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作戦開始

 4人とコーグはムスが4人分の飲食代金を支払い、お店を後にする。

 現場近くの路地に入ったところで、人に見つからないように建物の影に隠れる。

 ユリアは見張りとして、通路側を見張る。

 

「私が魔法をかけるから、えーと」


「魔力いる?俺はそんなに使わないし。どうせ、散らばっているでしょ?」


「コーグ、使うから半分だよ!」


 ムスの頭の上からコーグがラムに向かっていう。可愛らしく左右に揺れている。  


(しっかりラムの方を見て言っているらしい。聞こえるかわからないが、主張はしている)


「この魔法は繊細だから自分の魔力を使うよ。最初に《透明魔法》(クリア)を唱えます。でも、次の《空間魔法》(テレポート)はムスの魔力を貰って唱えます。ユリアさんは」


「近くで待機するわ。物音が激しくなったり、逃げ出そうとした人がいたら、縄で縛るから安心して」


 声だけラムに伝えて視線は通路から目を離さない。


(こっちは母さんに任せれば大丈夫だろう)


「始めますね。ーー隠せ大事なモノを。見つからない自然な色。《透明魔法》(クリア)」


 ラムが詠唱を唱え終わると3人の身体が透明になっていく。


「飛ばしていいですか?魔法をかけてない人には見えません。魔法を同時にかけた者同士だけは見えます。魔法は間違いなく成功していますし、大丈夫です」


「オッケー」


「はい」


「中に入ると会話は最小限かつ小声にしなきゃいけないから、何か言うことは?」


「ラムは俺の側ね」


「皆さん、慎重にいきましょう」


 2人共言いたいことは言い終えたようなのでラムは集中する。


「運べ、時空を場所をこえ、思い描く場所へ《空間魔法》(テレポート)」


 ラムの詠唱が終わると、3人は敵の本拠地である家の2階で、1番広い部屋にいた。


 


ーーーーー2階にてーーーー

  



 ラムは魔法の成功を感じてから、2人を確認し、部屋を見渡す。

 部屋は広く、真ん中の大きな無駄に高級そうな石テーブルを複数の椅子が囲む。下には絨毯がしかれ、周囲にはどぎつい木が植えてあり、高級そうな雰囲気を出そうとして失敗しており、悪趣味である。

 人は3人ほどおり、会話している。

 1人は強面でイケイケな格好。剣士のようだが、弱い。あまり鍛えてないらしい。

 1人は太っていて悪そうな顔つき。ボスのような風格。しかし、戦闘はできないようだ。おそらく交渉人で話術専門だろう。

 1人は完全に筋肉ムキムキの鍛えている人。太っている人の側を離れないため、ボディーガードのようだ。  

 

(〈見破り〉スキルを使っても大した事ないし、変な物はもってないな)


 ムスは頷いて


「3人共、太っているやつがリーダーで交渉人。筋肉質のやつが1番強い」


 小声で2人に聞こえるように言う。


「んー、弱々しかいないね。なんか、変なのされないように注意だけしよー。モンスターの方が強いよー。スープパスタはもらった!」


 コーグはムスの肩の上で転がり始めた。


(相手が弱くてひまひま状態になっちゃった。コーグ、他に何かいないか、敵はいないか調べてくれるだろうけど、余裕モードだ)


「ボス、お客がくる時間です」


「なら、そろそろ1階にいかないとな。上玉が入ったから、高く引き取って貰わないと」


「何人連れてきます?」


「5人でいい」


「わかりました」


「つけていけば、人質の場所がわかりますね。いきましょう」


 セイジが小声でいう。


「はい。セイジさん、あの太っているやつより細いから全部屋入れそう。音がしないように気をつけて」


 ムスはラムにセイジさんの次に行くように促して、ペンで紙に魔法陣をさらさらと書いて太っている男に投げた。

 その紙は鳥の姿になって、男の肩に乗った。


「念の為に追跡」


 ラムが追加で魔法を唱えようとするとムスが首を振る。


「もう、陣を書いたよ。あのボスにつけたから、大丈夫。人が来たらお知らせが来るようにしたよ。ほら、紙の鳥が飛んでるでしょ?認識阻害しているから、わからないよ」


 確かに太っている人の肩に紙の鳥が止まっている。


「ありがとう」


「ラム、魔法を維持してるから疲れるし。細かい作業は任せてもらっていいよ」


「わかった」


 ラムは頷く。


「2人共、行きますよ。見失います」


「わかりました。ほら、ラム」


「はい。ついてきます」


 3人は出ていった人を追いかけ始めた。

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