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 ムスは2階に駆け上がる。

 すると、何かの視線を感じた。

 それは、背筋が寒くなるような、悪意に充ちたもの。とてもよくない感じがする。


「コーグ、何か側にいない?」


 ムスに言われて、コーグはムスの頭の上から顔を出して、キョロキョロと辺りを見回す。


「側にはいないと思うよ。ただ、ムスの部屋から嫌な魔力を感じる。トゲトゲしてる。ラムのじゃない。それかな?」


 コーグは耳をぴょこぴょこ動かして周囲を警戒している。

 その後にすぐ、ムスの頭の後に隠れる。見つからないように警戒している。


「ーー見られてる感じがするから、遠視の魔法かな」


 ムスが警戒しながら自分の部屋の前に来ると


「いくわよ!」


 動きやすい黄色い花柄のワンピースを着たユリアが、ムスに声をかけて部屋に突入する。


「ちょ!?母さん、無策で突っ込まないで!?父さん、事情説明したの!?」


(慎重に何がかけられているか、罠がないか、隠密して侵入しようとしたのに、台無しだよ)


「ユリ母さんは今日も元気!いけー!」


「いけー!じゃないって!コーグ、これは危険だって!母さん、大丈夫!?」


 ムスは仕方なく、後ろに続く。


「なにこれ?見覚えないから、悪いものね!」


 ユリアが空中に浮いている丸い形をした瞳を見つけた。

 ふよふよ浮いている瞳に素早く近づいて全体重をかけて足で踏み潰す。

 ブチュッと嫌な音がして、しゅわーと音がして煙を出しながら消えていく。


「わーー!!ちょ、母さん、変なの踏み潰したら、やばいかもしれないからー!!変なことになるかもだからー!!」


 ムスはその光景をみて、慌ててユリアを止める。

 ムスの目には叩き潰したら危険という情報が見えたからだ。だが、既に遅い。


「え!?もう、粉砕しちゃったけど、、。完全に粉砕できるように、体重と勢いをのせたから、、。わっ。汚い!掃除しなきゃ!」


 ユリアの足は紫色に染まっている。

 床も紫色に染まったことに眉を顰める。


「あああ~。母さん、急いで洗って。毒だよ、それ。魔法だから効かないだろうけど、いいものじゃないから」


(普通に叩き潰していたら、爆発して毒を撒き散らす魔法だった。ただ、母さんが潰したから、魔法が効かない体質で爆発がなかったことになって、毒だけ出た結果に。しかも、毒も魔法だったから、母さんには効かない。俺は触らないようにしよう。熊も殺せる毒だし、怖い)


 ムスは頭を抱える。


「毒!なんて、酷い。毒消し撒かないとね。ムス、洗って毒消しもってくるから気をつけて」


 ユリアは嵐のように部屋から出ていく。

 

「ユリ母さん、お手柄だねー。あれが、1番強い魔法だったよー。粉砕された。ラム、大丈夫か見ないの?まだ、なんか嫌な感じがする」


「見る」


 ムスはラムに近づいて、顔を覗き込むとうなされている様子。

 その様子を見て、〈見破り〉を使用するとかけられている魔法が見えた。

 遠視の魔法と精神攻撃、あと1つよくない紫色に光る模様。

 それをよく見ると彼女をマークして害をなすものだった。


「コーグ、防御張って」


「はーい!」


 コーグは元気に返事する。


(よくないどころか、悪夢をみせるようになってる。しかも、体力を徐々に奪うような呪いまで。要らないから壊そう)


 ムスは隅々まで見て、魔法を魔法使いに返すことにした。魔法を返すには魔力が多くないと成功率が低いが、魔力が多い自分にとって、有利と判断。

 魔法を解除するには魔力を断ち切ればいい。魔法の陣を壊すか、魔法自体を消滅させればいい。紫色に光る模様は呪いだと思われるため、解除に手順がある。まずは


「魔法を壊す」

 

 この魔法使いは陣を使用している。陣を壊せば魔法がなくなる。まずは遠視魔法が邪魔なため、断ち切ることにする。見えないように目隠しもされているが、ムスの技能によって筒抜けである。ラムの右上にある魔法の陣に向かって、自分の手に溜めた魔力の塊、黒色の野球ボールぐらいの大きさの玉を投げる。


 バリンと硝子が割れるような音がして、遠視の魔法が壊れた。


「よし!粉砕」


(遠視魔法は魔法使いが見るものだから、何も技を使わず力技に限る)


 魔法の陣が飛散したのを確認して頷く。


「力業だー」


「流石に精神攻撃は安全に返すよ。遠視魔法は小細工すると見られてるから、対策されたくないもん」


「気持ち悪い視線なくなってハッピーだよー!コーグ、元気!」


 ムスの頭の後に隠れていたコーグは頭の上に乗る。

 にこにこと笑っている。


「次は精神攻撃を返すからなー」


「はーい!防御!」


 コーグは元気よく頷く。


(魔法の陣を見るに、ラムの夢に入っている。雲のマークを消せばいいけど、かなり強い防御が張られている。円の隅にある結びついている攻撃魔法の陣から消すか)


 ムスが丁寧に糸を縫うように一つずつ攻撃魔法を隅からけしていく。


「毒消し持ってきたわー」


 ムスが作業している間にユリアが部屋に訪れ、紫色の水溜りに毒消しを3つ放り込む。

 しゅわーと音がすると、紫色の水が透明な色になり、毒がきえた。床をボロボロのタオルで拭き取り、掃除を完了する。


「これでー」


 ムスがぶつぶつ言いながら、攻撃魔法の陣を全て無力化。すると、強い防御の魔法に手を出して壊す。

 パリンと硝子が割れる音がして、精神攻撃の魔法が壊れた。

 ムスはうまくいった事に安堵して息を吐き出す。


「あ、う、や、離して、!」


「ラムちゃん!?ラムちゃん、起きて!しっかりして!」


 突然、ラムの呼吸が乱れた。

 ユリアは慌てて駆け寄って、ラムを揺さぶるが起きない。


「速く、呪を返さないと!」


(やばい。一気に負荷をかけにきた)


 ムスは最後になる呪いに関して急いで取り掛かる。

 



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