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ギルド



 家が2軒繋がっているぐらい、大きな珍しいシンプルな木造建築の建物の中に3人は入る。

 中は広々としていて、受け付けが広い。右側には掲示板が貼られていて、依頼が並んでいる。

 左側には何組かのパーティーが話し合っており、作戦を立てているみたい。

 奥の方には2階に続く部屋があり、ギルド職員が利用する部屋のようだ。

 ムスとムスの肩の上に乗るコーグ、ユリア、ラムは1階の奥に案内された。

 1階の奥は木の椅子と大きめの木のテーブルが置いてあるおおきめな部屋だった。


「まずはお嬢さん、名前は?」


 ギルマスという人が体面に座った。3人は反対側、並びはユリア、ラム、ムスで、ラムに問いかける。


「ラム」


「ラムさんか。まずは、この紙に必要事項を書いてほしい」


 ギルマスが紙と鉛筆を差し出す。

 ラムが書き始めると同時にコーグがそわそわと動き出す。

 ムスの顔に身体を伸ばして小声で話しかける。


「ムス、ペディロも分前の話を聞くって。今、遠くから聞いてるみたいだけど、連絡きたら紙を吐き出すね」


「わかった。それを何気なく拾えば問題ないね」


「うん、よろしく」


 コーグはムスの肩の上にお行儀よく座る。

 暫くしてラムが紙を書ききった。


「はい。どうぞ」


 迷うことなく、ラムはギルマスに渡す。


「ギルマスー。駆り出し駄目だからね〜。ガードしてよ。怪我人なんだから」


「パパッとやってね。速く休ませたいのよ」


 左右にいるギャラリーを見つつ、ギルマスは読んでいく。


「わかった。わかった。心配するな。『グリザス』にいれる時点で口出しするなっていう。ラムさんは、バース領出身か。若い身で戦闘に出過ぎじゃ、、って、まて。お嬢さん、一番適正あるのがヒーラーなのか!?」


(え。ヒーラー?あの火力でヒーラーなんだ、、。つよ、、)


 ムスは表情を引きつらせる。


「そうですね。ヒーラーが一番強いです。だから、攻撃魔法は発動が速い《光の魔法》(ブレイクライト)を使用しています。ヒーラーは速く手当てしないといけません。詠唱が長いのは使えますが、魔法使いに任せた方がいいので」


「ヒーラーなのは黙っててくれないか?魔法使いがみんな凹む」


(ギルマスその判断は正しいだろうなあ。落ち込む面子がみえる)


 ムスは心の中でギルマスに頷く。


「わかりました。私はある程度、戦闘するので、攻撃魔法も使えるだけですから」


「ある程度の威力ではなかったが」


「ワイバーンの翼を貫くのは貫通が強ければいけます。あれは、穴を空けたかったから先端に威力を集中させて、振り下ろしただけです。込め方の違いで威力は変わりますので、制御の問題です。制御がうまくなれば魔力が低くても2倍ぐらいに威力はなります。なので、あれは普通です」


「ーー普通。ちょっと、クロウ呼んでくる。専門的すぎてわからん」


 ギルマスが慌てて外へ出ていく。


「いっちゃった」


「ギルマスは戦士だから、魔法は詳しくないからねー。クロウさんがきたら、大丈夫だよ!すぐ、終わる終わる。俺は登録の時に揺さぶられたし」


「なんで?」


「お前の魔力を宝の持ち腐れにするのはもったいない。いくらでも魔法の本をやるから、何か、使えるようになれーー!で、ガクガクと。ありがたく、本はたくさんもらったよ。魔法学や陣はものすごくありがたかった」


(魔法学はありがたかった。一般には出回らない知識がたくさんあって、読むの楽しかったなぁ)


「ーーなんか、気持ちわかる」


「面白い人だから、問題ないし」


「連れてきた」


「そんなに急かさなくても。そんなに強い方ですか?」


 ギルマスと一緒に30代ぐらいの金髪の青年が姿を現す。人が良さそうな垂れ目が印象的だ。格好はシンプルで青い質の良さそうなローブをきている。


「みてくれよ。魔力水晶玉じゃ、魔力を測れないらしいし、言ってることが高度だ。ワイバーンの翼を撃ち抜いたのに、適正はヒーラーが一番強いって本人はいうし」


「わかりましたから。こんにちは。お嬢さん、私はクロウといいます。ギルドで魔法職の検査をしている者です。少し、話を聞かせてもらっても?」


「はい」


「光魔法と火の魔法が得意ですか。大魔法はどうですか?使えるレベルですか?」


「使えます」


 頷く。


「揺るぎないですね。もし、光魔法で光源を出すとしたら持続はどれくらいですか?」


「明るさレベルは」 


「洞窟でスナイパーの射程距離まで見えるレベルでお願いします」


「3日です。モンスター討伐しながらですから、半分は残さないといけません。回復量と兼ね合いがあります」


「ーーギルマスが投げるのもわかりますね。ラムさん、制御に関してかなりうまいですね。今も魔力を出さないようにしてますね。魔法師なら基本ですが、みる限りムスなみに多いですから、大変でしょう。試しに魔法を出して頂いても?」


(俺と同じなら多いなぁ。俺は完全に魔力を出さないのはできない。集中しないと魔力がまとまらない。常には大変そう)


「はい。淡い光、照らせ暗がりを《光の魔法》(ライト)」


 掌サイズの小さな球体で、暗めの明かりを真ん中にだす。


「《光の魔法》(ライト)か。さっきより小さいな」


 ギルマスが魔法をみて呟く。


「眩しいので、一番暗くしました。クロウさん、どうぞ」


 クロウの前まで光の球を移動させる。


「ありがとうございます。本当に魔法を使いこなしていますね。ギルマス、もうパーティーにいれる準備はしていていいですよ。本人の技量が高いのはみていてわかります」 


「じゃあ、こっちでしとく」


 ギルマスは紙をもって何やら手続きを始める。

 クロウは暫く光の球を上下左右から見ている。


「動かしますか?」


 本人が移動して光の球を見ているので、そう問う。


「いえ。大丈夫です。均一な球体かどうか、コンパスで測っても?」


 クロウはコンパスをローブの中から取り出した。


「は、はい。ーームス、なんでコンパス?」


 隣りにいるムスに小声で問いかける。


「完璧な球体か気になるだけだと思う。俺の時もーー、なんだっけ、、、闇の球体だしたら、保管された」


「保管!?」


「生徒達にみせるらしい。俺の場合、陣でだしたから、模様の正確さでこれだけの強さがでるとか」


「先生なの?」


「ギルドで見込みがある人には教えてるよ」


「完璧な丸ですね!明るさ、移動コントロールまで。攻撃魔法でありませんし、生徒達にみせてもよろしいですか?」


「どうぞ。持続を私から切り離すので、玉に入れますが、玉はありますか?」


「こちらに」


 魔力を保管する透明な玉をクロウは取り出す。

 ラムは光の球を玉に触れさせて中にいれる。

 玉が虹色に輝いて、白色になった。これは、光魔法が入っている証。玉を割るか、取り出し方を知っていれば、いつでも誰でも取り出せるようになる。


「わかりやすく、色が変わる玉だったのですね」


「ええ。取り間違えたら大変ですから」


 色が変わる球は少々高いのだが、利便性ではとてもよい。


「おー、ラムさん手続き終わったぞ。ギルドリングだ。失くしたなら登録し直しだから気をつけてな。これは、ギルド加入者の証で身分証明書にもなる」


「ありがとうございます」


 リングは誰でもつけれるように、とぐろ形。引っ張れば簡単に着脱可能の仕組みだ。ラムは右腕にすることにした。


「じゃあ、ワイバーンの分前の話をする。クロウいいか?」


「ええ、どうぞ」


 クロウは頷き、ギルマスが座れるように右による。

 


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