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手紙とギルド

 3人が帰るとペディロが出迎えてくれて、ムスとペディロが荷物をしまってくれた。

 冷蔵庫に食材をいれて、作り置きされた料理を持って離れた居間まで素早く移動。

 

「コーグ、今だよ」


 ムスが素早くじゃがバターとレタスとトマトとチーズがあえてあるサラダをテーブルに並べた。


「わーい!」


 コーグはムスの頭の上から椅子に降りて、フォークで刺しながらじゃがバターを頬張る。


「おいしー!」


「よかったなー。俺はサラダを作ってるからゆっくりなー」


 木のボールを用意し、台所の隅の方で切ったトマト、チーズ、千切られたレタスを持ってきた。

 全て綺麗に飾り付けして、台所へ置きに行った。

 

「コーグ、まぐまぐ」


 ムスが戻ってきて笑いながら、コーグの頭を撫でている。


「あー、ラムも精霊見えないのかなぁー。こんなに可愛いのにー」


「コーグ可愛い!わーい!」


 食事を終えたコーグがムスに褒められて、嬉しそうにムスの腕の中に飛び込む。


「よしよしー」


 ムスはコーグと戯れながら、コーグの食器を流しへ片付けて居間に戻る。

 居間に戻ると


「ムス、手紙だ」


「手紙?」


「王宮からだ」


 ペディロがいて手紙を受け取り、裏をみる。


「ジールから?え?指輪の細部変更かなぁ」


「ジールからなの?」


 ムスの腕の中でもふもふしていたコーグも手紙の方へ向き直る。


「急ぎではないけど」


 ムスは手元にあるカッターで手紙を切り、中身を確認する。

 暫く文字を走らせて確認していると


「父さん、ちょっと」


「どうかしたか?依頼か?」


「ジールから、婚約者を探してくれって来た。ついでだけどね。指輪の納期は見つかり次第になるって。まあ、急ぎなのは変わらないからいいけど。少し、品物が店に並ぶような納期にする。よっぽどでしょ、あの婚約者は強いから失踪なんか普通はあり得ない。探すの難航するの見えてる」


「わかった。商売に影響がでないようにしなさい」


「流石に王宮も探しているだろうから、ついでにね」


(彼女はよくある容姿だし、珍しいのは瞳の色ぐらいか。ラムが言っている容姿と同じだから、一緒に探してみよう)


「コーグもよくみるね!」


「ありがとう、コーグ。トニトも探してると思うよ」


「コーグ、トニトと遊びたいし、速く見つけてあげた方がいいよね」


「そうだね」


 ムスが返事をしたタイミングでユリアが元気よくサンドイッチを持ってきた。

 4人は楽しく食事の時間を過ごしたのだった。



ーーーーー数時間後ーーーーー



 ムスは半袖のシャツにズボンの格好。腰に銃のホルスター、ショルダーバッグを肩にかけている。ムスの頭の上にコーグが座っている。ユリアは花柄のワンピース。ラムは黄色いふんわりしたワンピースを着ている。ムスだけしっかり武装していて、ユリアは武装をやめ、ラムは普通の格好だ。

 そんな3人とコーグは家が2軒繋がっているぐらい、大きな珍しいシンプルな木造建築の建物の中、ギルドに3人はいた。

 受付がある部屋の椅子とテーブルに3人は座っている。


「皆、人拐い依頼のやつあつまれ〜」


 ギルマスが呼びかけを始めると数十人のパーティーが集まる。


「ラムちゃん、隣に。誰かに誘われたら殴るから安心してね。荒っぽいのが多いから」


 ユリアはにっこりと笑ってラムの手を繋ぐ。


「は、はい」


 ラムは言われるままについていく。


(絶対にラムの方が強いよ、母さん。ラム、その辺のやつら倒せるから)


 ムスはそう思ったが、ラムが大人しく着いていったので、何も言わなかった。

 ギルマスの周りには何十人もの人だかりができていた。


「みんな、集まってくれてありがとう。今回は人拐いの根城の情報が入ったため、ここにいるメンバーで一気にたたく。そして、取引先まで潰す予定だ。そのため、内部犯の全員無力化に加え、生け捕りが重要になる。適性が高いパーティー、それと参加を希望したメンバーに集まって貰っている。今回は5箇所となるから、2パーティーほど分かれて任務となる。チームわけだが」


 と、任務の内容と目的が始まり、チームわけが始まる。


「『グリザス』はここだ。皆、それぞれ異論は?」


「はい!質問したいです!」


 黒いローブをきた銀髪の少女、モナという魔法使いが手をあげる。


「モナ、なんだ?」


「無力化の方法ですが、相手に魔法は効きますか?」


「確認はとれてない。情報が少なくてな。部屋の間取りだけはある。一応、施設に対しての魔法許可は貰っている。作戦は各々、考えてもらっていい」


「わかりました」


 数十名のチームは話し合いを始める。


「とりあえず、私達もどうするか決めましょうか。決行は3時。まだ、2時間あるわ。間取はこれね」


 ユリアが代表してもらった見取図をみる。玄関と裏口があり、何部屋も小部屋がある比較的大きな家。3階まである。

 『グリザス』が任務を行う場所は目立たない場所にある家で他のチームは参加しない。ギルマスが戦力的にわけたため、3人のみだ。


「裏口から近い部屋で取引するとして、逃げやすい場所にある部屋が怪しいかな。地下室はないけど、土魔法が使えるなら、地下室生成できなくはないから、調べる部屋が多い」


 ラムは思ったより大きな家の間取りを食い入るようにみている。

 ムスはチラッとみて、面倒なことにならなければいいなと思った。


「部屋数も多いから被害者は分けているかも。うーん、だと一気に救出は無理かな」


「いっそ、1階ずつ同時に入って鎮圧する?できなくはなさそうだけど」


「母さん、、。まぁ、できなくはないけど。魔法耐性いたらラムがきついよ?」


「その時は、周りに魔法かけるから大丈夫。魔法耐性は直接攻撃には作用するけど、物体を動かす魔法で投擲すれば、投擲ダメージは入る。30ぐらい投げる物はあるでしょう」


「うわぁ、、、。部屋めちゃくちゃになるね。危なくない?」


(樽や花瓶を投げたら割れて散乱する)


「散乱するから、その部屋が使えなくなるか。うーん、やっぱり凍らせようかな」 


(凍らせたら寒いよ。人質どうなるのだろう)


「中にいる人、寒いから」


「あ!」


「ラムちゃん?」


「屋根だけふっ飛ばして強風ですーってよびかける。慌てて出てくるよ」


「ふっ飛ばした屋根はどうするの?」


「闇魔法でぺしゃんこにすれば証拠なし!安全」


「確かに。安全そう。しかも、大丈夫ですかーって部屋に入って眠らせてしまえば大丈夫そう」


(眠りの弾をセットすれば問題なさそう)


 ムスは頷く。


「いいわね!」


 ユリアも頷く。


「お前らなぁ、、。なるべく建物は残してくれ。みんな、引いてるから」


「え」


 ギルドのメンバーが引きつった表情をしている。


「安全だと思ったのだけど」


「俺もこれならいいと思ったのに。氷の家より安全だし、父さんのとりあえず捕獲してから識別、または燃やすとか、危険極まりない作戦よりいいのに」


(屋根ぐらいいいと思ったけど)


「ペディロさんは例外だ、ムス。あの人はやる時は徹底的に怖い。とりあえず、安全で建物も無事で、逮捕できるやつにしてくれ」


 ギルマスがムスに対してしっかり釘をさす。


「難しいわね。手当たり次第に殴り飛ばすのは駄目だとなると」


「身を隠して内部潜入しましょう。不意の魔法が怖いけど、潜入捜査にぴったりな魔法があるよ」


「ラムさん、なんでそれを先に言わない?」


 ギルマスは胡乱げな目でみる。


「これぐらいの家なら氷漬けしてから、人質だけ魔法解除して救出。他は保存したままの方が効率がいいからです。透明になる魔法は姿だけですから、魔法が見破られないか、移動に神経を使います。何より相手に察知される可能性があります。無駄が多い。人質の安全性も確認は難しいですし、何よりユリアさんは待機するしかないです。あの魔法は服にかけられません。無理でしょう」


「えー、どうなんだクロウ」


「正論ですね。効率がよいのは間違いありません。今回は潜入してくださいね」


 いつの間にかいたクロウは笑顔で圧力をかける。


「だって。作戦決める必要ないね。ムス、一緒にいこう。1人は神経を使うから、すぐに、魔法使えない」


「うん、わかった。潜入してかたっぱしから眠らせるかあ。母さん、外に逃げようとしたやつは捕まえてもらっていい?合図したら救出手伝って」


「わかったわー。ロープが大量にいるわね。他にいるものはあるかしら」


「一応、強い弾を装備してくるぐらい」


(使わないだろうが、念の為に大魔法の弾を持ってこよう)


「私は爆発する薬品」


「家が燃えるから!護身が欲しいなら、俺が庇うからいいよ」


「いいの?」


「大丈夫。そんなに軟じゃないよ。蹴り飛ばすぐらいはするから」


(爆発する薬品に巻き込まれたくない)


 ムスは引きつった表情で頷く。


「コーグにお任せ!ボーンするよ!ムス、ラムを守る!」


 ムスの頭の上にいるコーグは翼をはためかして、アピールしている。


(コーグが庇ってくれるなら、安心)


「なら、お願いするね」


「じゃあ、武器を取りに一旦、家にいっていい?さすがに、強い弾は持ち歩いてない」


「ええ。ロープもたくさんないと。ラムちゃんも怪我しないようにタイツ履きましょうね〜」


「わかりました」


(怪我しないって、母さん)


 心の中でムスは突っ込みを入れる。


「ギルマス、一時戻るわ。作戦開始時間には現地にいるようにする。監査役はいるの?」


「おう。監査役というか被害者は一度教会預かりにして手当してもらう手筈になってるから、聖騎士がつく。お前らのとこはセイジさんがいくから、現地にいるはずだ」


「わかったわ。じゃあ、いきましょう」


「はい!」


「はい」


「はーい」


(セイジさんなら、安心した。安心感もあるし、パニックになった人質を守ってくれるだろう)


 ムスは大きく頷いた。

 3人とコーグはギルドを後にするのだった。


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