英雄伝説
昔々、人々がひっそりと暮らしていた頃、アルテマヴィーナという絶対的な力をもったモンスターが現れた。
そのモンスターは絶大な魔力で村を焼き払い、強い力で家を握り潰し、次々と人を襲っていた。
ーー世界は闇に包まれ、徐々に光を失っていくーー
追い詰められた人々はアルテマヴィーナの討伐のために、12人の勇者を派遣した。
一人は前線で注意を引き付ける剣士。
一人は前線を支える拳闘士。
一人は魔法の剣を使う聖騎士。
一人は敵を撹乱する双剣士。
一人は後衛を防御をする重騎士。
一人は前線を援護する弓使い。
一人は後方で援護する魔法使い。
一人は傷ついた者を癒す巫女。
一人は皆に加護を与える召喚士。
一人は精霊と共に皆を守る精霊使い。
一人は道具の効果を引き出せる道具士。
一人は時や空間を操る時空士。
戦闘は3日間続いた。
12人は力を合わせーーー
そして、ついに、人々はアルテマヴィーナを追い詰め、その地に封印することができた。
封印に成功した日に、美しい太陽が暗闇から顔を出し、辺りに晴天が広った。
聖獣が大地を癒やすように飛び回り、精霊が歌い、草木が、次々と芽吹き花を咲かせた。
戦いは人が勝利したのだ。
人々は12の勇者に感謝した。
人々は封印が解けないように、アステラティーア王国を築き上げ、強固な12個の結界を創った。結界を守る職業を守護者とし、それぞれの場所に12人の守護者を配置し、結界を護り続けることにした。
守護者の選定は、強い者に現れる痣、星座のかたちを頼りに代々と守護者を引き継ぎ、この400年間、平和が続いていた。
これからも、人々が平和を愛する限り、アルテマヴィーナの復活は起きない。
そう、未来に託し、月光草は月夜の中で輝いていた。
ーーーこの封印が有限であることをしるのは、王家と、限られた者のみなのを知らずにーーー