呪い
すみません、日付を跨いでしまいました。申し訳ありませんでした。
ムスはラムの様子をみる。
喉の部分に紫色の模様が集中している。どうやら、絞め殺すつもりらしい。
(こんなもの。最低だ)
ムスは紫色の模様の上から祝福の模様をかく。魔針を右手にもって、太陽のマークを重ねて、呪いの威力を相殺。さらに、自分の魔力で上から祝福のマークである花弁と月桂樹の葉を描く。呪いの力を隔離し、ムスは〈見破り〉の技能を最大に使い、呪いの力の源の心のマークと人のマークを同時に魔針でさす。
「大丈夫か!?これはーー!こんなの、どっかいけ!!還れ!」
「ムス!」
コーグは防御を強める。
ムスは呪いを還す。呪いを還す方法は魔力を丁寧に流して魔力飽和状態にし、呪いの核を機能不全にする必要がある。機能不全にした瞬間に、隔離した呪いの力が相手に戻るのを利用して、祝福のマークの1つの花弁で全て強制的に戻していくだけ。仕組みは簡単だが、魔力飽和状態と隔離が繊細で難しいが、魔技師なら魔針が使えるため比較的楽に呪いの核は突き止められる。後は力勝負。
魔針で刺した場所が膨れあがり、炎に包まれる。
それでも、ムスは魔針を離さず、魔力を流し続け模様が消えるのをまつ。
ムスの魔力の多さに耐えきれなくなった呪いの核が、紫色の色が消えて機能不全を起こした。
「今」
「ボーン!」
コーグが花弁のマークに黒い炎を吸わせた。
ムスが魔針の指す場所をかえて、花弁のマークと太陽のマークに刺して魔力を流すと隔離していた呪いの力である紫色の光が一直線に壁を超えて飛び立っていく。
それは、コーグの黒い炎を纏っている。
そして、祝福の太陽のマークがラムにしつこくついて回る紫色の模様を光りで完全に破壊した。
ピシッ
小さな岩が砕け落ちる音。
これは、呪いの模様と魔法の陣が完全に砕け散った音だ。
「ふぅ~。母さん、呼吸安定した?」
「まって。ラムちゃん、息、荒いけどしてるわ!」
ユリアはラムに駆け寄って呼吸を確認する。胸が上下に動いていることから判断した。
「ーー、なら大丈夫かな」
(見た感じ、紫色もないし問題はなさそう。とりあえず、明日まで太陽と花弁マークはつけたままにしよう)
「むーー。悲しみ。壊された」
頭の上にいるコーグが項垂れる。
「コーグ?」
「呪いにのせて攻撃したやつ、相殺されちゃった。相手、強いみたい。精霊の攻撃は追跡されないけど、ペディロに追跡慎重にって言ってくる!」
「わかった、よろしくな!後で、俺もいく」
「うん!先に待ってる!」
コーグは翼で飛びながら、扉をすり抜けて部屋を出ていった。
それを見届けて、ムスはラムに視線を戻すとラムは急に起き上がる。
「ラムちゃん!!よかった。よかったわぁ」
ユリアがラムを抱きしめる。
「ーー意識はっきりしてるか?」
ムスは険しい顔をしてラムの右上をみている。
(紫色は見えないけど、攻撃してくるなら呪いが戻った方向。コーグの攻撃が壊されたというし、相手は強いから警戒しよう。母さんは完全にラムにくっついて、ガードしているから物理は安心。 魔法が怖いな)
「私、生きてる、よね?」
ラムは震える身体を抑えながら呟く。
(そうだよな。もう少しで死ぬところだった。落ち着いてて戦闘経験あってしっかりしている彼女でも怖いよな)
「ええ。もう、大丈夫だから。ラムちゃん、少し寝ましょう。私、側にいるから」
ユリアはラムの背中を擦すっている。
「ーーーー母さん、震えてるから寝れないよ。ホットミルク持ってくるから、とりあえず固まってよう」
(意識も思考も言語も問題ないし、今は祝福のマークが守っている。力を抜かせてあげた方がよさそう)
素早く扉を開いてムスは出ていく。
そして、少しだけ足を急いで台所へとむかう。




