は両国関係が危険な状態になるかもしれない。これは、慌ててラスティー王国から逃げてきた商人達の話だ。先程、遠視したが確かにクーデターが起きていて、死体の山だった。女王様、賛成派はかなり多かったはずだ。不意打ちされたに違いない。王室も大騒ぎだろう」
「そんな、、」
(ラムのバース領はラスティー王国と隣接している。心配だろう)
「ペディロさん、速達で兄に連絡をしたいのですが」
「ああ。したほうがいい。ムス、紙鳥使えるだろう?透明をかけて、魔工品にしなさい」
「ラム、普通サイズの折り紙でいい?」
「うん。それでお願い」
(手紙は長文を書くつもりはないみたい。心配してそうだけど)
「はい。ペンはこれ使って」
ムスは素早く陣をかいて、紙を出した。
書くものはいつも身につけている万年筆を渡す。
「ありがとう」
ラムは素早く受け取り、すらすらと書いていく。
すぐに書き終わったようで数分で返された。
「これで」
「うん、血は繋がった兄妹?」
ムスは手紙を鶴の形に折る。
「うん」
「じゃあ、血縁者のみ見えるようにして飛ばす」
ムスはラムの手紙の裏に、魔法の陣を描く。まずはに矢印をかいて《空間魔法》(テレポート)の陣、さらに血縁者のみ見えるように《透明魔法》(クリア)を刻み、条件発動、鍵のマークを刻み血縁者除外を刻む。
「発動」
陣を発動させて魔法を完成させると、すぐに消えた。
「これで、大丈夫。よし、ご飯!」
ムスは元気な声をだす。
「はい、スープパスタとサラダよー」
ユリアが元気に朝ご飯をテーブルに並べる。
「スープパスター!」
コーグは目をキラキラさせる。そして、自分の席に座る。
「わー!美味しそう!ラム、さすが!」
ムスは笑顔でスープパスタを見ている。
「ほう。では、いただきます」
「ほら、ラムちゃん!」
「あ、はい」
ラムは自分の作ったスープパスタを食べる。
「美味しい。コーグが騒ぐのわかる」
「でしょー。ユリ母さんのも美味しいけど、スープパスタ美味しい!」
「あら、美味しいわね!」
コーグとムスに褒められながら、楽しい食事の時間は過ぎていった。




